叙事詩 人間賛歌

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人間賛歌 若い人の仏教教室 八十六

2007年12月20日 | 若い人の仏教教室
 前回の続き

話はさかのぼるが、仏典翻訳僧クマラジュウが師のスリヤソマから法華経を伝授

されたとき、スリヤソマは、「この経典は東北に縁のある経であるから、

そなたは東北に行ってこの経を広めなさい。」と言ったと伝えられている。

クマラジュウはインドの東北に当たる中国にきて、サンスクリット語の、

「白蓮華のような最高に正しい教えを、妙法蓮華経と訳したが、これは空前絶後の

名訳として有名である。」

注、 スリヤソマ シヤシヤ国の王子、大乗仏教の大家。
    白蓮華 インドでは最高の花とされている。


その妙法蓮華経を聖徳太子は国のおおもとと定めたが、後になって仏教は雑乱

時代になり、徳川幕府の鎖国制度と、檀家制度によって仏教は名ばかりの形式

となった。

僅かに葬式のとき僧が仏教経典を読んで死者を送るという葬式仏教となったので

ある。


ジッチャン、
「ところで田中さんのおうちは、なに宗ですか。」

田中さん、
「私の家は代々念仏宗で、母親なんかよく「ナムアミダブツ」と唱えていますが。」

ジッチャン、
「田中さんは念仏宗の教えの内容とか、それがどの経典によるものであるか、

ご存知ですか。」

田中さん、
「いいえ、ぜんぜん知りません。ただ生まれたときから、お盆とか法事なんかに、

僧がきて「ナンマイダ」と唱えるのを聞いていましたから、そうするものかなと

思っていたまでです。」

ジツチャン、
「私のうちは真言宗でしたが、かなり熱心な信徒だったようで、母親が呪文のよう

な経文を読んでいたのを覚えています。

いま考えてみるとたしか般若心経だったと思いますがね。

私自身は教義もなにも知らなかったのですが、父や兄が亡くなったとき真言の僧

がきて葬式をしたりしていましたので、なんの不審もなく自分の宗教は真言宗だと

思っていました。

家内が法華経の信仰を始めたとき、法華経のことをなにも知らないのに大反対し

ましたが、なんで反対したのか理由は分かっていなかったのです。

いま思えば江戸時代からの檀家制度の名残が残っていたのですね。」

つづく


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2 コメント

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メールありがとうございました (吉野)
2007-12-21 18:56:02
大変ご無沙汰しております。
以前、お返事に迷ううちに機会を失ってしまい、そのままとなってしまったご無礼お詫び申し上げます。

こちらのブログにはたびたびお伺いして、katu様のご活躍を拝見していました。
仏教の深い知恵は、現代の人々に役立つと信じます。私は具体的な形でのご協力は出来ませんが、世の中に大切なメッセージを残したいという気持ちで、katu様の後をついていきたいと思います。違うジャンルや方法でも、気持ちが同じなら同じことが成せるのではないか…と思うのです。
心と心で、様々なジャンルの人々が繋がっていけたら素晴らしいですね。

年末でお忙しいかと思います。お体を壊さぬようお気を付けください。それでは、また。
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返信ありがとうございます (katu)
2007-12-22 10:55:07
吉野さん、こんにちは。

お元気でよかったと率直な気持ちで思っています。
人を大事にする心と、互いに尊敬する心は伝わると思います。

たくさんの人が立場の違いを認めて、互いを尊敬する心でつながることが、
いまの世で必要だと考えます。
またなにかとアドバイスして頂けたら、私も元気が出ます。よろしくお願いします。

 風邪などひかれませぬよう、では、また。
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