叙事詩 人間賛歌

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人間賛歌 幸運を呼ぶ法則 十五

2008年07月28日 | 幸運を呼ぶ法則

  五、心は伝染する

 コソボ紛争で強大な軍事力をもつNATO軍が、無防備に近いユーゴを空爆したときのことである。アメリカのコロラド州で、高校生が銃を持って自分の通っている高校に押 し入り、逃げ惑う無抵抗の生徒たちに向けて銃を乱射するという事件が起きた。アメリカ中を震撼させたこの事件で、十数人の何の罪もない生徒たちが殺された。

 同じ頃、空爆にさらされたベオグラードの動物園では、母トラや母オオカミが、生まれたばかりの我が子を殺してしまう事態が頻発していた。空爆のあった翌日に多発していることから、動物園側は、「動物が精神に異常をきたしている」と懸念していた。

 子殺しが始まったのは、四月中旬にベオグラード空爆が激化してからで、トラの親が子供三匹をかみ殺したほか、母オオカミが生まれた六匹の子のうち五匹を殺した。さらにミミズクも子育てを放棄したり、かみ殺すなどしてヒナ五羽が死んだ。

 動物の流産も相次ぎ、シマウマ、コブウシ、ライオンなどが一~四回流産したほか、一頭だけオリにいたライオンは、自分の足をかみ続け血だらけになっているのも確認された。動物園の園長は、

 「オリの中にいる動物は、どこに逃げることも出来ない。彼らに罪はない。空爆は即時に中止すべきだ。」とNATO軍に訴えている。

 以上は、一九九九年五月二十一日付、ベオグラードの新聞報道である。アメリカのコロラド州とヨーロッパのユーゴは随分離れている、偶然が重なっただけだと思う人には、次の事例を紹介しよう。


 九州の宮崎県沖に幸島という小さな島がある。
この島は無人島で百匹ばかりの野生のサルが住んでいる。サルたちは木の実や草の根をエサにしていたが、とぼしくなったので人間が餌つけをしてサツマイモを与えるようになった。
 初めのうちサルたちは、ドロや砂がついたままサツマイモを食べていたが、ある日サルたちのあいだに異変が起きた。一匹の若いメスザルが海水でサツマイモを洗って食べたのだ。

 次回に続く