1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「アンダーリポート」(佐藤正午)

2008-03-22 02:02:47 | 
 「アンダーリポート」(佐藤正午)を、今、読み終えたところです。この本も、読む始めたら、やめられなくなりました。通勤の電車の中も、昼休みも、帰ってからは浅田真生ちゃんの優勝を見ることもなく、ひたすら読んでおりました。
 マンションの隣に住む男性が、駐車場で撲殺された15年前の殺人事件。この事件の秘密を、検察事務官の主人公が、自らの記憶の再検証と、警察調書や自分の日記を読み返すことのよって、明らかにしていくという物語です。この本、最後まで読むと、もう一度初めから読まないではおれなくなります。
 この本で、次のようなエピソードが紹介されていました。実話だそうです。アメリカ青年が、図書館であった女性に一目惚れをして、その日のうちにラブレターを書いて、翌日彼女に渡そうとしたそうです。しかし、彼女は、別の男との結婚が決まっていて、彼がラブレターを渡そうとした日に、別に町に旅立っていたそうです。そして、40年後、同じ図書館で、彼は彼女と再会し、40年ぶりにラブレターを渡したそうです。彼は、どうしてその女性だとわかったのか?彼女がつけていた香水のにおいが、40年前のものと同じだったからだそうです。
 人間の嗅覚は、味覚の1万倍鋭いそうです。この本の殺人事件の謎解きには、15年前の香水のにおいが、大きな役割を果たします。
 匂いのエピソードとヒッチコックの「見知らぬ乗客」と、1日に2000人が結婚して、700人が離婚するという統計数字。この三つかな・・・この本のエッセンスは。


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