しろつめ・楚々・くちかずこ姫のお部屋 goo

安易に清水の舞台から飛び降りるが、意外に用心深い。極めて自己中心的だが、意識がない部分で情が深かったりもする。

いちじくのこと

2009年09月09日 18時58分00秒 | 日記・エッセイ・コラム

昔、くちこの実家に、いちじくの木があって・・・・
夏の終わりになると、毎日大きなアルミ鍋にいっぱいのいちじくが採れた。
それは、井戸の側にあったせいか、清々と葉を広げていた。

くちこが結婚した後、その木はシロアリに喰われてしまい朽ちてしまった。
その少し前、病身の父が根元から生えた芽をくちこんちに持ってきて絶やすまいとしたが、ついに一度も育たず父は他界した。

母が半病人になって・・・・
食が進まなくなり
いつもいつも
「イチジクが食べたい」と。
それも、スーパーで売っているのではだめ
熟れた実を木からもいだ物でないと。
何人かの友人が心がけて届けてくれたので、母は堪能して旅立つことができた。

その数年後、ふと亡き母を思いだし、いちじくの苗を買って植えた。
それが・・・・
運悪く、とてもまずいことで有名な品種だったらしく・・・
何人も何人も、
何度も何度も、
「これは、とても不味いから早く抜いた方が良い」と

何回抜こうとしても、小さな苗のうちから抜けなかった。
だから、強引に?それは大きくなった。

数年後、実がついたが・・・
どうせ・・・
が、食べてみると、超美味しい


くちこんちの庭で毎朝ラジオ体操をするご近所さん(八人位)に、
「生まれた順に食べて良し」というルールを作った。(くちこ作)
(あああ、くちこが一番若い・・・)
大絶賛
「甘い!」
「美味しい!」

今年は大豊作
ご近所にも百個以上配れたかと。
お教室の生徒さんにも。
職場でも皆で食べ、
ジャムも作り、
毎朝のヨーグルトにも。

狭い庭で精一杯頑張ってる
いったい、何人喜ばせたことか・・・

ありがとう、
お母さん

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