算太郎日記

日々の日記を綴ります

母との面会

2024年06月19日 | 日記

担当医と面談をする前に、入所している施設に母に会いに行った。担当の職員に案内されて部屋に入ると、母は酸素マスクをつけてベッドに横たわっていた。目を閉じて小さくなった体で必死に酸素を吸っているように見えた。


声をかけると、閉じていた目がうっすらと開いた。母の目が私を捉えたと思った瞬間に、名前を言って「分かる?」と聞いてみる。微かに「はい」と聞こえた。嬉しくなった私は立て続けに言葉を発した。しかしそれに対する返事はなく、ただじっと私を見つめていた。私のことを息子と認識しているかどうか分からないが、ただ見つめられているだけで十分嬉しかった。手を取ってみる。細くて冷たかった。元気だった頃のふくよかな面影は全くない。


担当医からは二ヶ月は持たないと宣告された。それは、母の状態を見た後では納得するしかなかった。必死で肩で息をしている母に「頑張って」とはとても言えないと思ったが、何と言ってやったらいいのか言葉が見つからず、「頑張って、また来るね。」とありきたりの言葉で面会を終わりにした。