1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「ウフィツィ美術館自画像コレクション」

2011-02-05 10:06:10 | 美術館
国立国際美術館で開かれている「ウフィツィ美術館自画像コレクション」に行ってきました。ウフィツィ美術館には1700点をこえる画家や彫刻家の自画像が所蔵されているそうですが、17世紀から現代まで、そのうちの70点が展示されていました。

今回の展覧会で、いちばんのお気に入りは



草間弥生のこの絵。色彩のあざやかさといい、絵から伝わってくる存在感といい、自画像を描いても、草間弥生はやっぱり草間弥生だった!!70点の絵の中で、ひときわ輝いていたと思います。

それから、レンブラントのこの絵かな。



時期的には、ナショナルギャラリーでみた自画像の中間。妻を失ったあとで、レンブラントは破産するのですが、破産の一年前の自画像です。どこかもう、あきらめてしまったような寂しさが伝わってきました。

最初に会場にはいって、「あ!この絵」と声を上げたのが



ラヴィニア・フォンターナの自画像。実は今、「奇想の美術館」(アルベルト・マンゲル)という本を読んでいるのですが、表紙の絵の作者です。



アルベルト・マンゲルは、ラヴィニア・フォンターナについて次のように書いています。

「1577年に結婚するまで、ラヴィニア・フォンターナは数点の肖像画とごくわずかの宗教画しか描いていなかったが、その年、初めて自画像を描いた。家庭生活には悩みが山積していた(夫は頭が弱く、一人息子は一種の精神遅滞で、二人の娘のうち長女は事故で失明し、父親は晩年になって経済的に困窮した)が、画家としてのキャリアは順調だった。
 公式に大作を委嘱される女性画家は、ごくまれにいたとはいえ、たいていは(フォンターナー)を含めて)もの珍しい例外と見なされていたのである。」

「わたしが倒れたらあかんのや」という気持ちの張りが伝わってきます。

大きな期待はしていなかったから、大きな失望もなかった、そんな印象の展覧会でした。