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「サブプライム問題とは何か」(春山昇華)

2008-04-06 16:38:20 | 
 「サブプライム問題とは何か」(春山昇華)を読みました。サブプライム問題の発生のメカニズムと問題点、金融危機の様相が、とても分かりやすく書かれていました。この前読んだ「サブプライム金融危機」(みずほ総合研究所)より、はるかにわかりやすかったです。とてもよい本です。
 サブプライムローンは、低所得者や移民労働者が住宅を持てるように作られたローンです。住宅バブルが崩壊する中で、銀行やローンブローカーや宅建業者にのせられ、購入したマイホームを、手放さざるを得なくなった移民労働者の姿が、とても痛々しいのです。
 戦後の世界経済は、アメリカが海外から物を買い続けることによって成り立ってきました。カードローンや不動産担保ローンで借金をして、自動車や薄型テレビを買う。アメリカ以外の好景気は、日本を見るまでもなく、常にアメリカの貿易赤字(輸入超過)によって担保されてきました。
 住宅バブル崩壊による住宅価格の低下と、リストラによる個人所得の伸び悩み。ドルの下落による購買力の低下と、投機マネーの流入による資材価格の高騰と生産コストの上昇。筆者は、アメリカ経済が直面している問題をおさえた上で、サブプライム問題は、「アメリカを中心として構築された世界経済構造」=「アメリカ帝国」の終わりのはじまりであると指摘しています。
 ちなみに今朝の日経新聞。アメリカの二月の個人消費支出の伸び率は実質ゼロ。企業の設備投資も、1年3ヶ月ぶりに前期比マイナスに転じたという記事がでていました。三月の新車販売台数は前年同月比12%の減(トヨタも二ケタ減)。高級百貨店ノードストロームの2月の売上高は、6%の減。低所得者ばかりでなく、中所得者層まで、消費を控え始めたようです。
 三月の失業率は、5.1%。1-3月で、77,000人の雇用が減少。JPモルガンに買収されたベアー・スターンズでは、13,000人が雇用を失い、シティーグループでは20,000人のリストラが予定されている。メリルリンチでは、不動産担保ローンの分野で1,000人の削減を実施。GMは、全社規模の早期退職制度を導入。クライスラーは、10,000人の人員削減計画を発表。百貨店最大手メーシーズは、2,550人の削減を7月までに実施。モトローラが従業員の4%にあたる2,600人の削減を表明。デルも、8,800人の人員削減を行う。財政が厳しい州では、公務員や教員のリストラも。
 雇用の不安と消費の冷え込み。筆者が言うように、私たちは、今、大きな時代の転換点に立っているのかも知れません。



 


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