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サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

CPサッカー日本代表 オランダに敗れるものの進化を見せる

2017年09月14日 | CPサッカー

アルゼンチンで開催中のCPサッカーの世界選手権大会、日本代表はグループリーグ第2戦で世界ランキング3位のオランダと対戦。
今回もPCにて視聴。ゲームを振り返っておきます。

日本は、GK柳英行が先発。DFは初戦と同じく右に浦、左に戸田。中盤は真ん中に三浦、右に亀野は初戦と変わらず、谷口が左サイドに回った。1トップには黒田が先発に名を連ねた。

日本は開始2分、いい形を見せる。一度ボールを奪われたものの三浦がすぐボールを奪い返し中央から左サイドへ流れ中央の黒田へパス、黒田がダイレクトで前線の亀野へ、亀野はシュートできなかったものの大会初得点の期待を感じさせる。
7分DFの浦がドリブルで持ち上がり縦への推進力を見せる。
12分、13分には立て続けにGK柳が好守、セカンドボールもフィールドプレイヤーがクリアする。
戸田は激しいタックルで気持ちのこもった守備を見せ、左サイドの谷口も相手6番とのマッチアップに負けてはいない。黒田も前線から追い回す。

日本代表の選手たちは、イングランド戦に比べて落ち着いてゲームに入れているようだ。
イングランド戦では最終ラインでボールウオッチャーになりフリーの選手を作っていたが、そういった場面もほとんどない。
オランダはイングランドに比べて球離れが遅いようにも感じられるので守りやすい側面もあったかもしれない。スタッフの的確な分析もあっただろうか。
というより日本の選手達の寄せが初戦よりも速かったということも大きいだろう。


膠着した状況を打ち破ったのは最後方でボールを散らしていたオランダのキャプテン、4番の選手。19分、キャプテンは日本の選手と競り合いそのまま上がってくる。一度左サイドの選手にボールを預けゴール前へ、折り返しをダイレクトで蹴り込みオランダが先制。

キャプテンの機を見た上がりは、敵ながらあっぱれ。

失点後、日本としては気持ちを切らさず落ち着いてプレーすることが重要。ベンチからも(あるいは選手同士?)「切り替え!切り替え!」との声がかかる。

しかし1分後、オランダの11番にうまく体を入れ替えられGKと1対1になり失点を許す。さらにその直後にはディフェンダー間の横パスを11番の選手に奪われゴールを許し、わずか2分程の間に3失点を喫してしまう。

その後日本は2本ほどシュートを放ちGK柳も好プレーを見せていたが、前半終了間際にはオランダの6番にゴール前で粘られて押し込まれ追加点を許し、0-4で前半を終えた。


後半は黒田に代え大野、GK柳に代え加賀山ヘンリーが入る。F6の黒田を退ける代わりに同じF6のヘンリーさんが入るという交代でもあったのかと思う。オランダも3人の選手が交代、2得点の11番の選手も退いた。
大野は中盤左サイドに入り、谷口が1トップへ回った。

日本の選手たちは後半も集中した守備を見せ追加点を許さない。
オランダの前線は交代もあって前半程怖さを感じないような印象もあったが、日本の守備も安定しあまり点を取られそうな雰囲気は感じられなかった。

何とか1点を奪いたい日本は、6分、F8の亀野がオランダのキャプテンからボールを奪いシュートまでいく。
7分には浦が上がり強烈なミドルシュートを放つが相手GKに阻まれる。
その後、DFの戸田や浦が上がったり、谷口と亀野がポジションチェンジしたり、何とか1点を取りにいく。
しかし時間は過ぎていく。
29分谷口と亀野が退き、花木一磨と尾崎史登が入った。花木が1トップ、尾崎は中盤左サイド、大野が右サイドに回った。
これで年齢制限の直前の変更で出場資格がなかったことが判明した松田選手以外は全員出場したことになる。

そして試合終了。

残念ながら大会初得点は次戦までお預けになった。
だが初戦より進歩した姿を見せてくれたことは間違いないだろう。
次戦は、ともに2敗同士のベネズエラとの対戦。是非、初得点、初勝利を期待したい!

キックオフは(日本時間)15日深夜24時。
https://www.youtube.com/channel/UCyOGcmRW20hF__fwKTBJcDA


CPサッカー世界選手権初戦 イングランドに敗れる

2017年09月12日 | CPサッカー

アルゼンチンで開幕した CPサッカー世界選手権(2017 IFCPF World Championships)、日本代表はイングランド代表と対戦。LIVE中継があったのでパソコンにて視聴。
メモ書き程度に簡単に振り返っておく。

日本のシステムは2・3・1。GKは加賀山直義ヘンリー。DF右に浦辰大、左に戸田哲也。中盤は真ん中に三浦良介、右に亀野大樹、左に大野僚久、1トップに谷口泰成。
序盤イングランドが攻め込むものの、日本は谷口がパスコースを限定、浦、戸田や中盤の選手たちも粘り強い守備をみせ得点を許さない。
しかし前半10分イングランドはスルーパスからゴール前に折返し、フリーになっていた選手が押し込み先制。
13分にはパスで左右に揺さぶられ、空いたシュートコースに蹴り込まれ0-2。
16分、日本はCKのチャンスを得るもののカウンターから失点。
18分はGKヘンリーが好守でしのぐものの、22分バックパスを奪われ4失点目。
26分には右サイド(日本からみて)からの折り返しがオウンゴールになってしまう。
30分は日本の選手にシュートがあたりコースが変わって失点。

後半に入ると日本もチャンスを作り出す。
6分には、自陣からパスをつなぎ亀野のシュートまで持ち込む。CKからも亀野が惜しいシュートを放つ。
その後、浦も上がってチャンスを作り出す。

しかし10分、13分、16分、18分とゴールを決められ0-10。

何分か失念したが、大野が退き大沢翔太郎が入った。
24分GK加賀山直義ヘンリーに代わり、柳英行が出場。
26分大沢に代わって黒田翔が入る。

27分には柳が好守をみせるが、30分にはドリブルで持ち上がろうとしたところ、ボールを奪われショートカウンターをくらって失点。
ただこの失点は4失点目のバックパスを奪われた失点と違い前への意識が感じられ、次につながる失点だったかと思う。
最終的には0-11で敗れた。

やはりイングランドは何枚も上手だったか。
2日後のオランダ戦(日本時間13日深夜24時キックオフ)まで修正できることを修正して次戦に臨んでほしい!
次戦もLIVE中継はあるかと思います。
https://www.youtube.com/channel/UCyOGcmRW20hF__fwKTBJcDA


それから見ていて疑問に思ったことが一点あった。
CPサッカーは、比較的障害の重いF5ないしはF6の選手が2名以上出場していなくてはならない。先発は谷口泰成と加賀山直義ヘンリーの2人だったように思う。
F6のヘンリーさんからF7の柳にGKが交代した時点からF6の黒田翔が入る2分間は、F5ないしはF6は1人しかいなかったのではないかと思ったのだが、どうだったのだろうか??
当初のクラス分けの予想と結果が変わっていたのだろうか?


 


映画『MARCH』9月~10月の上映予定

2017年09月11日 | 映画『MARCH』

9月は各地で映画『MARCH』の上映があります。
17日福島県カナリヤ映画祭と10月28日東京都内での上映には私も行きます。
その他の上映会はプロデューサーのツノダ氏が立ち会います。
上映会場近隣のかたは是非足をお運びください。 


16日(土)広島市 マエダハウジング東区スポーツセンター
  9月16日~17日に開催される『第2回西日本アダプテッドフットボールフェスティバル2017』のスペシャル企画として上映。
  電動車椅子サッカー、アンプティサッカー、ブラインドサッカーのフェスティバルですが、16日の電動車椅子サッカーのフェスティバルの後の上映になります。 
  是非、電動車椅子サッカーにも触れてください。
  詳しくは  West Japan Adapted Football Festival

16~17日(土日)福島県本宮市 サンライズ本宮
  カナリア映画祭にて上映。
  16日13時20分~ 17日14時30分~ いずれも他の短編作品との併映です。 
  17日上映後、登壇します!
  詳しくは https://goo.gl/STwkq7

18日(月・祝)名古屋市 Sports Bar DREAMS
  詳しくは https://goo.gl/qZn6Xt

27日(水)長崎市 長崎駅前『交通会館ビル』3階11号室
 詳しくは https://goo.gl/tXkQdY

30日(土)東京都調布市イオンシネマ シアタス調布 11時~13時
 ゲストは原博美氏!
 詳しくは https://goo.gl/TNshc9


10月28日(土)東京都中央区時事通信ホール
  人権シンポジウム『震災と子どもの人権』の第二部で上映があります。
  上映後、登壇します。
  詳しくは http://www.jinken.or.jp/archives/13378


CPサッカー世界選手権 まもなく開幕

2017年09月10日 | CPサッカー

 CPサッカーの世界選手権大会(2017 IFCPF World Championships)が間もなくアルゼンチンで開幕。
昨年、安永監督のもと勝ち取った出場権。
CPサッカー日本代表は既に現地入りしており、電動車椅子サッカー日本代表、デフサッカー男子日本代表に続き、障がい者サッカー連盟統一ユニフォームでの世界選手権参加となる。


大会には16か国が参加。4ヶ国ずつ4つのグループに分けられ、それぞれグループリーグを戦う。
グループリーグの日程は以下。いずれも日本時間。
9月11日深夜24時~ vsイングランド
9月13日深夜24時~ vsオランダ
9月15日深夜24時~ vsベネズエラ
現地からのライブ中継もあるようだ。
http://www.cp2017.com.ar/

イングランド(ランキング8位)とは前回2015年の大会でも初戦で対戦、0-14で敗れた相手。あの日は忘れもしない、サムライブルーがシンガポール相手にゴールを奪えずスコアレスドローに終わった日。サムライブルー生観戦かCPサッカー日本代表ネット中継のどちらにするか迷ったが、CPサッカークラブチームの方々とのネット観戦を選択。パラリンピック出場の夢が遠のいたことをよく覚えている。(前大会はリオパラリンピック予選を兼ねていた。東京パラリンピックではCPサッカー競技は除外された)
ベネズエラにも下位トーナメントで1-2と敗れている。
前回大会は15ヶ国中15位。厳しい戦いが続くとは思うが一つでも上の順位を勝ち取ってほしい。

CPサッカー日本代表は2006年から細く長く、見させてもらっている。昨年安永監督の時は何度か練習を見学させてもらったが、島田新監督になって以降はなかなか行けず国内練習の最終日にやって顔を出せた程度。したがって現在のチームを語る知識はあまり持ち合わせていないが、練習試合では守備面でかなりシステマチックに動けていたのが印象的だった。
また昨年より練習試合、JFAの夢先生とそのお仲間たち、つまり元Jリーガーやなでしこジャパンの選手たちが相手になることも多く、その点ではフィジカルの強い海外のチームと相対したときに以前よりかなり落ち着いてプレーできるのではないだろうか。
そういった意味では期待が持てるだろう。


大会等の詳しい情報は日本CPサッカー協会のHP参照。
http://jcpfa.jp/514/


ハードワークし完全燃焼するサムライブルーをロシアで観たい

2017年09月03日 | サッカー

既に2日がたってしまったが、“サムライブルー”サッカー日本代表がワールドカップ出場を決めた。
ホームで勝利し出場を決めた初めての試合、その大一番を生観戦した。
ちなみにこれまでのワールドカップ出場決定試合、2005年北朝鮮相手の無観客試合、2009年アウェイでのウズベキスタン戦、 2013年埼玉でのオーストラリア戦は撮影スタッフとして現場に立ち会っていたが、今回は観客としての観戦だった。

それにしても井手口は素晴らしかった。インサイドハーフの山口蛍と2人でオーストラリアのボランチコンビ、アーバインとルオンゴを自由にさせずボール奪取、警戒されていた右サイドのレッキーも乾とのコンビで抑え込む。
そして圧巻のゴール!  ボールを奪った原口も素晴らしかった。
試合途中で心配になったのは、そこまで走り回っている井手口に疲れがきたら誰と交代するのかということ。場合によってはそこからバランスを崩して失点してしまう。前回出場時も後半のある時間帯からは顕著に運動量が落ちた。
ビハインドやスコアレスの状況なら本田、香川、あるいは柴崎? しかし現実には1点リードしているわけで。だとするとオマーンとのテストマッチでボランチをやった小林?
ああ、こういう時にベンチに今野がいてくれたらなどと思っていたものの、現実には涼しい気候に助けられ全く交代の必要は無かった。

一昨日の日本代表はとにかくハードワークし、オーストラリアに勝ち切った。
日本にとってラッキーな面もあった。パスの配球役であるム―イが風邪でベンチ入りできず、ターゲットになれるユーリッチが怪我のため途中からしか出場できなかった。そしてオーストラリアがここ最近のパスを細かくつないでいくサッカーを貫き通しロングボールを放り込んでくる戦法をとってこなかった。
そういったこともありハリルホジッチ監督の戦術がドンピシャはまったということもあった。
もちろんオーストラリアの出方によっては第2の手も想定していたとは思う。
そうなった時にどうなったかまではわからない。

ところでハリルホジッチ監督を最初に意識したのは、ブラジルワールドカップでアルジェリアを率いて戦った決勝トーナメント1回戦のドイツ戦。その試合のことはとても印象に残っている。ドイツのスーパーGKノイアーの守備範囲の広さがなければドイツも倒していたかもしれない一戦だった。90分たってもスコアレス、日本時間の朝方に延長に突入した試合は最終的にはドイツが2対1で勝利したが、血沸き肉躍る一戦だった。
心が震えた。
アルジェリア代表がとても羨ましかった。
こんな試合を日本代表が見せてくれていたら…、と思ったものだ。

その後、その監督が日本代表監督になり、心躍った。
もちろんロシアワールドカップで心震える試合を見せてくれるだろうという期待からだ。

そのためにはアジア予選での“快勝”はまったく期待していなかった。前回大会最終予選のように6-0、3-0で圧勝しても本大会での不甲斐ない結果、内容では歴史の繰り返しになってしまう。
ザッケローニ監督時代の日本代表を否定しているわけではなく、アジア相手の快勝は必ずしもW杯の好結果につながるわけではないということだ。
予選は最終的な結果がすべて、1試合1試合はすっきり勝てなくても本大会につながるものが見えさえすればそれで良いと思っていた。
そして予選は苦戦の連続だった。アジアで通用するパスワークを駆使すればすっきり勝てる試合もあったかと思うが、そういう戦い方はしなかった。もちろんアジア各国のレベルが上がっていたこともある。

最終予選序盤では原口の活躍が光っていたが、それ以前のテストマッチ等で原口をボランチで使ったりトップ下で使ったりという試合もあった。“期待”の原口を一皮も二皮も向けさせようとしているのか、その試合だけを考える近視眼的な目線ではそういった使い方は出来ないだろう。
“期待”というのは、原口のように気持ちが前面に出るような選手を監督はけっこう好きなのだろうということだ。例えば原口はロンドン五輪予選では一定の活躍を見せていたものの、本大会には選ばれなかった。“気持ち”意外の部分が欠けていたというか、きっと足りなかったのだろう。その後、誰もが認める“戦える選手”になった。
ハリルホジッチ監督にとってアジア予選は“戦える選手”を見極める場であり、発掘の場でもあっただろう。井手口も然りだ。

少々荒っぽい括りになるが、日本代表はドイツW杯では個の能力を活かしたサッカー、南アフリカでは引いて守った守備からのカウンター(その前にはオシム監督の考えながら走るサッカーがある)、ブラジルでポゼッションを高めたパスサッカー、そしてロシアではハードワークしながらのショートカウンター(?)と言ったように、大会ごとに方針が変わってきているようにみえるが、そのことに対して否定的な意見が多い。
だが今は「日本のサッカーはこうです」と決めきれる段階ではなく、まだまだ試行錯誤の時代ではないだろうか。まだまだ成熟はしていないだろう。

過去の日本代表に遡ってオフト監督時代から共通しているのはロングボール主体のサッカーではないということ。それは1936年のベルリンオリンピックから受け継がれているものなのかもしれない。まあそれは身長からの逆算で当然そうなるだろうということでもあるのだが。オフト監督以前はそれほど熱心に見ていないのでよくわからない。
またジーコ監督時代を除けば、加茂監督あたりから共通しているのは“コンパクト”であること、“コンパクト”であろうとしていること。
ジーコ監督就任直後の試合では中村俊輔、中田英寿、小野伸二、稲本潤一の4人が同時出場、黄金の中盤ともてはやされたが「こんなに全体が間延びしたサッカーに未来はあるのか?」と、その試合を生観戦しながら強く思ったことを覚えている。
その後、就任したオシム監督の完成形は残念ながら見ることはかなわず、第2次岡田監督時代はコンパクトではあるがラインを下げた。ザッケローニ監督の時はコンパクトであろうとしたがそうはならなかった。


日本らしいサッカー、日本のサッカーが何かと考えた時に、究極的にはその試合に負けたとしても、観ている日本人が納得できるサッカーかと思う。
ブラジルやドイツにはそういう図式はあてはまらないかもしれないが、多くの国には共通しているのではないか。

日本代表のワールドカップを結果から振り返ると、結果が出たのが2002年日韓と2010年南アフリカ。初出場だったし仕方がない(?)のが1998年フランス。惨敗が2006年ドイツと2014年ブラジルということになるだろうか。
では2002年と2010年は多くの人にとって納得できたかというとそうでもないような気がする。
2002年は結果で言えば万々歳、トルシエ監督はもっと評価されてしかるべきかとも思うのだが、決勝トーナメント1回戦のトルコ戦で勝てたとまでは言わないが、もっとやりようがあったのではないかという無力感があったように思う。2010年も結果は申し分ないが、スコアレスでPK戦にもつれ込んだパラグアイ戦では松井の惜しいシュートなどがあったことは記憶しているが、攻撃面ではやりようの無さを2002年の時以上に感じた。
南アフリカW杯は、こういう戦い方(ディフェンスラインを下げ、アンカーを置いてのカウンター狙い)しかできないというある種の開き直りが好結果を生んだともいえるだろうが、それ以上の広がりはなかった。もちろん致し方ないといえばその通りだが、多くのサポーターが結果には満足するものの、守備重視の戦い方にやるせなさを感じたのも事実だろう。
 そのことを受けてのブラジルW杯だったわけだが、思うようなサッカーが出来ずに日本の守備の弱点等を突かれて敗退した。

ブラジルW杯閉幕後のブログには、遠い将来の未来像として以下のような内容のことを書き殴った。
 変幻自在に戦い方を使い分けられるサッカーこそが、日本のサッカーなのではないかと思っている。日本人は愚直なまでに同じことを追及するというよりは、相手に合わせてカメレオンのように形をかえることのほうが実は得意なのではないかと思っている。全くのオリジナルを生み出すことは苦手でも取り入れたものをうまく活用し発展させることは得意なのではないか。

その時のブログは以下。
http://blog.goo.ne.jp/kazuhiko-nakamura/e/bae76753362324e59696b4e21a2e1d4d
 
日本は、サッカーに限らず、一つのやり方を構築できたとしても弱点をつかれた時の対処が苦手なのではないか。
仮にカメレオンのように形を変えることがベースにあるとすれば、その試合で持ち直せなくても次の試合では対処できる。多くの選択肢がインプットされてさえいけば、選択運用する術は長けているのではないか。
今はまだ日本サッカー全体がインプットしている段階で、そこまで到達できていないだけかとも思う。

もちろん相手が日本の出方を観察してきた時の、リアクションサッカーでない、いざという時に立ち戻るべき主体的なサッカーはきっと必要だろう。
ただそういったサッカーに磨きをかけ、ダメだったらしょうがないと思えるようなメンタリティが我々日本人にはあるのだろうか?良くも悪くも空気を読んでしまう国民なのだとしたら、空気を読んで読んで読みまくり、立ち戻るべき主体的なサッカーをも相対化しカメレオンの顔の一つに出来たら、それこそが日本のサッカー?

日本のサッカーとは、などと書き出してだんだんと収拾がつかなくなってきた。

ハリルホジッチ監督は予選では試合ごとに戦い方を変えてきた。
例えばアウェイのオーストラリア戦は勝ち点1をとりにいった。そのことが不満のサポーターも多々いたようだが、本戦につながる戦い方としてとても良い戦い方だと思った。もちろんうまくいった試合もあるがうまくいかなかった試合もある。

一貫していたのはハードワークし1対1で負けないということだろう。そのことに固執するあまり、それまでに日本が培ってきた流れるようなパスワークが失われたと感じた人も多かったかもしれない。しかしその両者は相いれないわけではなく、どちらが先かということのような気もする。
1対1で勝てないからパスで崩すのではなく、1対1で負けない選手がパスでも崩す。

なんだか全くまとまらなくなってしまったが、とにかくW杯でも試合ごとに(必要であれば)戦いを変える“カメレオンジャパン”にとても期待している。いざという時に立ち戻るべき主体的なサッカーの構築にも今後、期待している。
もちろんハードワークで戦いきってくれることは大前提だろう。

ロシアW杯で、心が震える試合を観せてください。