サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

大宮アルディージャ 手話応援の雑感

2012年07月16日 | 手話・聴覚障害

先日(7月14日)、大宮アルディージャの手話応援に参加して来ました。
 手話応援というのは、チャント(応援歌)に合わせて手話の振り付けをし、手話で応援しようというイベントです。
1作年以来の参加です。その時は場内で配られている埼玉新聞に映画の告知を出していただきました。ありがとうございました。

手話応援の内容ですが、
具体的には、以下の歌詞に振り付けがつきます。

愛してるぜ we are orange
気持ち込めて 歌うのさ
俺らの誇り 大宮 
さあ 行こうぜ

一つ一つ解説すると、
愛してるぜ    アメリカ手話のI love you
we are      俺々といった感じで自分を指し示す身振り 
orange     オレンジ色という手話を動かす。動きは手話ではなく振り付け。
気持ち込めて  試合前の国歌斉唱時などに、胸に手を置いている動きですね
歌うのさ     マイクを持って体を左右に揺らす。歌うの手話ではなく、身振り手振りです。
俺らの誇り   誇りという手話を少々変形させたものでしょうか
大宮       「大きい」と「宮」を合わせた手話、要するに大宮を表す手話。
さあ       両手を開いてあげる振り付け
行こうぜ   ガッツポーズ

要は、手話をもとに考えられた振り付けです。

応募者は試合開始2時間半前に集まり、「愛してるぜ!」と書かれたオレンジ色のTシャツをもらい、それに着替えて何度か応援練習をします。
試合前、試合中と応援を繰り広げます。
もちろん、私もやりました。
(普段、大宮のサポーターかどうかは聞かないでください…)


そういったイベントを開催すること自体は素晴らしいのですが、気になった点もいくつかありました。
勝手ながらいくつかあげておきます。

手話応援サポーター席に主催者側が用意した手話通訳者がいませんでした。
(試合後には、その時点で手の空いた手話通訳士の方が手話通訳をやられていました)
たまたま座った席付近にろう者のグループがいて、同行した手話通訳者の方が通訳されていました。
申し訳ないとは思ったのですがチラチラと手話のやりとりを見ていたら、
「何故、手話通訳がいないんだ」という会話をされていました。

もちろん、手話通訳者が試合会場にいなかったわけではありません。
試合前、メインスタンド前での手話実行委員の方、及びさいたま市長のあいさつの際は、隣に手話通訳者が立ち、その様子が電光掲示板に映し出されました。
文字通訳もつき、映像には字幕も出ました。
しかし、電光掲示板は手話応援団の位置からはとても見難く、はっきり言ってあまり機能していませんでした。
(手話応援団の席の中でも比較的電光掲示板が見やすい座席もありますが)
手話応援団以外の席に座られていた難聴者の方には文字通訳は有効だったと思います。

また応援がいつ始まったのか、聞こえない人にはとてもわかりにくく、聞こえない人への配慮がなされているようで随分と抜けた点もあるといった印象でした。

手話応援団の座り位置、なかでも聴覚障害者の座り位置、手話通訳者の立ち位置、手話振り付け指導する方々及びサポーターの情報保障への理解、プラカードなどの視覚情報の活用、試合終了後の選手のサポーターへの挨拶の際も手話応援をやった方がいいのでは等々「こうすれば良いのになあ」という点がいっぱいありました。
呼んでいただければ、喜んで意見を言いますが。
(手話が未熟なくせに、えらそうな事を言ってますね)

来年はより良くなった手話応援を期待しています。
続けることは大切ですし。
他のチームも、やってみては如何でしょうか?

試合は2対2の引き分け。
両チームとも守備に課題を抱えている印象で点が結構入るのかなと思って観ていたら、
計4点入りました。

五輪代表の東選手は五輪前の最後のJリーグでした。
東選手は基本的な技術はしっかりしているし、リンクマンとしては素晴らしいですが、もう少し強引さがほしいかなと。
逆に守備力を付けて、将来的にはボランチやるのもありかもと、勝手なことを思ったりもしました。

清武選手とのコンビネーションは抜群ですし、ロンドン五輪での活躍を期待してます。