リスペクトコラムです。
最近はすっかり全国的に感染者数が減少し、収束したと勘違いしているような雰囲気になっています。ただ、福祉施設を中心にブレイクスルー感染例が多く、外国では2回接種が浸透していても、ヨーロッパを中心に感染者数が増加し、日本でも、この冬の第6波の襲来がささやかれています。
ただ、日本でのワクチン接種率は7割を超え、飲食店の時短営業も解除され、つかの間の通常生活を満喫できていると思われます。しかし、油断は禁物。感染対策は引き続き必要で、マスクを取っていいという訳ではありません。3密を無視して密集していい訳ではありません。そんな中で、国の政策で大規模イベントの緩和策が発表されましたが、耳を疑うキーワードが出てきました。おかしいだろと思わず突っ込みたくなる動き。
【イベント制限1万人解除 27都道府県、来月から―政府】
「政府は28日、新型コロナウイルス対策として東京都など27都道府県で大規模イベントを開催する際、「最大1万人」としていた人数制限を11月から解除する方針を決めた。収容定員を50%以内に抑える措置は当面継続する。28日午後に持ち回りで開かれた新型コロナ感染症対策分科会に制限の緩和を諮り、了承された。
政府は現在、大規模イベントの参加人数について「5000人または収容定員50%以内のいずれか大きい方」としている。さらに、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置を9月末に解除した27都道府県に対し、「最大1万人」とする1カ月間の経過措置を設けてきた。
1万人の制限が終了することにより、例えば4万人を収容する野球場では、2万人まで観客数の上限が緩和される。ただ、自治体が独自に制限を設けることもある。
一方、大声などの声援を伴うイベントについては「収容定員50%以内」の制限を引き続き求める。例えば収容人数が8000人の施設で、大声を出さない場合の上限は5000人だが、大声を出す場合の上限は4000人となる。」
引用:時事通信
大規模イベントの人数制限で1万人を解除するのはわかります。実際に大分で行われたラグビーの代表戦では約2万人入れていました。もうこういう感染者数になれば、ここまで解除したいのもわかります。ただ、そこで終わらなかった。突如「大声」という言葉が添えられていました。大声って、歓声・声援の事でしょ? サッカーで言うとチャント(「チャント!! Jリーグ」欠かさず観てますよ)ですが、県外の人が大勢やって来て、ドームとかで大声を出すケースが出てきますが、それでいいのかい? いくらマスク越しでも会場内に飛沫が飛び交うけどと思わず突っ込んでしまう。
【イベント上限「1万人」の撤廃決定…来月から「5千人」か「定員の50%内」に】
「政府は、感染状況が順調に改善しているとみて、宣言や重点措置が適用されていなかった20県での制限まで緩和できると判断した。大声での歓声などを伴うイベントは、引き続き「収容定員50%以内」の制限は加わる。都道府県が独自の制限を設ける場合もある。
政府は今後、さらに緩和を進めるため、ワクチン接種証明書や検査の陰性証明書を持つ人を対象に、収容定員100%を認める実証調査を進めている。問題がなければ、11月中にも新たな緩和策を示す考えだ。」
引用:読売新聞オンライン
「大声」の時点でアウトなのに、50%の条件は継続するとあります。地元行政が独自に制限するケースもあるそうですが、基本的に50%なら大声を出してもいいと。ここで確認したいのが大声はもちろんマスク越しですよね?という点。外国ではマスク規制を撤廃する国も見受けられますが、今のところ日本ではそこまで行っていない。つまり、マスク越しの大声なのか。ではマスク越しの大声ならいいのか。
内閣官房新型コロナウィルス感染症対策推進室の「感染拡大防止特設サイト」を見てみると、以下の表記があります。
「3密(密接・密集・密閉)の回避
一つの密でも避けて、「ゼロ密」を目指しましょう。
特に人と人との距離は十分に保ってください。
おしゃべりする時間は出来る限り短くし、大声は避けてください。」
この時点で矛盾しており、ダブルスタンダードが発生していると思われます。その中に「食事は短時間で、深酒をせず、大声を出さず、会話の時はマスクを着用してください。」という文言もあります。いわゆる「黙食」ですが、マスク着用でもなるべくしゃべるな、大声を出すなと言っています。国がここまで行っているのに、サッカーの試合会場はマスク越しでも、大声を出してもいいとするのは「二枚舌」になりませんか? Jリーグ自体も先日の記事で指摘したとおり、ホームタウン制度緩和騒動の二枚舌運営を思わせるものがあります。なぜ、こういう「二枚舌」が出てくるのか。ふと思い出しましたが、そういえば何か月か前の村井チェアマンのインタビューの中で「サポーターの方に早く声を出して応援してもらいたい」と言われていたっけと。何かつながってきた気がします。
今回の「大声」も国が公的に制限撤廃した後であれば、何の問題も無い。どうしてこういうおかしな事が起こるのか。誰も指摘しないから、当ブログで指摘させていただきます。単なる個人のツイートですが、たぶんJの関係者(村井チェアマンもと思って書いています)もいくらかは観に来ているでしょうから、何か伝わればいいなと。
【今後のイベント開催制限等のあり方について】
〔今後のイベント開催制限等について〕
「○ これまでイベント開催制限等については、分科会での議論を踏まえ、以下の目安で運用(6月16日新型コロナウイルス感染症対策分科会) 。
・緊急事態措置区域は、5,000人以下、かつ、収容率一律50%以下
・まん延防止等重点措置区域は、5,000人以下(大声あり50%/大声なし100%)
・その他都道府県は、5,000人又は収容人数50%のいずれか大きい方(大声あり50%/大声なし100%)
また、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が解除された都道府県では、解除後1か月程度、経過措置として、10,000人の上限を設定(6月16日新型コロナウイルス感染症対策分科会) 。」
「※1 大声での歓声、声援等がないことを前提としうる場合。この判断は、実態に照らして、個別具体的に判断。この場合、収容定員5,000人までの施設については、満席とすることが可能となる。
※2 大声での歓声、声援等が想定される場合等。異なるグループ間では座席を1席空け、同一グループ(5人以内に限る。)内では座席間隔を設けなくともよい。すなわち、収容率は50%を超える場合がある。」
引用:内閣府公式HP
このサイトを見ると、同じ内閣関係(内閣府)が今後の大規模イベントのあり方について、情報開示しています。同じ内閣関係で、内閣官房は制限している「大声」を内閣府は認めている。これは何なのか。この中「大声あり50%」も気になるが、「大声なし100%」「満席とすることが可能となる」という文言があります。えっ100%って、ゼロ密どころか3密100%じゃんと思ってしまう。世の中では席がパテーションで区切られ、席も1席空けが浸透しているのに、満席OKって、これもダブルスタンダードになります。「おしゃべり」「会話」ではなく「大声」なのが問題。
去年の秋頃、スタジアムに5千人入れるらしいと、スポーツ観戦しない一般人に話したら「えっ5千人!? 嘘でしょ?」とビックリしていました。大規模イベント目線で見れば、いいじゃないかという価値観も、一般国民はそういう感覚なのです。その中で去年だったか、「世の中が自粛しているのに、どうして大規模イベント、特にプロスポーツは例外に扱われるの? 一番影響が出るところじゃないか」とTVニュースのインタビューを聞いた事があります。今回もまさに全く同じ話ではないでしょうか。東京五輪の時も同じような流れになりましたが、結局は選手村を中心に多くの感染選手・関係者を生み出し、その後の第5波の要因の一つとささやかれました(そういえばその検証まだですね)。かなりおかしいと思います。そうこうしていたら第6波が来て、こういう流れもまた寸止めになるのかな。もう11月だ。
#がんばろう日本 #ThankYouHealthcareWorkers #ThankYouCaregivers