私が幼稚園に通う年頃になると
我が家の蓄音機(ちくおんき)を
自由に使ってもいいことになりました
ビクター製の四角い蓄音機でした
図面では箱の右側にクランクが見えます
それがゼンマイ巻き上げのハンドルです
母親が、ゼンマイを巻き上げてくれます
蓄音機の横にレコードキャビネットがあって
引き出しの一番上には母親の大事な
赤いラベルの歌舞伎のレコードが
入っています
その引き出しのレコードは
触ってはいけない、それ以外はどれを
聞いても、かけてもいいと自由でした
レコードはビクター、コロンビア、
ポリドールのレコードがほとんどで
たしか、ビクターレコードの回転数が78回転
コロンビアレコードが80回転だったと記憶にあります
レコードは母親の大事にしていた歌舞伎の
赤ラベルレコード以外は歌謡曲、軽音楽が
たくさんありました
母親は歌謡曲では
藤山一郎のファンで
「東京ラプソディー」がとくに好きで
よく聞いていました