叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 幸せに生きる 十一

2010年03月13日 | 幸せに生きる

 戦場の楽園 *

 一ヶ月ほど入院しているあいだに、平成霊異記のことをすっかり忘れてい
ました。体調も良くなってきましたので、霊異記の続きをまた書いていきます。

これから私がここに書くことは、古い学会員ならたいていの人が知っている
有名な信仰体験です。。。
今では二世、三世の学会員が多くなり、
昔のことを知らない人もいますので、本稿では、それらの貴重な体験を記
録していきたいと考えています。。。

 昭和十八年の夏の頃、
戦争の敗色が濃い南太平洋のソロン島に転任してきた、一人の職業軍人
がいました。。名前をS陸軍軍曹といい、通信隊の所属でした。
S軍曹はソロン島の通信基地で、敵の通信の妨害をしたり、日本軍の情報
中継地の役目を担っていました。。

 Sは創価学会に入って法華経の信仰をしていました。。

「自分は職業軍人だから、激戦地の南太平洋に派遣されてもそれは致しか
たない。ただ法華経を信仰している身だから、出来れば自分も殺されず、
敵も殺さなくてすむような任地に行きたい。」

という虫の良いことを御本尊に願っていたのです。。

 ソロン島の通信隊の責任者として軍務になれたころ、突然、そこからはる
か南のアンポイア島に転任するよう命令が出ました。
「ここでも敵は多く、味方が少ないたいへんな所なのに、ここよりはるか遠
い小さな島では、敵に攻められたらひとたまりもないだろう。。」

 と思いましたが命令には背けず、小さな漁船を借りて一人で、任地に出
発しました。。
 南太平洋の青い海と。星が落ちてきそうな夜の空。。
敵に見つからないよう日中は緑したたる島に上陸して身を隠し、夜になる
と漁船を動かして、四、五日かけて任地に到着しました。

 「あんな楽しい旅はなかったよ ! 」
と本人が述懐していましたが、戦争とはまったく関係ないのんびりした観光
旅行を官費でやったのです。。。

着任したアンポイア島は、平和な島でした。
敵の影ひとつなく終戦まで一発のタマを打つこともありませんでした。。。
朝晩は近くの丘に登って日本の方を向かい、勤行唱題をするのが日課に
なりました。
 島の住民はおとなしく親切で、果物と魚は取り放題という。。。
夢のような軍隊生活を終戦まで送ったのです。

 続く  



 


 

  



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