サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

チーム「佐村河内守」の曲作りの過程こそを

2014年02月05日 | 手話・聴覚障害

中途失聴者の佐村河内守さんの作曲した楽曲が、実は別の人が作っものだったというニュースが飛び交っている。

詳しいことはわからないのだが、曲作りの過程はNHKにサイトによると以下のようなことらしい。

5日未明、佐村河内さんは弁護士を通じて、十数年前から別の作曲家に曲を作ってもらっていたことを明らかにしました。
これについて佐村河内さんは、NHKの取材に対し「平成8年ごろ、初めての映画音楽の作曲の依頼があったが、耳の状態が悪くなり、半分以上を作ってもらったことがきっかけだった」と説明しています。
その後も、このときに知り合った作曲家に、曲の構成や楽器の編成、曲調のイメージを伝え、作曲をしてもらう形で作品を発表し、報酬を渡していたということです。
佐村河内さんは「自分は楽曲の構成をしたが、作曲をゴーストライターに任せてしまったことは、大いなる裏切りであると思っています。ファンや深く傷つけてしまった方に、心よりおわび申し上げます」と話しています。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140205/k10015025061000.html


曲の構成や楽器の編成、曲調のイメージというものが、いったいどの程度のものなのかはわからないが、佐村河内さんがいなければ曲は生まれなかったとは思う。
その形態を共作と呼ぶべきなのか、チーム佐村河内守と呼ぶべきなのか、音楽プロデューサー佐村河内守と作曲者と呼ぶべきなのかはよくわからないが、別の人が独自に作曲したものを佐村河内守さんが作曲したと単純に詐称しているわけではないだろう。
共作ということで楽曲を発表していれば問題になることはなかったのだと思うが、聞こえない作曲家佐村河内守さんが単独で作曲していることにした方が「売れる」と誰かが判断し、関係者は今までは納得してきたということなのであろう。
実際の作曲者としても売れれば多くの報酬が入ってくるだろうし。作曲者は積極的には名前を出したくなかったという一部報道もあり、そういったことも関係しているのかもしれない。

是非とも佐村河内さんには、謝罪するだけではなく、曲作りの全貌を語ってほしい。
NHKスペシャルが確信犯的な演出をしたのか、佐村河内氏に騙されたのかはわからないが、結果的には罪作りなドキュメント番組を‘’作って‘’しまったNHKは、きちんと取材し、報道してほしい。

「聞こえないのに作曲するなんて凄い」という評価が、「本当は作曲していなかったなんてひどい」というようように両極端に転ぶのではなく、共同作業の詳細な全貌こそを明らかにしてほしい。

聞こえない状況のなかで出来たこと、出来なかったこと。限界を感じた点、可能性を感じた点。聞こえる作曲家に委ねた方がより良いものになった点等々。
そんな点こそを明らかにしてほしい。

というか、佐村河内さんに直接質門してみたい。