Luthier日記

弦楽器製作の様子と日々の出来事。

ギブソンLG1、リペア終了!

2011-10-07 21:38:30 | 日記
今日午前中は曇り時々雨。
午後から回復してきました。

作業はLG1のリペア。
今日はブリッジピンのセットから始めました。
リーマーでブリッジとピンのテーパーを合わせながら差し込み具合を調整します。
ピンがセット出来たら、弦の通る所に溝を切りました。
作ってあったサドルをセットして、仮に弦を張ってみます。
弦高調整のため、サドルを外して高さを調整。
もう一度、弦を張ってチューニングし、今度はオクターブピッチを見ます。
またまたサドルを外して、サドルのピークをずらしてオクターブピッチを合わせました。
削った部分を磨いてサドルは完成。
ブリッジもオイルで仕上げます。
セット終了のブリッジアップです。


最後は弦を張ってチェック。
ブリッジを接着にして、サドルも牛骨で作り直したので、生音はだいぶよくなりました。

今日でリペアは終了。
一応明日まで様子を見ます。

今日は甥っ子兄弟の通っているピアノ教室の発表会。
作業を早めに終わって、夕方から出かけました。
二人ともいい演奏でした。
弟の方は緊張しやすいので心配していましたが、演奏終わりの感想は”楽しかった”。
人前での演奏なのにたいしたもんです。
他の子たちの演奏も、落ち着いていてしっかりとした音で弾きます。
いい演奏会でした。
開演前のステージです。


今日の写真はリペアの終了したギターです。

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2 コメント

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製作家と演奏家 (範彦)
2011-10-08 10:23:17
現在までにギタリストと製作家との間には大きな溝が出来てきました。
その理由で最も大きいのが30年余りに渡りセゴビアの実音量は大きいとされていたもので、また音も太く重いと録音等をもとに考えが広まり、また学校・教室ともそんな考えが当たり前になっていった事です。
そしてその流れが、演奏家の間ではクラシックギターの最高峰は常に『今、現在』だけを追い求める動きが大半となってしまい、ラコートなんかはつい20年前まではゲテモノ扱いでしたし、トーレスやアリアスなんかは タルレガらが使っていた過去のギターとしか扱われなくなり弾き手も激減しました。
しかし、製作家は流れがほぼ昔のままで頂点をトーレスとしており、ギターの世界に於いて最も貢献した作品はラコートとされている。
スペイン製作家は皆トーレス最高説で製作している。
フランシスコ・ゴンサレスの流れがホセ・ラミレス一族を産み出した。
しかし、その弟子達はラミレス1世を最高とせず、ゴンサレスのギターなんか見たこともない人ばかりで、レプリカはやはり大半がトーレスとなっといる。
近年、アマリア・ラミレスがレプリカを作っているがなんと1世とは不仲だったマヌエル・ラミレスの寸法のみコピー作品だ。
私はこれまでに30本余りのマヌエル・ラミレスを実際に弾いていて、6本を所有したが、1902年を最後にマヌエル自身は1世タイプを作らなくなったと判断出来た。
トーレスの最高傑作ラ・レオナや他の作品でも最高峰は皆、小型ボディであり、正直言ってモダンタイプのトーレスで凄い作品は少ない。
その証拠にマヌエルの作品もトールスを研究して作られた大半の作品が小型である。
つまり弦長650mmを世に定着させたのはトーレスではなく最有力候補はハウザー1世のゼロフレットタイプ647mmであり、これを2世以降ゼロフレ廃止にして650mmとした事が、絶対的な原因であろう。
その上にセゴビア専用ラミレス660mm前後も流行ったためいつしか弾き手の頭から小型ボディが特殊なものと判断する様になったのだ。
小型ボディは音量がない等と間違った話ばかりが広がり、現在に至るのです。
そして小型ボディの演奏方法を教えられる先生はいなくなりました。
同時にトーレスを鳴らす演奏家も国内には1人だけになりました。
私がプロになれば2人ですが.......... 若手製作家の方々を今後、応援したいと思ってます。
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Unknown (KEN)
2011-10-08 23:01:45
書き込み有り難うございます。

楽器の世界は深淵です。

歴史的背景を含め、制作家も演奏家もすべてを理解している人は少ないと思います。

私もまだその入り口に入るか、まだ、だいぶ手前かもしれません。

日々精進でいい楽器が作れるよう努力したいと思っております。
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