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2017-02-25 00:40:26 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 日にJリーグ理事会が開催されたという報道がありましたが、その中におやっと思える内容が含まれていました。サテライトリーグのくだりです。まずはその報道内容(サッカーキング)から。以下、抜粋して紹介。
   
【復活2年目のJサテライトリーグ、参加は5クラブに減少…日程は随時発表:サッカーキング】
 Jリーグは23日、2017シーズンのJサテライトリーグの参加クラブがJリーグ理事会にて決定したと発表。今回はJ1の仙台、湘南、新潟、清水、広島の5チームが参加。Jサテライトリーグは'09シーズンを最後に休止状態となっていたが、昨季より復活。昨季は9クラブが参加したが、今季は5クラブ。試合は前後半各45分の90分で、順位決定は行わない。なお、試合日程については随時発表予定。
サッカーキング該当記事:https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20170223/554990.html

 ホーム&アウェーを原則としないそうです。東京五輪に向けて、これからの時代に向けて一番重要な課題である「育成」を解決する方策として、1年前鳴り物入りで復活を遂げたJサテライトリーグ。1年前の時はこれからサテライトリーグで、日本サッカーの育成も明るいと思っていたのですが、1年経ったら後退という現実が待っていました。過去の育成対策の歴史をまとめてみました。以下、抜粋して紹介。

 Jサテライトリーグ廃止以前からトップチームとは別にアマチュア(セカンド)チームを地域リーグに参戦させているクラブもあるが、'10年からこれらの育成チームとトップチームの移籍に際しては一定期間の制限が設けられたことから、トップチームが「補強」あるいはアマチュアへ「降格」する形での移籍が容易にできなくなりました。年間運営費に約1億円かかることに加え、前々からの不況も相まって、この時期にJ2でもいくつかのクラブがセカンドチームを廃止。ただし、'13年より育成型期限付き移籍制度が創設され、所属元チームの所属カテゴリより下のチームへの移籍は23歳以下の選手については移籍期間外であっても期限付き移籍が認められるようになりました。
 このような状況で若手の実戦経験が激減したことが問題となり、'12年の日本協会技術委員会にてサテライトリーグ再開を提案。スペイン等の事例を参考に、'14年度のJ3リーグから、「JリーグU-22」(J-22) が特別参加として参加。しかし、J-22の編成・活動を巡って主に継続性の面で問題点が指摘され、'16年シーズンからはJクラブの「U-23チーム」がJ3リーグへの参戦とともにJ-22の活動が終了。JクラブのU-23チームのJ3参戦とは別の18歳から23歳の若手の実戦経験確保策として、'16年シーズンからはJサテライトリーグが復活。
 このサテライトリーグは、Jリーグが間に立ちながら各クラブで日程を調整し、控え組同士による準公式戦を行うという「育成マッチデー」構想を具現化したもので、休止前は「J1全クラブ参加」だったのに、希望するクラブの「任意参加」に変更され、’16年は仙台・鹿島・川崎・横浜FM・湘南・新潟・名古屋・神戸・広島の9クラブが参加。

 うーむ、いろいろとドラマがあったのですね。こうしてみると、J-22は何だったのかという思いも出てくるし、2年目に入るJ3での3チームは何か成果はあったのかと思えてきます。CHANTというサイトに、1年前のこれらの事について詳しく書かれています。もう一度1年前はどうだったのか検証してみましょう。以下、抜粋して紹介。

【セカンドチームとサテライトチームそれぞれの強化と地方クラブの壁:CHANT】
 6年前のサテライトリーグは、J1全チームの強制参加だったが、練習試合の内容で本格的な強化に繋がることを疑問視した声や、遠征費にかかる経費の負担の大きさなども問題となり、日程調整の厳しさなどもあった事で'09年に消滅。'16年からJ1の9チームが参戦する形でサテライトリーグが復活。問題とされた遠征費用をおさえるために、トップチームがリーグで対戦する対戦相手と次の日にサテライトリーグが組まれる日程も多く、それによって遠征費を削減するように工夫。
 勝敗に関係する控え組中心のプロ同士の試合が行われることになり、今までの練習試合よりも強化に繋がりやすい場になると期待。負傷明けの選手などの回復具合を試す場としてや感覚を取り戻す場所としても活用できるため、サテライトリーグがあるというのは控え選手たちや怪我明けの選手たちのアピールできる場所と期待。
〔地方クラブの強化の難しさ〕
 関東や関西には複数のチームが密集。様々なカテゴリのチームと常日頃から練習試合を定期的に組むことができる環境は強化のためには大きなプラス要因。実力あるチームと練習試合をしてチームのチームメイト以外と実戦として練習を行うことで、様々な強化に繋がる機会となっていたはず。
 しかし、地方クラブはそういった相手を見つけることすら難しい状況で、チームの紅白戦が質が一番高いものとなり、自らのチームのユースチームとの練習試合などを組むことが多くなる傾向。地方のクラブでは近隣に対戦チームがない場合には、サテライトリーグに参入すると遠征費がかかることとなり負担が大きくなることから、トップチーム以外の強化という面の環境を得られないままの状態が継続。
 クラブ格差が生まれてしまい、サテライトリーグやJ3に参入するよりはトップチームの選手獲得にお金を使いたいというのが第一になり、強化資金にもチーム規模にも余裕がないチームが多く在るという現状。若手選手をより早く育てることで戦力となる可能性も秘めつつ、選手が成長し、契約違約金や育成費などを収入として得ることができ、強化費収入という形でチームに貢献。言い訳やないものねだりをするのではなく、独自の強化プランを持って地方クラブは進まなくてはならない現状。
〔J-22から学ぶ強化の意味〕
 J3発足の3年前に誕生したJ-22。結果として強化に直接的に繋がったとは言い難い結果。寄せ集めの選手たちはなかなか自分の能力を発揮できず、連携も難しく、敗戦の連続。若手選手達の個を伸ばし経験を積ませるという断続的な育成強化にはならず、J-22で結果を出してもすぐにトップチームに反映されるような事は無し。参加費として各チームは選手1人につき35,000円の負担で参加させたが、強化として成り立っていたかどうかは疑問。その結果、2015年で廃止。
CHANT該当記事:http://chantsoccer.com/posts/953
 
 という内容でした。去年の内容と比較したら、チーム数が9から5に激減したという結果は、何となく高い理念だったのに、肝心のJクラブが乗ってこなかった。特に地方クラブはそれどころではないという状況が浮かび上がってきました。昨季から今季にかけてサテライトに参加しないチームは、鹿島・川崎・横浜FM・名古屋・神戸の5チーム。明らかにJ1(J2)優勝を狙うところばかり。ここで一つ思い起こせるのが、村井チェアマンが「大競争時代」と称した、チーム配分金の格差化。ご存じのとおり、今季J1優勝チームは最高21.5億円という高額賞金を手にします。この5チームは「若手の育成どころじゃないぞ、徹底的に補強しろ」という考え方にシフトしたのではないでしょうか。そうであれば、Jリーグの育成強化と大競争時代という2つの要因がかみ合わず、サテライトリーグの弱体化につながっていったのではないでしょうか。
 このままでは、サテライトリーグはあと1、2年で'09年と同じく休止するのでは。Jリーグ公式HPに右コンテンツだったか、サテライトリーグのバナーが貼られていたと思いますが、今季は無いです。Jリーグ自体がそういう方向に進み始めたのでは。当ブログの理想的な育成体制は、J1柏の「アライアンス」方式です。これが理想だし、実際柏は毎年安定して、トップチームに供給できています。最後にちょっと読者の皆さんに見て欲しいデータがあります。23日の山陽新聞に出ていたJ1チームの選手名鑑です。その中の選手の「前所属」が地元ユース等出身の選手数です。

 札幌:5人、仙台:2人、鹿島:6人、浦和:1人、大宮:7人、柏:9人、FC東京:6人、川崎:3人、横浜FM:2人
 甲府:0人、新潟:2人、清水:2人、磐田:3人、G大阪:12人、C大阪:17人、神戸:8人、広島:6人、鳥栖:2人

  この数字は直接トップチームに昇格し、開幕を迎えた選手なので、間に移籍が挟まれている場合もあるし、地元ユース出身でカウントしたらもっとその数は増えます。ガンバさんやセレッソさんが特に数が多いですが、これはJ3にU-23チームとして参加しているのもあるのでしょう。こうして見ると柏はそういうのに参加していないのに、供給数が多く、いかに自前で育成クラブとして熟成されているかがわかります。「J1にふさわしいクラブ」という言葉がありますが、この部分も必須だと思います。つまり、「育成クラブ」としての要素がなければJ1に昇格すべきでないと。湘南さんはその辺りがわかっているから続けてサテライトリーグに参加するのでしょう。
Jクラブセカンドチーム関連⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160211
   〃             ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151216
   〃             ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151119
   〃             ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151112
   〃             ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151007
   〃             ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150911

   〃             ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121124

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