1日1日感動したことを書きたい

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人生の黄昏時だから、なおそう思います。

パリ20区、僕たちのクラス

2011-05-12 19:25:12 | 映画
昨日は、朝鮮学校の話題だったけれど、学校といえばこの映画。パリ20区にある中学校のドキュメンタリー映画です。



国語教師フランソワと24人の子どもたちの1年間の学校生活が描かれています。中国、マリ、モロッコ、アルジェリア、アンティール。子どもたちの出身国と母国語はさまざまです。

自己紹介の作文を書いたり、むずかしいフランス語の単語を黒板に書き出して、生徒たちに意味を教えるところから授業は始まります。「先生の例文の主語は、白人の名前ばかりで不公平だ」という不満や、「そんな丁寧語は、自分たちの間では誰もつかわないから学ぶ必要がない」という意見も生徒から飛び出します。

1年で12人が問題児として退学処分を受ける。フランソワのクラスのマリ出身者も、懲罰会議にかけられて退学していきます。中国人の生徒の母親は、不法滞在が見つかって強制送還に。

この映画を見て日本とちがうと思ったのは、成績会議の場所に、生徒代表が参加して意見を述べていることでした。

子どもたちの背負う環境の重たさ、先生たちのいらだちや、学校を非難するような保護者の冷めた表情などなど。フランスの教育現場は、とてもたいへんなのだと思いました。もちろんそれは、フランス社会のたいへんさを写しているのだろうけれど。

フランス語がわかれば、国語教師フランソワのフランス語を教える苦労もわかって、もっと深く理解できたのかもしれません。