幸運を呼ぶ法則 抜粋二
クスクス笑っている人もいるようだが、これは人生の縮図なのだ。
自己中心で自分のことしか考えない人は、富や地位を得ようとして、一生をあくせくもがきながら送る。しかし結局手に入れることは出来ず、悲嘆とあきらめの内に終末を迎えるのだ。そのことを地獄行きの待合室の絵は表しているのである。
一方、人のために尽くすことを知っている人たちは、自分が食べる前に人に与えるので、自分でガツガツ求めなくても、他の人が持ってきてくれるのだ。極楽行きの待合室の絵がこれを表しているのは言うまでもない。
多くの人がこの事実を知らないために、せっかくの人生を台無しにしてしまう。
人を喜ばす行為は自分にも喜びとなって返ってくるが、利己主義者はこのことを知らないのだ。そのためにいつもガツガツ求めるだけで、満足するということがない。
幸運な人というのは、人も含めまわりの出来事すべてを、自分の味方にする人のことをいう。実例をあげてみよう。
一介の職人から叩き上げて大鉄鋼会社を創り、後に鉄鋼王と呼ばれたアンドリウ・カーネギーはこう言っている。
「自分の得た財産、地位、名声、友人、家族など、自分に幸福をもたらしてくれる全てのものは、人に尽くし、人を喜ばす行為によって得たのであり、それ以外のものは何ひとつない。」
注、アンドリウ・カーネギー(一八三五~一九一九 )アメリカの実業家、スコットランド生まれ、一八四八年、十二歳のとき一家でアメリカに移住、ペンシルバニア鉄道のトーマスA・スコットの秘書兼通信士となる。
一八八一年、カーネギー製鋼設立、慈善事業に関心をもち、数多くの図書館や、カーネギー・ホールなどの公共施設の建設に私財を投じた。
人に尽くし、人を喜ばす行いは、自分にツキを呼び込むだけでなく、自分の家族や友人など周囲の人も幸運に巻き込む魔法のような力をもっている。
さらにカーネギーは、
「人間が本来持っている不思議な力、どんな知者でも説明することの出来ない“無限の英知”とでもいうもの、この力(ツキを呼び込む力)を活用せずに成功した者は、今までに一人もいないし、こらからもいないだろう。」と断言している。
事実カーネギーは、自分と同時代にアメリカで活躍し大成功した、ヘンリー・フォードや、ロックヘラー、ルーズベルト大統領など五百人以上の男女の、成功の秘訣を調べた結果、自分と同じように“人に尽くす”生き方をしていることが分かったのである。
三に続く
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