渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

本象牙と人造象牙

2022年02月18日 | open

上:私のオリジナルシャフト本象牙
下:86年淡路亭シャフト人造象牙

上:オリジナルシャフト/リング
 は大阪で別途外注製作装着
下:東京神田淡路亭製シャフト/
 ヘルムステッターリング移植

キューによって撞球性能は大きく
異なる。
その差異はパーツの材質の種類や
構造に大きく左右される。
その要因を決めてくる部分をまと
めると、上から

・タップ
・先角
・シャフト(構造・材質・テーパー'
・シャフトリング
・シャフトジョイントねじ構造
・シャフトとバットの連結構造
・バットジョイントカラー
・バットジョイントリング(材質)
・バットフォアアーム(材質・構造)
・ハンドル内部の構造
・リアスリーブ材質と構造
・スリーブリングやインレイ
・バットエンドの形状・構造・材質
・ウエイトボルトの有無と構造
・ダンパーの形状とエンド密着度

と、ざっと見てもこれだけある。
ジョイントピンの材質や構造によっ
ても撞球性能と撞き味が変わって来
る。
性能と撞いた時の感触は別次元の
ものだが、多くの要素の複合的な
構成によって両者は形成されてく
る。

一番キューの特性が変わるのは
シャフトの容態如何であり、次に
はタップが挙げられる。
これは誰もが感じているだろう。
なのでシャフトやタップを各人が
いろいろ選んでいる。
細かく見ると、ジョイント方法や
バット部の構造や塗装方法でも特
性が大きく異なってくる。

概略的には、キュー特性の要素を
決めるファクターは三点だ。
「材質」「構造」「形状」である。
いく通りもある細かい組み合わせ
を選ぶと、あらゆる撞球特性に沿
ったキュー作り、キュー希望を追
する事ができる。
玉が撞けるようになって感知力が
高まると、好みが絞れるように
なってくる。
スポーツフィッシングのロッド選び
やゴルフのクラブ選びのように。

取り敢えずはシャフトとタップ。
これは誰でもすぐに替えられる。
シャフトとしてはソリッドか内部
中空構造か、先角の構造と材質は
何かという選択肢がある。
突き進むと、本ハギ四剣独自の
きとか、ブラス木ねじジョイント
独特の動きとか、デルリンエンド
独特の特質の現出等々、極めて
多岐に亘る特質を知覚してそれら
を選択して求める事ができる。

玉突き棒というキュースティック。
ただの玉突き棒なのだが、単なる
棒っきれではない。
人間の工夫と英知が詰まっている
スポーツ道具なのである。
アルミやステンレスのコンマミリ
程の厚みのリング一つ入れても、
打感は確実に変わる。
かなり繊細なプレーヤーズギアが
ビリヤードのキューという道具な
のだ。大雑把ではない。
とても面白い。
だが、ある程度のレベルまでは、
出来の良いハウスキューでもマス
ワリ連発やローカルの試合で勝つ
事もできる。それは腕で。
しかし、ある一定レベル以上同士
の対戦になると、持っている技前
を如何なく発揮する為には、自分
専用の細部までこだわったキュー
が必須となって来る。



この記事についてブログを書く
« 映画『ハスラー2』(1986) | トップ | ビリヤードのボール »