普通な生活 普通な人々

日々の何気ない出来事や、何気ない出会いなどを書いていきます。時には昔の原稿を掲載するなど、自分の宣伝もさせてもらいます。

アメリ!!

2012-01-18 00:18:26 | こんなことを考えた
 娘のイラストを掲載したが、ライナーを書いたのはボクだった。
 その拙文をここに掲載する。そのイラストとして、彼女の残る2作品を載せることにする。

【 オルゴール・カフェ SMILE 】

「カフェ」といえばパリ。パリっ子の日常の中に「カフェ」はある。
ゴッホ、ユトリロ、ドガ……多くの絵描きがパリの「カフェ」を描いた。
さまざまの芸術作品の中に描かれた「カフェ」だが、そんな中に「カフェ」は人生の縮図、そんなことを思わせてくれた映画があった。
 ちょうど10年前の2001年4月に上映され、フランス映画史上最大のヒット作と言われた「アメリ」だ。日本でも大人気を博した。



Ⓒ 早希 2011

 主人公アメリ・ブーランを演じた主演のオドレイ・トトゥは、06年には「ダヴィンチコード」、09年には「ココ・アヴァン・シャネル」に主演するなど活躍の場をハリウッドにまで広げているが、やはり彼女にとって女優としての最高のキャリアとなったのは「アメリ」に他ならない。繊細で、それでいてエスプリの効いたユーモアすら感じさせる少女の精神世界を見事に体現した。
 彼女を起用した監督のジャン=ピエール・ジュネは、後にハリウッドで「エイリアン4」を手がけるなど多才な監督だが、「アメリ」ではことのほか豊かな、一見歪んだようにさえ見えるアメリという少女の精神世界が、日常の中に違和感もなく解き放たれている様を描いて秀逸だった。
その舞台は「カフェ」だった。



Ⓒ 早希 2011

 アメリが家を出て自分の人生をスタートさせ働き始めた「カフェ・デ・ドゥ・ムーラン(Cafe des 2 Moulins)」こそ、その舞台となったお店。「カフェ」こそ人々が集い、笑い、泣き、怒り、喜び、生きる格好の回り舞台だと、ジャン=ピエール・ジュネ監督は知っていたに違いない。映画の中でも秀逸だったのは、モンマルトルの「カフェ・デ・ドゥ・ムーラン」に寄り集う人々の人間模様だ。この店は実際にモンマルトルに現存していて、いまでも当時のままに営業している。そして映画はこの「カフェ」を舞台に進行していく。
 そしてジュネ監督は「カフェ」という回り舞台には、必ずといっていいほど、人々を酔わせる音楽があることも、どうやら知っていたようだ。
 アメリには「アメリのワルツ」はじめ、ワルツを主体としたオリジナリティ溢れる音楽が使われていた。ヤン・ティルセンがアコーディオンや、ヴァイオリン、おもちゃのピアノ等を駆使して紡ぎだしたメロディーは、映画音楽として主人公・アメリの人生を豊かに表現したのはもちろんだが、おそらくは現実世界の無数のアメリにとっても、自分の人生を見事に飾る音楽になり得たろう。
 人生を彩る音楽に出合う、それは大きな喜びだ。音楽は、人生という舞台になくてはならないもの。人生の節目節目に、必ずといっていいほどその時代を映し、その時の自分に寄り添うような音楽があるものだ。
 いまここにオルゴールで奏でられた『オルゴール・カフェ SMILE』がある。全32曲。ほとんどが多くの人々と出合い大きな影響を人々に与えたJ-POPの名曲たちだ。
 言い方を変えれば、誰でもが一度は聴いたことがあるに違いない名曲たち。
 この中には、きっとアメリにとっての主題歌「アメリのワルツ」のような、あなた自身の主題歌が紛れ込んでいるかもわからない。

そういえば、映画「アメリ」のおかげで当時大人気となったスイーツがある。



Ⓒ 早希 2011

「クレーム・ブリュレ」。焦がしプディングのことで、カスタードの上を覆う焼かれたカラメルの層を「スプーンで割ること」が、可愛いアメリの趣味の一つだった。
 こんな屈託のない明るく元気な生き方をしようと、『オルゴール・カフェ SMILE』は囁きかけてくるようだ。
<音楽ライター 加藤 普>
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