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Jリーグの話題148

2017-12-20 00:01:14 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 先日、Jリーグ理事会で秋春制が正式に否決されたようです。それまでも各委員会で否決されてきましたが、今回正式に決まりました。これで一つの区切りができたという事ですか。秋春制を公約に会長になられた田嶋会長さんには気の毒ですが、機関決定なのでこれはしょうがないですね。J1からJ3まで秋春制になれば、当然JFLも秋春制になるでしょう。ところがJFLには降雪地のクラブがいくつもあり、更に反対される事でしょう。つまり日本には見合わない制度という事です。一度降雪地クラブを行脚されて、現地ヒアリングレポでも作られたら、少しは価値観が変わるのでは。机上の論議ではなく、地に足を付けた対話も必要でしょう。今回の報道をチェックしましたが、ゲキサカくらいしか見当たらなかったです、以下、引用して紹介。
   
【Jリーグが22年秋春制移行案を否決…村井チェアマンは9項目で「移行しない理由」を説明】
「Jリーグは12日に開催された理事会において、22シーズンより検討していた秋春制へのシーズン移行案を否決した。秋春制へのシーズン移行は、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長から提案があり、Jリーグも1年をかけて議論を重ねてきた。同日、会見した村井満チェアマンは「移行しない理由」として9つの項目を挙げて説明。「いろんな角度から検証してきたが、日本はまだまだサッカーの途上国。ファン・サポーターの皆様と一日でも長く、ちゃんとした試合を継続していくことを原点として意思決定をした」と話した。Jリーグとしては今後、18年5月をめどに、日本サッカーの強化と普及に向けたビジョンと施策案を発表することにしているという。」
「会見に同席した原博実副理事長も『代表の強化が重要なのはよく分かる』と理解を示した上で、育成面では学校カレンダーと一緒になっていた方がいいと強調。『欧州もサッカーがありきじゃなくて、世の中の流れ、文化がシステムに合っている。大会カレンダーのそのものを変えれば上手くいくという考え方ではなく、大きな視野を持ってやっていきたい』と力説した。」
引用:ゲキサカ

 正式にJリーグ理事会で導入しない事が決議されました。一昔前は2ステージ制騒動でいつも首をかしげてきた理事会ですが、正しい結論を出したと思います。深い積雪の北海道から冬でも温かい沖縄まで、南北に細長い日本では、やはりちょっと無理がありますね。真冬の開催で、積雪に埋もれたスタジアムに誰が足を運ぶのか、温暖地と降雪地のハンデキャップは、経営的にどこの誰が埋めてくれるのか、そういうところでしょうか。
 また、日本代表の強化が先か、Jクラブの経営が先かという論点ですが、面白い事に日本代表の強化を目的に'93年にスタートしたのがJリーグ。この時点で更に代表強化のためにプロリーグが犠牲になってくれというのは、何となく矛盾が生じませんか? そして、村井チェアマンが発表した、その9つの「移行しない理由」項目は以下のとおりです。

①移行しない方が、リーグ戦実施可能期間が1か月以上長い。
②移行するとシーズン終盤の4、5月にACLのグループステージ終盤やラウンド16が入る。出場4クラブだけがリーグ戦最終局面を厳しい日程で戦うことになる。
③移行しても1月に移籍する選手は減らない可能性が高い。また夏のウインドーならば移籍金が少なく済むとは言い切れない。
④シーズン末に決勝が集中することは世界基準で違和感がない。
⑤「雪国に相当設備のスタジアム等が整備されるだろう」という期待を前提とした移行を、経営リスクととらえるクラブ経営者が多い。
⑥移行期の0.5年または1.5年での収益確保は、Jリーグ54クラブそれぞれの課題で難易度が高い。
⑦現シーズンは学校年度と完全ではないが、ほぼ揃っている。移行して半年ずれてしまうマイナスは大きい。
⑧企業との期ずれも、企業側でヒアリングしたところ、修正は難しいとの見方が多い。
⑨移行カレンダーの1、2月に計4試合予定されているルヴァン杯は、検証したところ他の期日にプロットできない。Jリーグはルヴァン杯を全国のホームタウンで通年開催したいと考えており、移行カレンダーではルヴァン杯が成立しておらず、Jリーグの考えではカレンダー自体が成立していない。

 秋春制ですが、実際の開幕と閉幕はいつになるのかと思い、ブンデスリーガの事例を調べてみました。開幕節は8月18日、最終節は5月12日です。つまりお盆明けに始まり、GW明けに終わるという事。その間の5~8月の3ケ月間はオフという事になります。今までの日本サッカー界では考えられない時期ですね。
 何度読んでも100%把握しにくい内容ですが、村井チェアマンの熱い思いは何となく伝わってきます。ここからは当ブログの見識です。
①元々、特に2ステージ制騒動時は過密日程が問題になっていました。そういう中で開催期間が短くなるのは明らかに退歩ですね。
⑤明らかに経営リスクです。そんな巨額なハコモノを今の時代、行政が作るでしょうか。群馬さんの事例のように、「一定期間支援した役目は終わった」と口にして、手を引かれるのではないですか。
⑥まだ売上が多いJ1ならまだいいですが、J3にとってはかなり大きな経営リスクになるのでは。実行委員会でもJ3勢はポカンとした表情だったと報道されていましたね。J1だけならともかく、日本代表選出には縁のないJ3クラブにとっては迷惑なだけの話なのかも。
⑨カレンダー自体が成立していないというのは尋常ではないですね。

 他の項目もありますが、もうちょっと確認してみたいと思います。ただ、結論が出た訳ですから、この話題はもういいかなとも思います。秋春制導入を公約で会長に当選された田嶋会長。先日のハリルジャパンの韓国戦の惨敗で、それ見た事かと手厳しいコメントを発しておられましたが、仮に秋春制に移行しても余り強化できない気がします。監督や選手層など、様々な要因が成績に反映されていると思います。
 あと、当ブログでも何年か前に触れましたが、欧州では頭の痛い動きが密かに起こっているようです。カタールW杯での夏の酷暑を避けるために11月~12月にかけての開催が決定しており、欧州のサッカーリーグがこれに対応すべく春秋制に移行する可能性も出てきているとか。少し前ですが、ドイツでもこの記事にあるように、春秋制最適論が根強いのです。将来日本がやっと秋春制をスタートした時に、ヨーロッパで翌年からの春秋制の導入が決まってしまったという、何ともみっともない事が起こるかもしれません。
 日本協会会長選の公約のためとか、代表強化の究極案に縛られず、もっと冷静に議論されたらいかがでしょうか。ただ、もう決まっちゃいましたが。あと、最後に気になるのが、来年5月をめどに発表されるという、日本サッカーの強化と普及に向けたビジョンと施策案ですね。いい案を出さないと、また秋春制の論議が再燃するかもしれません。村井チェアマンの腕の見せどころですね。えらいこのブログは村井チェアマンを推しているなと思われるかもしれませんが、村井チェアマンも見に来ていると勝手に思い込んでいるもので。2ステージ騒動を終わらせた功労者でもあるし。村井チェアマン、これからも頑張ってください。
秋春制関連⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170922
  〃    ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170715
  〃    ③:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170216
  〃    ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140713
  〃    ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130614
Jリーグ組織問題関連 (全般):51 / 50 / 49 / 48 / 47 / 46 / 45 / 44 / 43 / 42 / 41 / 40 / 39 / 38 / 37 / 36 / 35 / 34 / 33 / 32 / 31 / 30 / 29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 / 20 /

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