渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

二輪免許

2024年04月04日 | open




たまたまだろうが、私の周囲
で二輪免許を取ろうとしてい
る人が増えている。
本人の希望ならば応援したい
が、私は私から「バイクはい
いよ~。バイクに乗りなよ」
とは人には言わない。
本人が自発的に自分で意を決
して行動するのが二輪の原則
だと思っているからだ。
二輪車自体、つまりバイク本
体には危険性は一切無いが、
二輪車での運転は四輪車より
もかなりのハイリスクを背負
う。端的に言うとバイクに乗
るの
は危ない。接触事故や衝
事故、転倒事故が死亡に繋
りかねないのが二輪の運行
だ。
なので、私は私から人に二輪
に乗る事を勧めたりはしない。

しかし、本人の意志が固いな
らば、訊かれたらいろいろと
経験則からアドバイスはする。
通行の仕方、運転操作操縦の
仕方等々。
教習所は「交通法規を守る
車両の運行」を教える所であ
り、運転技術を教えたりはし
ない。
これは私の妻も30数年前の事を
思い出すように昨年言っていた。

自動二輪の免許を取りに行っ
た時「何も教えてくれないよ」
と。「乗れるんだから、はい
乗って」としか言われなかった
らしい。
そうなんだ、とは思った。
私が高1の時には教習所では
結構教えてくれた。グリップ
の握り方から肘の曲げ方、背
骨直立は駄目で脱力させて軽
く曲げて肩を落とすとか、肘
は張るなとか、旋回での腰の
入れ方から
何から。受講が
10数年違うと
いくらバイクブ
ームの時とは
いえ内容が違っ
たのかもしれ
ない。教習所に
よるのかも知れ
ないが。

とにかく二輪の運転では「絶対
に転倒しない事」が第一だ。
立ちゴケもUターンゴケも駄目。
それは交通事故なのだから。
事故を起こさない事が第一。
速度違反だったり指定車線違反
だったりの交通違反で検挙され
るのも駄目だが、何よりも事故
を回避する運転が一番だ。

そこで公道実走行で厳重に注意
しないとならないのは、「交通
法規を守ってさえいれば安全」
という現実は実際の道路には
存在しないのだ、という認識。
これかなり重要だ。
事故を避けるのには「予測力」
というものと「瞬間的判断力」
と「実行に移して実現する実力」
という三者が絶対に必要になる。
それらは教習所では教えてくれ
ないので、二輪運転者は公道に
出てから実地で学ばなければ
ならなくなる。
いかにそれさえも危険である
事か。
だが、無事故を何年、何十年と
続けている人たちは、自分を
磨いて安全を引き寄せ、危険
を遠ざける走り方をする。
この際、安全基準は各自で異な
り、交通法規とは連動しない。
60km/h速度規制道路を60km/h
で走れる人もいれば、その速度
は自分には限界を超えているの
で50km/hで走る人もいる。
つまり法規は各人の安全マージン
とは別次元の問題として存在し
ている。
なので、「交通法規さえ守って
いれば安全」という事自体が存
在しないのだ。
ここを間違えると取り返しの
つかない事がやって来る。
自分にとって無理なき運転を
する
のが安全運転であり、交
通法規
を守れば安心、という
のではない。

公道での実走行とはそういう
もの。
交通法規は多数の車両を円滑
運行させるためのルールで
あり、
全ての安全を担保する
ものでは
ない。安全確保は運
転者にかかって
いる。
法は法でしかなく、道路の現

場では人を実際には守らない。

ただ、自分が適切的確な運転を
していても、もらい事故という
ものは避けられない。
上下片側一車線の対面通行の
バイパスのトンネルで、対向車
がいきなりこちらの車線に飛び
出して来たら避けようがない。
また、信号で停止中に横から
大型貨物車が激突してきたら
避けようもない。
そういう事があるのが公道だ。
公道は危険に満ちている。
その危険度と安全度の度量も
各人の物差しに拠る、という
事実がある点が公道が危険だ
という所以でもある。

気をつけて乗ってください。
特に二輪は。



この記事についてブログを書く
« アクシデント映像 | トップ | ダニ »