サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

ろう者から見た「多文化共生」

2012年07月03日 | 手話・聴覚障害

「最近、ブログ、サッカーのことばっかりですね」と、とある手話学習者から言われ、
「それもそうだな」ということで、最近読んだ本のことなど。

タイトルは、
ろう者から見た「多文化共生」 もうひとつの言語的マイノリティ。
ココ出版より6月10日に刊行。
シリーズ 多文化・多言語主義の現在の5巻目として、出版されたようです。

私の映画「アイ・コンタクト」や単行本「アイ・コンタクト」のサブタイトルが、“もうひとつのなでしこジャパン”だったように、こちらは“もうひとつの言語的マイノリティ“です。
4巻目まではどういう本が出ているかは知りませんが、おそらく音声言語に関する本だったのでしょうし、音声言語ではない視覚言語という意味で“もうひとつの”という言葉が使われているのでししょう。
もちろん、もうひとつの言語とは手話のことですが。

春頃にこの本が出ることを知り、とても楽しみにしていました。

編者は佐々木倫子さん。
筆者は、木村晴美さんなどDプロや明晴学園関係の方々や、脳科学者の酒井先生など、それぞれの立場で書いておられます。
コーダ、ろう児の親、弁護士、言語学者、教師等々。

ちなみに酒井先生は、映画「アイ・コンタクト」上映に先駆けて対談させていただいた方です。
対談というよりは私が質問し、酒井先生がそれに答えるというものだったのですが。
対談をお願いしたのは、映画制作中に酒井先生の著作を読み、「目からウロコ」のように思ったことがあったからです。
酒井先生は、脳科学者の立場から手話が言語であることを証明しようとし、証明した方です。
酒井先生が以前、言語学者のチョムスキーのもとで研究されていたこともあり、チョムスキーの生成文法論なども読まねばならぬことになってしまいましたが。
生成文法論というのは、簡単に言えば、人間の脳には本来、生得的に言語を理解する能力が備わっているということですね。

脱線してしまいましたが、
“ろう者から見た「多文化共生」”の内容を一言で言い切ってしまえば、
手話が言語であること、
そしてろう児が自分にとっての自然言語である手話を母語として身につけることの必要性が
語られています。

私自身は、それぞれの筆者の方の著作や講演などで聞いていたことも多かったのですが、
多くの方には、「手話が言語である」ということに関しての情報を得るのに良い本なのではないでしょうか。
しかし、人それぞれ違うでしょうが、さっぱりわからない章があるかもしれません。

特筆すべきは、全日本ろうあ連盟事務局長、Dプロ代表、日本手話学会副会長、日本言語政策学会会長という立場や意見を異にするか方々の座談会が収録されていることです。
議論はかみ合わないことも多いですが、それぞれの組織を代表しての意見はとても興味深く読みました。
一読の価値ありです。


お薦めしておいてなんですが、本を読んで「うーん、どうなんだろう?」と思った点もあります。
どういうことから言うと、もっとそれぞれの筆者の方が、それぞれの立場でしか語れないことに特化してほしかったということです。
(もちろん全部の章がそうだと言っているわけではありませんが)

冷静に、どこまでも冷静に、吟味して書いてほしかったような。
それは編者の責務であるかもしれません。
一人の筆者の単行本や講演ではないが故の厳選された文章、言葉が必要だったのでは、
という気もしました。

えらそうな物言いで失礼かもしれませんが、
「もったいない!」というのがもっとも正直な感想でした。

まあ、言うのは簡単、書いたり作ったりするのは大変です。
もちろん、きちんとした批評は簡単ではありませんが。

これは、単なる読後感です。

あ、でも本当に一読の価値有りです。 


男女の五輪代表メンバー発表

2012年07月03日 | サッカー

ユーロではスペインが優勝し、日本では五輪メンバーが発表されました。
もちろん昨日は生(TV)観戦してました。
ユーロはずっと見ていたし、Jリーグも浦和vs仙台戦など観にいったりもしていたのですが、
ブログの更新はサボってました。

まあ、それはともかく、昼過ぎに男女の五輪代表が発表されました。

まずU-23日本代表。
正直、杉本の選出は以外でした。
今季東京Vで好調を維持しているようで、コンディションの良さなどを買ったのでしょう。
不勉強ながら、J2はほとんど見ていないのでよくわからないのですが。
まずは1トップとしてポストプレーが求められるのでしょうが、テストマッチなでで連係を深めていってもらいたいものです。

1トップには、対戦相手によって永井を入れてくるでしょう。
2列目の選手も調子を見て入れ替えて使っていくのかな。
オーバーエイジの徳永はベンチスタート??
怪我の問題がなければ、DFラインは酒井宏樹、鈴木、吉田、酒井高徳の4人で良いと思うのだが。
もちろんテストマッチでは徳永を使ってくるでしょうが。
左SBのバックアッパーがいないので、そのテストもしなくてはならないだろうし。


ところで、イギリス(UK)はオーバーエイジで38歳のギグスが選ばれたようで。
チームとしてまとまるための精神的支柱としても、ウェールズのギグスが選ばれたのだろうか。
ご存知ない方のために説明しておくと、五輪には国の代表が出なくてはならないので、イングランドではなく、UK(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの連合チーム)で出ます。52年振りに。
ちなみにデフリンピックには、UKで出ています。

そしてなでしこジャパン。
宇津木留美の負傷は残念です。
怪我するまではいいパフォーマンスを見せていただけに。
宇津木留美の代わりに矢野が選ばれたのか?それともFW枠を一つ増やしたのか?
有吉は選ばれると思ったのだが。
緊急事態には安藤が右SBやるのだろう。

正直、丸山は選ばれないと思ってました。
選ばれたからには短い出場時間でも、大仕事を成し遂げてきてほしい。

とりとめのない感想になってきました。
しかし五輪代表は18人だから、選ぶ監督は本当に大変だと思う。
男子はオーバーエイジも絡むし。
思ったことを絶対口に出来ないことも多いだろうし。

7月11日(平日)は男女五輪の壮行試合、
なでしこジャパンは17時10分キックオフ、Uー23日本代表は19時55分キックオフ。
当然観にいきます。

キックオフ時間が「逆だったら良かったのに」と思った人も少なくないのかな。