渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『アイリッシュマン』(2019)

2023年04月21日 | open



アメリカの闇を描いた名作。
ケネディ大統領の父親は禁酒法
時代に密造酒でマフィアと結託
して巨万の富を築いた事、その
息子二人は世間知らずの強引で
わがままな坊ちゃん政治家で
あり、権力行使によってマフィア
を切り捨てようとした事は日本
ではあまり知られていない。
構造体の中で言う事を聞かずに
専横を進もうとすると暗殺され
る。構造体という「組織」に。
それは日本でも現実に起きてい
る。単なる粗暴犯や個人的怨恨
のテロルで殺害されるのではな
い。深い闇が背景に存在する。
ただ、JFKの時のようにその
闇が闇であることを隠して、
見かけ上の「犯人」をでっち
上げるだけだ。
これは日本でも国鉄総裁失踪
轢死事件の頃から何度も続け
られていた。ごく最近でも何件
か発生している。決して真相
は明るみに出ない。捜査も形ば
かりで早期に打ち切るのがパタ
ーンだ。JFK暗殺事件やツイン
タワー&ペンタゴン事件と全く
じなのだ。嘘で固める。
子ども騙しのような稚拙な嘘だ
が、嘘をそれが真実として突き
通す。
ケネディ兄弟は揃って殺された。
JFKを殺した犯人とされた男も
その男を殺害した男も殺された。
JFK暗殺に関しては12名の関係
者が次々と不審死を遂げている。
そうしたアメリカの闇の実話を
描いノンフィクション作品。
名作である。

2年ぶりに観た。
何度観ても、良い作品は良い。