kasaruの今日も有り難う

僧侶歴46年。講演依頼受付中
サルコイドーシス・バセドウ病の旦那
岡山へ就職長男23歳
アペール症候群次男19歳

本当の「いただきます」

2008-10-24 | Weblog
人は産まれた時から無意識に食を始めています。

現在のような3食が主体の食事体系は、

室町時代以降と言われています。(学説は色々ありますが・・)

畳の文化もこの頃のようです。

肉食動物、草食動物、固定せずオールマイティーな動物、

生き物は何らかの生き物を食して生きています。

最近はバイオ技術の発展で自生のものではなく

人工的に作り出すことができ、

所や季節を選ばず食べ物を作り出すことができていますが、

それでも核となる生き物はあるわけですね?!

その際「いただきます」「御馳走様」の気持ちを表し、

手を合わせ感謝していただく習慣は、

何ものにも変え難い素晴らしい教育だと思っています。

近頃は「いただきます」ということを宗教的儀式だと

勘違いもはなはなだしい大人によって、

給食時に「いただきます」「御馳走様」をさせない

学校も出てきているとか・・・

キチンとした教育を受けていな証拠です。

本来の「いただきます」を皆さん御存知ですか?

『徹子の部屋』に出た永六輔氏も言っていましたが、

「貴方の命を私の命の為にいただきます。」

この言葉が本当の「いただきます」なのです。

相手の命の為に自分の命を捧げることは考えられません。

中には替わってやれるものなら・・・

そんな思いで授ける命もあります。

自分の命と引き換えに命を救うこともあります。

しかし、普段何気ない人生の中で、

自らの命を差し出し別の命を長らえさせる行為をしてはいません。

そんな自分でさえやれない行為を、

私以外のものが私の命の為に命をくれていることを、

一瞬たりとも忘れてはいけないのだと思います。

簡単に言ってしまえる「いただきます」の言葉の中には、

多くの命が私を支えてくれているということを

もう一度確認したいものです。

『食事のお残しは許しませんえ』

アニメ番組の中に登場する食堂のおばちゃんのセリフです。

私自身産み出すことの出来ない生命維持のものたちを、

多くの手によっていただく有り難さを、

噛みしめながら、腹6分目、

頂くものを喜んで楽しく食すること、

今この食が私を支え、10年後の自分を育てていることを

感じながら頂いて下さい。


我が家で頂く食前・食後の言葉

「身光のもと 我今幸いに この清き食を受く 頂きます」

「我今この清き食を終わりて 
         心豊かに力身に満つ 御馳走様でした」

色々な宗派で素敵な言葉があります。

自分の心に響く食前・後の言葉を見つけてみて下さい。