那覇の本屋さんから買ってきた国土地理院発行二万五千分の一の西表島の地図をぼんやり眺めています。沖縄で二番目に大きな島なのだから、当然1枚には収まらず完全に島を切り取るには6枚を要するが、買ってきたのは、そのうち、「船浦」・「美原」・「西表大原」・「舟浮」の4枚。これら4枚で島の大方を切り取ることができるので、これからの冒険のお供には十分だといえる。それにしても日本の二万五千分の一で、こんなに集落や道の書かれていないのは、この地域だけなのかもしれない、登山道の破線が明確にあるのは、かつて2度ほど歩いた横断道だけ。こないだの古見岳登山では、明確な踏み跡があったのに、この地図にはなし。とすれば、もっともっと踏みあとがたくさんあるのだろう。この地図を眺めた旅人の先輩たちは、屋久島と違って深い谷というものはない西表の山中を、穏やかな流れの際を選んで、川から川へ、あるいはちょっとだけ逸脱して主要な三角点に踏み入ったのに違いない。ガイドブックにも「儀助新道」などがあったので、これら地図には、絶対隠れた破線があるのだと想う。では、なぜ国土地理院は、それを記載しなかったのだろう。たぶん推測だが、道はあるが、道らしき踏みあとや、いのしし君の獣道なども多数あって、道を書いたら何人も山中に迷って帰ってこれないのではと「老婆心」が働いたのではないだろうか。ちなみに、かつては毎年1~2名の青年が行方不明になったとも聞いている。昨年は、分け入ることができなかったが、オイラは、この破線のない地図に、オリジナルの破線を描く旅に、この春から少しづつ挑むことにしたい。
野鳥の会西表支部から、あちこちで「セイタカシギ」が見られるという情報。これは、昨年6月8日に近所の水田地帯で出会った「水辺のバレリーナ」。