サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

電動車椅子サッカー 関東・北海道ブロック予選大会

2015年05月24日 | 電動車椅子サッカー

(少しだけ加筆しました)

 昨日、電動車椅子サッカーの北海道・関東ブロックの予選大会に行ってきた。
 私個人としては、Yokohama Crackers や他のチームの代表選手候補を中心としたドキュメンタリー映画の撮影の一環なので大会全般まで目が届いていなかったりもするのだが、概要や雑感を書き記しておきます。
(今回は新しい撮り方を試していて体力的な消耗が激しくちょこちょこ休憩していたので、なおのこと見れなかったりもしたのだが。新しい撮り方というと聞こえはいいが、要は資金もないので機材も少ない。機材の少なさを肉体労働でカバーしようという試み…)

 それはともかく、今回の大会は年に一度のクラブチームの全国大会につながる予選。予選大会には関東7チームに北海道のSafilvaが参戦、4チームずつ2グループに分けられ3試合を戦い、上位2位までに入ると全国大会への切符を手にすることができる。上位4チームによる順位決定戦もグループリーグ後に行われ上位チームは1日4試合と戦うことになる。ちなみに昨年はトーナメント方式で開催され、準決勝に進出したチームに全国大会への出場権が与えられていた。

 グループAは、レインボーソルジャー(東京)、ウイニングフェニックス(千葉)、Safilva(北海道)、 横浜Genesis。グループBは、Yokohama Crackers 、YOKOHAMA BayDream、 FINE(東京)、 BLACK HAMERS(埼玉)。
昨年の全国大会出場チームはYokohama Crackers 、レインボーソルジャー、FINE、YOKOHAMA BayDreamの4チーム。そのうち3チームがグループBに振り分けられた。

 グループAは常識的に考えると全国でも強豪レベルのレインボーの1位抜けは固い、横浜 Genesisは誕生したばかりのチームでさすがに2位抜けはきついかな、そうなるとウイニングフェニックスとSafilvaの2位争いになるのではないかと思っていた。
そのウイニングフェニックスとSafilvaが初戦で激突。勝ったチームが全国へと近づく。ウイニングフェニックスは昨年は1回戦でレインボーと対戦、レインボーを破るしか全国大会に行けなかった状況と比較すると今年はかなりのチャンス、おそらくモチベーションはかなり高かったのではないだろうか。一方のSafilvaは昨年は3名での参加(私の記憶では)だったが、今年は4名で参加。こちらのモチベーションも高かっただろう。電動車椅子サッカー専用マシーンとでも呼ぶべきストライクフォースに乗っている選手がSafilvaは1名、ウイニングフェニックスは0名だということを考えるとややSafilvaに利があるのかもしれない、そう思っていた。そして試合は互いに譲らず0-0のスコアレスドロー。(偉そうな書き方をしていますがこの試合実はほとんど見れていません。ごめんなさい)。
 勝ち点を1ずつ分け合ったわけでおそらく得失点差勝負、レインボー戦を何点差で凌ぎきるかがポイントになってくる。そうなると第3試合まではレインボーとあたらないウイニングフェニックスが有利かなとみていた。レインボーとしても第2試合までに全国大会の出場を決めた後は決勝に備え体力や電動車椅子のバッテリーのことなども考え、当然のことながら主力選手を温存してくることが予想されるからだ。(レインボーはいわゆるレギュラー選手以外のレベルも高いんですが)。そして第2試合でレインボーとあたったSafilvaは0-9、第3試合で対戦したウイニングフェニックスは0-3の敗戦。最終的には得失点4点差でウイニングフェニックスが全国大会への切符を手にした。組み合わせの妙も感じるグループAだった。

 そしてグループB、客観的にみるとYokohama Crackers の1位通過は固いところ、2位の座を昨年全国大会に出場したYOKOHAMA BayDreamとFINEの2チームが争うという図式。しかしCrackersはBayDream相手に簡単には勝利をものにすることはできない。第2試合で対戦した両チームの対戦、試合は前半19分Crackersが先制点をあげる。永岡選手が左サイドの深いエリアから折り返し、中央の三上選手がシュート、ブロックした跳ね返りが逆サイドの紺野選手にわたり、紺野選手が狙いすましてファーサイドに蹴り込んだ。後半9分にも竹田選手が三上選手からの折り返しをきれいに流し込んで追加点をあげたものの、7分後にはBayDream菅野選手のブロックした球がそのままCrackersゴールに吸い込まれ1点差に詰め寄る。試合はそのまま終了したもののYOKOHAMA BayDreamのここ最近の実力アップが示された試合ともなった。(Crackers 側からすると不甲斐ない戦いという認識もあったであろう)。昨年より関東代表チームはチーム発足時は多くの選手からスタート、BayDreamの選手たちも関東代表で揉まれいい影響が出てスキルアップしているようにも思われる。そして勝った方が全国大会への切符を手にすることになった第3試合でBayDreamはFINEを7-0で撃破。全国大会への出場を決めた。以前は何かおっとりしたチームという印象もあったのだが、勝負への執着心が増してきているような気もする。Bay Dreamの女子選手の表情もとても印象的だった。電動車椅子サッカーが好きだという気持ちがひしひしと伝わってくるような。Crackers戦ではスターティングメンバーに名を連ねたものの早い時間帯にベンチに退いた際、少しの間だけとても悔しそうな表情を浮かべていたが気持ちを切り替えたのか積極的に声を出し始めた姿も印象的だった

 決勝の組み合わせは、緻密なレインボーと意外性のCrackers。この対戦はいつも本当に息づまる試合となる。しかし早い時間帯にゲームが動く。前半5分右サイドからのキックインでCrackersの三上選手がゴールエリア内で守る北沢選手と黒沢選手の間をきれいに抜くゴールで先制。もちろんそのままで終わるはずもなく前半終了間際、吉沢選手が右サイドのキックインからワンツーで攻めあがり、中央の北沢選手が粘って逆サイドの内橋選手へ、得意のゾーンで内橋選手が確実に蹴り込み試合は振り出しへ。そして後半4分、左サイドセンターライン付近内橋選手のキックイン、逆サイドゴール付近へのクロスが通り吉沢選手がゴールを決め、2対1。スコアはそのまま動かずレインボーの勝利。
 Crackersはこの借りを全国大会で返すしかないだろう。もちろんレインボーも連覇を狙う。また3位となったYOKOHAMA BayDream、4位のウイニングフェニックスも全国大会で自分たちの力を出しきってくれるだろう。
全国大会は10月3日~4日と静岡県県内で行われる。
もちろん私も行きます。