渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

マテル 〜モデルガン誕生以前ー1960年代初期〜

2023年05月26日 | open



日本人が世界で初めてモデルガン
を発明した。
だが、それ以前は日本人たちは
どうしていたか。
アメリカの子ども用のオモチャ
の銃を実銃に見立てて満足し
ていた。
この写真はそのマテル社の玩具
銃だ。

私の小学生時代、このマテルの
SAAもどきを持っているクラス
メートの奴がいて、よく遊ばせ
て貰った。弾が飛ぶからだ。
友人の個体はスプリング式で
プラのドングリ形の弾頭がポン
と飛ぶタイプだった。
シリンダーはソリッドではなく、
外周はギミック。中の輪胴のみ
が回った。
威力は3mも飛べば良いほうで、
マッチ箱さえ倒すのも困難だっ
た。完全に幼児用の玩具だ。
ダブルアクション。

だが、これがかなり人気があっ
た。
私が小学校低学年で持っていた
MGCのSAAのほうが比べもの
にならない程にリアルであった
のだが、モデルガンは弾が飛ば
ない。
マテルはマテルで人気があった
のである。
そのカートスプリング式が、後
にスプリング別設置となり、
さらに空気圧を使う玩具空気銃
を生む事になる。
エアソフトガンも出始めはツヅミ
形の弾頭を飛ばしていた。
それが丸いボールのブレットボー
ル弾頭となり現代に至る。
ツヅミ弾からBB弾に移行し始め
たのは1984年だ。
最初はメーカーからは未発売で、
ユーザー各人が個人改造でツヅミ
弾からBB弾仕様にコンバージョン
改造していた。
ケースレスは1984年後半から
発生した。
やはり個人カスタムから開始さ
れた。
そして、何と空前絶後の玩具銃
での撃ち合い陣取りゲームの
サバイバルゲームの大隆盛が起
きて、弾の出ないモデルガンが
主流の座から転落し始めた。
それが1985年。

ただ、低威力でポンと弾が飛ぶ
だけの玩具銃であろうと、SAA
などでモデルガン並みのリアル
な外見の物が1970年代にあった
としたら、多くの日本のガン
ファンはそれを買い求めただろう
と思われる。
というのも、実はマテルの幼児用
アメリカ玩具でさえ、1960年代
〜70年代中期あたりまではマニ
アックな人気があったからだ。

モデルガンの魅力は、リアルな
外見と同時に内部構造が実銃と
全く違って安全なトイガンで
ある事だった。
その安全設計思想と製品がモデル
ガンの魅力だった。
弾が飛ぶ玩具銃はモデルガンでは
ない玩具空気銃、玩具バネ圧銃
であるのだが、日本のマスコミや
識別なき大衆は玩具銃をすべて
「モデルガン」として片付けよ
うとしている。
ラグビーとアメフト以上に違う
のに。
識別無き社会、認知力無き社会、
十把一絡げの大衆の妄想は、と
ても危険な現象なのだ。
集団洗脳と同じで。



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