もう一度観たい

この2〜3日、あることに関する資料作りに追われていた。前夜遅くまでかかって作成した資料を持って、翌日に話し合いに参加した。作成した資料はあまり役には立たなかったが、終わった瞬間、これで解放されるという喜びがじんわりと込み上げてきた。

午後からの時間を解放感に浸りながら楽しみたいと思い、映画を観に行くことにした。

上映時刻を調べると、あまり余裕がなかったが、おにぎりを二個かき込み車を走らせた。おにぎり二個では少々物足りなかったので、映画館でポップコーンとココアを購入した。映画館でココアなど飲んだことはなかったが、この日は甘いものが飲みたかった。

指定されたスクリーン会場に入ると、CMが終わり、まさに今から本編が始まろうとするタイミングだった。間に合ったのにホッとした。周りに音が聞こえないようにと気を遣いながら、ポップコーンに何度も手を伸ばし、甘いココアを喉を通らせた。

そのうちにスクリーンがぼんやりし出したことに気がついた。眠くなってきたのだ。これはまずいと思い、姿勢を変えたりしてぼんやりしてきた意識を覚醒させようと努力した・・・が、無駄だった。満腹になった体の心地よさと、気になっていたことから解放された気持ちの良さには、映画の面白さは勝てなかったようだ。

結局、上映時間の1/3位は睡眠の時間になってしまった。目が覚めると、スクリーンには、夫婦の激しいやり取りがくりひろげられていた。その後、裁判の行方を決めるかのような子どもの証言に釘付けになった。そして、どう受け止めてよいのかよく分からないラストシーン。もう一度ちゃんと観たいと思った。その映画は、「落下の解剖学」というフランス映画。