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東京「昭和な」百物語<その5> 小石川

2015-03-01 23:26:47 | 東京「昔むかしの」百物語
小石川という地名に、なにか切ないほどの郷愁を感じる。

取り立てて深い思い出があるわけではない。ボクが4歳から6歳になるかならないか、約1年と少し暮らした土地というだけだ。

だが、多くの思い出はある。神社の名前は忘れたが、秋祭りに山車を引いた記憶がある。しかも、鼻の筋に白い化粧を施された。

当時通っていた幼稚園(なぜかボクは転園して2か所の幼稚園に通っている。その最初の幼稚園で、お寺さんの経営する幼稚園だった。名前は忘れたが今該当するのは福聚院というお寺さんの経営する福寿幼稚園かな?)で、楽器演奏があり、大太鼓を担当した記憶もある。考えてみればもう60年も前のことで、すっかり姿形を変えていることだろう。

住んでいたのは、春日通りの後楽園遊園地の裏側に面した、冨坂の中腹あたりの路地を入ったところだった。周辺は製本工場が連なっていて、リズミカルなガチャコンガチャコンという機械音が、朝から晩まで聞こえていた。

ある日遊んでいて、野良犬にお尻(右の太ももに近かった)を噛まれた。

断片的だが、なにか思い出すと甘酸っぱいものがこみあげてくる、そんな場所だ。

数年前に、仕事が早く終わり、まだ明るかったこともあって、自分の住まっていた辺りを歩いたことがある。全く様相は変わっていて、ほとんど何も発見できはしなかったのだが、ただ一つ、冨坂警察署だけは、同じ場所にあるような記憶がある。

記憶というのは、全くいい加減なものだが、それでも何よりのガイドにはなる。

薄れかけた記憶を頼りに、冨坂周辺をもう一度散策してみたいなとは思う。

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