母性を神聖視してはいけない。
母性は全女性とセットにはなっていない。
職場では日々出産ドラマが展開されているが、
出産して直後、精一杯の産声をあげている我が子に、「ありがとう」(生まれて来てくれて?)「ごめんね」(しんどい思いをさせて?)「かわいい!」と声をかける産婦が半分。
疲労と安堵で脱力し言葉にならない声とともに、じっと胸に抱き動かない産婦が二割。
興奮して喋り続ける人etcも二割とする。
さて、残りの一割だが・・・。
生まれたばかりの、へその緒も切れていない我が子に向かって「このやろー!」と言った産婦がいた。(お前のせいで痛い目にあった?)
産みの苦しみはよく取り沙汰されるが、実は胎児もそれ以上の苦しみを味わって、やっとの思いで生まれ出ているのだ。
なのに唯一無二の母親からの第一声がこれである。
「あんたこそばかやろーだ!」とは言えなかったが。
「ジュース飲んでいいですか?」が第一声だったりは結構ある。
外来に来る、沢山の不妊症の女性達を思うと、神仏を疑いたくもなる。
「赤ちゃんが私のことを睨むんです」と訴える人もいる。
母親にインネンをつける新生児なんているはずもないのだが。
今、母性が崩れ始めている。
案外、全ての問題はここから始まっているのでは?
さて、このエッセイから7年。
幼児虐待・・・
赤ちゃんポスト・・・
育児放棄・・・
そして、安全に出産する場所も保障されなくなりましたね