




昨日は、大分市で夏季教育講座が開催されました。
講演会などが行われ、たくさんのことを学ぶことができました。最初は、佐賀県の古伊万里酒造の前田くみ子さんが、「ぬるま湯からの脱皮・脱出~人に伝えて夢を追う~」という講演がありました。伊万里に生まれ、伊万里に育ち、大学を出てから、再び伊万里に戻り父親が営んでいた酒造会社を継ぎます。
いろんな商品を手がけながら、酒造りの伝統を守りながらも新しいものも開発している様子を話してくれました。
引き続き、著書「五体不満足」で有名な乙武洋匡さんの講演でした。
「人は、障がい者として逃げ道としての言い訳はいくらでもできる。まして障害者ならなおさらです。しかし逃げる生き方をしたくない」という強い意志を持っている乙武さんです。
「私とチャレンジ精神」というテーマで話をしていただきました。
「五体不満足」の本を著わしたのは、22歳の大学生のときです。あれから月日を重ねて乙武さんも35歳、2児の父親となっています。
スポーツライターとして活躍もされていました。すごいのは、平成19年から21年までの3年間、小学校の先生として勤務しています。
うち、2年間はクラス担任をされていたそうです。
小学校に勤務したきっかけは、2003年の長崎市の中学生が4歳の幼児を殺害した事件、2004年、佐世保市の小学校でおきた同級生によるカッターナイフを使用した殺人事件。生まれてきたときは、まっさらな子どもが、いつしか苦しい境遇においやられてしまっていることに心を痛めたところにあります。
前向きに子どもたちと関わりを持ちたいと29歳で教員の免許を取得しているのです。すごい行動力です。
障がいを持っているのですが、受け身の人生を送りたくない、また今までの周りの人たちの支えに対して恩返し、恩送りをしたいという強い気持ちを持っています。
特に先生として心がけたのは、「結果に結びつかなったけれど、課程でのがんばりを積極的に評価することが大切」というのです。
結果だけで賞賛したり、批判したりすると、子どもたちは、「いやだ、無理だ、できない」と最初から弱音の部分で逃げ道を作ってしまいます。学校でも家庭でも「チャレンジしようとした姿勢を評価する」と「頑張ってみよう」「もう一回頑張ってみよう」という気持ちにつながると言います。
結果にはつながらなかったけれど、頑張ったことは、保護者にしっかりと伝えていったそうです。乙武さん自身が子どもの前でチャレンジしていく姿で多くの子どもたちがどれくらい勇気づけられたでしょう。
講演の中でたくさんのエネルギーをもらうことができました。