ジッチャン、
「前にも話しましたが仏界を現すには法華経の題目を唱えることです。
これ以外に根本淨識である仏界を現す方法はありません。
なぜなら、悪業に染まる前の清浄な心を妙法蓮華経というのです。
昔のさらに昔、
聖人(過去、現在、未来のことを詳しく知る人を聖人という)が、
真理を直観して名前をつけるとき、
因果倶時(仏になる因と仏になった果を同時に具えていること).不思議な法
を『妙法蓮華経』と名づけたのです。
したがって、わがいのちに悪業に染まる前の清浄な仏界のいのちがあると
信じて、その名を呼べば、仏界のいのちが呼び、呼ばれて現れてくるのです。
呼んだらナゼ現れるのか、とヘリクツを言うまえに、
ともかく題目を唱えて、わが胸中の仏界を呼んでみることです。
現れるか、現れないか、すぐ分かりますよ。
自分のことで恐縮ですが、私は十なん年も法華経の信仰に反対して、
どうしようもなくなって信仰したのですが、
信仰して題目を唱えたその夜、長いあいだ悩んでいた不眠症が一晩で治った経験をしました。
山本さん、
「へぇーホントウですか、不思議ですねぇ。」
ジッチャン、
「信仰するようになってから、不思議な体験はイッパイありますが、会社倒産
のショックと、借金返済の重圧で、
枕元に一升ビンを置いてなければ一睡もできなかったのが、
題目を唱えただけでウソみたいに治ったのが、当時としては一番感動的でした。
山本さん、人間の頭では理解できないことが、世の中にはイッパイあります。
たとえばトリの卵をとってみても、カラの中の透明な液状のものから、
クチバシや目が出て、羽がはえ、足がそろって空を飛べるようになるとは、
だれが想像できるでしょうか。
でも卵がトリになるのは事実で疑いようがありません。いったいだれがそう
しているのでしょうか。
山本さんはどう思います。
山本さん、
「私にはよく分かりません。だから人間は万物を創造する神か゜いて、その
神が造ったなどというのでしょう。」
つづく