箱根の山は天下の険 ♪
いつかは越えたいと思っていた箱根峠を昨日、制覇してやったぜい
青息吐息で
小田原から国1を西へ漕ぎ出し、箱根湯本の手前で旧道(県道732)へ左折する。
今回の相棒は登りが得意な Alps Climber
初っ端から温泉街の急坂に心を折られそうになるが、後になってみればまだまだここらは序曲に過ぎなかったようだ。
この先でステッキを突いたジッチャンから「がんばれよ」の応援を頂き、「ありがとうございます」と返す。
いつもなら「アザッス」と返してたとこだが、お年寄りには敬意を払っとかないとね。
もすぐ俺も仲間入りするんだから。
すぐにも折れそうな心と脚をなだめながら登っていくと、大天狗山神社の鳥居前で
このルート最凶の激坂
(途中で止まるとリスタートできそうになかったから、ヒーヒーと登り切った後に手押しで降りての撮影)
車で走ると気付かないけど、所々に坂の名と謂れを記した看板を見かける。
女転(おんなころ)し坂
女性が落馬して死んでしまった坂らしい。
「俺は男で良かったな」
なんてことを思っていたら、小学生のころ言ってたお下品なフレーズが脳内でフラッシュバック。
「俺は男だアルゼンチン、君は女だナイチンゲール」
激坂に脳まで筋肉疲労してきたせいか、あるいは人生の走馬灯か・・・
そうこうしてるといよいよ、今回最大の難関と覚悟していた 七曲り (゜Д゜;)
こんなヘアピンが続く
覚悟はしてきたつもりだったが、想像以上にキッつい。
後半は1曲がり毎に足を付きながら限界ギリギリで走ってたので、写真を撮る余裕もなかった。
しかし漕ぎ続けていれば必ず終わりは来る。
いや~当分ここは いいかな
ところで「七曲り」と称しながら、実は12曲がりあるんだ。
「七曲りポッキリ」と呼びこんでおいて12曲がりを走らせる、まるでボッタクリバーみたいな坂だな。
しかも登りはまだ続く
しばらく走ると斜度は徐々に緩やかになり、甘酒茶屋の隣に無料の休憩所を発見したので大休止することにした。
この施設は有難いな
ここで今日一日分と考えて持ってきた携行食とドリンクを全て消費してしまった。
どうやらいつもより多量のエネルギーを費やして登ってきたようだ。
しばらくの休憩でまた走れそうになったので再出発すると、雰囲気のいい旧街道が道路脇に。
自転車で坂を登れなくなったら、こんなところの散策もいいかもしれないな。
なるべくそれが先になってほしいものだけど。
やがて道は下りだし、程なく芦ノ湖に滑り込む。
残念ながら富士山は雲の中だ。
ここでコンビニで仕入れたサンドイッチの昼食とし、最後の一口となったところで
バシュッ とサンドを握った指先への衝撃と飛び去る影。
「ここでもか」
最近は至る所でトンビが江ノ島化しているようだ。
人間が餌を与えるから本来臆病な彼らが「人間が持っている物は俺たちの餌だ」と思うようになったらしい。
野生に介入した人間へのしっぺ返しだな。
サンドイッチだけ奪って俺の指は傷つけない、なかなかのテクニシャンだったことだけは幸いだった。
芦ノ湖から峠までは、また少し登る。
復活した脚はさほどの苦労もなく、念願だった箱根峠まで俺達を引き上げてくれた。
「やったぜ」という達成感と、「峠という言葉からの趣が、ないなぁ」なんて、ハイブリッドな気分。
静岡側から見た画像も載せておこう。
「さて、下りますか」
下界は蒸し暑かったけど、ここらは肌寒い。
下りは身体が冷えるので、念のためにと持ってきてたレインウェアを着込み、熱海に向けて走り出す。
ガスってきた
レインウェアを着た身体は大丈夫だが、唯一むき出しの指先が冷たい。
雨にならなければ いいのだが・・・
三島方面が霞んでる
標高を下げるにつれてガスは薄れ、雨の心配はなくなってきた。
しかしこのルートは激坂だと聞いていたんだが、下りの斜度はさほどでもない。
「これなら反対に登ってきても大したことないな」と思ってたら、峠から10km地点で、こいつが。
7km・13% とは、今日登ってきた箱根旧道平均斜度7%の2倍じゃないかぁ(゜Д゜;)
恐る恐る下ってみたが、どうやら13%は最大斜度のようで、平均斜度はほぼ同じ。
「これなら登れるかもね」
それでも激坂に変わりなく、ブレーキで握力を喪失させられながら、なんとか熱海まで下りれた。
当初の予定では熱海で昼食をと画策していたが、大幅な遅れに証拠写真だけ撮って足早に去る。
湯河原や真鶴は完全スルーして帰宅した。
「は~ もうしばらく登りは、いっかな」と満足してた昨日の帰宅直後だが、「次はどこ登ろうか」なんて考えてる今日の自分がいる。
バカな奴は峠の達成感だけ覚えてて、過程の辛さはすぐに忘れてしまうんだろうな。
不治の病かも ね