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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「週刊新潮」で、『テンペスト』映画化についてコメント

2011年12月22日 | メディアでのコメント・論評

仲間由紀恵が胸を張る
二番煎じ「テンペスト」


「舞台、テレビ、そして映画と1年以上もこの役を演じてきた……」と胸を張って答えたのは仲間由紀恵(32)。

12月15日に行われた映画『劇場版テンペスト3D』ジャパンプレミアでの一幕。

琉球王朝を描いた池上永一の同名小説は、まずは2月に舞台化、7月にはNHKのBSプレミアムでドラマ化、そして今度は映画化、といずれも沖縄出身の仲間主演で演じられてきた。

「ドラマが大好きだったので試写を見たけど、NHKの使い回しで、がっかりした」(テンペストファン)

そう、NHKで放送された全10話を2時間半にまとめた『劇場版』なのである。

「単に短くまとめただけではありません!」と語気を強めるのは配給の角川書店である。

「3D化して、ドラマでは使用しなかった映像も使っているんです!」

つまり、新たに撮った映像はないということである。

「イージー過ぎる。3Dは映画のシステム上の話でストーリーとは関係ない」とは映画評論家の北川れい子氏だ。

「新撮がないなら、ドラマのダイジェスト版ってことですよ」

だが、ある意味で画期的というのは上智大の碓井広義教授(メディア論)だ。

「これまで貪欲な民放ですら、ドラマを縮尺して映画館で上映しようとはしなかった。詐欺だ、っていわれかねないから」

もちろん、NHKは角川に映像を貸しただけである。だがもともと、NHKは妙な放送の仕方をしていた。BSでスタートした「テンペスト」の第1話のみを総合で再放送したのである。

「続きはBSで見てねってことですよね。そのBSドラマを今度は映画化。二番煎じというか、出がらしとでもいうか……」(碓井教授)


沖縄返還40周年に合わせ来年1月の公開である。

(週刊新潮 2011.12.29号)

今週の「読んで(書評を)書いた本」 2011.12.21

2011年12月21日 | 書評した本たち

今週の「読んで(書評を)書いた本」は、以下の通りです。


麻生 幾 『外事警察 CODE:ジャスミン』 NHK出版 

三島邦弘 『計画と無計画のあいだ』 河出書房新社

白川浩司 『オンリー・イエスタデイ1989』 小学館

吉本隆明・江藤淳 『文学と非文学の倫理』 中央公論新社

宮崎 駿 『本へのとびら―岩波少年文庫を語る』 岩波新書

立石泰則 『さよなら!僕らのソニー』 文春新書


* 上記の本の書評は、『週刊新潮』(12月22日号)
  に掲載されました。



<予告> 今週末の「広告の番組」に出演します

2011年12月21日 | テレビ・ラジオ・メディア

今週末24日(土)、テレビ東京「広告の番組」にゲスト出演します。

放送は、昼12時05分~12時25分。

テレビ東京系全国ネット。

まだ収録していませんが(笑)、「この1年の広告を振り返る」といった内容になる予定です。

ぜひ、ご覧下さい。



<このブログでの関連記事>

テレ東らしい意欲的な新番組「広告の番組」
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/733546c5a9a4e4fb64a5ad4798f8656e

TBS「私の何がイケないの?」は何がイケない!?

2011年12月20日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載中の番組時評「TV 見るべきものは!!」。

今週の掲載分では、TBS「私の何がイケないの?」を取り上げました。


有田司会の深夜バラエティーは
ダメ女を見せ物にする悪趣味な番組


TBS「私の何がイケないの?」は、くりぃむしちゅーの有田哲平が司会を務める深夜バラエティだ。

キャッチコピーは「不幸な女を幸せに導く恋愛コンサル番組」。

相談者の日常をVTRで見せ、スタジオでコンサルタントチームが本人にダメ出しするというもの。

先週は倖田來未の妹、misonoが登場した。

VTRの中の彼女は1時間で38着もの洋服を買いまくり、友人の夕食会に乱入して食べ残しをパクつく。

恋愛に関しても「同じ相手と1年続かない」とか、「違った相手の子どもを産みたい」とか言いたい放題。

コンサルたちからは「他人への配慮がなさ過ぎ」「ただのアニマル女」といった指摘があった。

要するにこの番組、一種のSMショーなのだ。

相談者は「これが普段の私」と言いつつ、カメラが回っている以上「ダメさ加減」をちゃんと自己演出している。コンサルたちも役割として必要以上に居丈高な発言を連発。

一見、古代ローマの円形闘技場に引き出された弱い剣闘士を眺めているようだが、実際は双方が自分の見せ場を作っているにすぎない。

そんな中、ゲストの土田晃之がmisonoを指して「ただ寂しいだけのひと」と発言したのがリアルだった。その通りだと思う。

misonoには、「芸能界という就職先があって良かったね」と言うしかない。

(日刊ゲンダイ 2011.12.19)

あらためて、朝日新聞の「回顧2011 放送」を読む

2011年12月20日 | メディアでのコメント・論評

あらためて、朝日新聞の「回顧2011 放送」の記事全文を転載しておきます。

日大の中町さん、そして丸山タケシさんが選んだ3本も興味深いです。


絆問う再生の物語続々〈回顧2011・放送〉


■書き下ろし充実 高画質生かした映像

日本テレビ系で放送中のドラマ「家政婦のミタ」が快進撃を続けている。19.5%で滑り出した視聴率は、11月末に今年の連続ドラマ最高の29.6%に(いずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)。松嶋菜々子演じる家政婦・三田灯のせりふ「承知しました」は流行語になった。

松嶋の仏頂面、「業務命令」なら何でもする怖いもの見たさ、彼女の過去を先送りにする構成の妙があいまっての人気だろう。三田が働くのは、母親の自殺で崩壊寸前の家庭。その姿が、東日本大震災後の迷走する日本にどこか重なる。

震災以来、「絆」という言葉がどれほど語られたか。各局が心血を注ぐ震災ドキュメンタリーに限らない。ドラマでも、絆の最小単位である家族が関心を集めたことはうなずける。

たとえば、フジテレビ系の「マルモのおきて」。芦田愛菜と鈴木福が演じる双子を引き取ったのは、父親の親友である独身男(阿部サダヲ)だ。一般的な意味の家族と違うが、描かれるのは家族の愛情そのもの。我が子への虐待事件が絶えぬ中、血縁が規定する家族観へのアンチテーゼに映る。

高年齢出産をテーマにした「生まれる。」(TBS系)、代理出産を扱った「マドンナ・ヴェルデ」(NHK)も話題を呼んだ。

絆や生きる意味を問いかけた作品は、家族ものに限らない。幕末にタイムスリップした現代の医師が奮闘する「JIN―仁―」(TBS系)は、人間の存在を掘り下げる壮大な歴史ロマン。死者が残したメッセージを読み解く異色の刑事ドラマ「遺留捜査」(テレビ朝日系)も、絆を確認する物語だった。

フジテレビ系の「それでも、生きてゆく」は、殺人事件の被害者家族と加害者家族の関係という、重いテーマに挑んだ。坂元裕二の脚本、永山耕三の演出、小田和正の主題歌は、「東京ラブストーリー」(1991年)と同じ顔ぶれ。20年を経て彼らが世に問うたのは、虚飾をそいで人間の深奥へ沈みゆく旅だ。

光と闇の対比で心象風景を描く場面が印象に残る。高画質のデジタル放送ならではの映像表現だろう。その意味で、7月24日に地上波放送が完全デジタル化(被災地3県を除く)された年にふさわしい。

注目すべきは、こうした話題作の多くが、書き下ろしの脚本だったこと。テレビの担い手が意地と誇りを作品に刻んだ年としても記憶されるだろう。

日本民間放送連盟賞のテレビドラマ部門で、テレビ東京系の「鈴木先生」が最優秀賞を受けた。意欲的な社会派ドラマ枠の3作目だが、視聴率低迷で枠そのものが4作目までで衣替えしたのは残念だった。

NHKは会長人事を巡る混乱の末、1月にJR東海出身の松本正之氏が新会長に。4月にはJFEホールディングス相談役の数土文夫氏が経営委員長に就いた。

新体制下で10月、来年度から3カ年の経営計画をまとめ、現行の受信料制度になってから初めての値下げを決めた。来秋から口座・クレジット支払いで月額120円値下げする。還元率は7.6%で、公約の10%は果たせなかった。

一方、肝心の公共放送のあり方は議論が深まらなかった。通信と放送の融合は急速に進む。時代に即した将来像の構築が急がれる。(星野学)
 
■私の3点 ※選者50音順(敬称略)

碓井広義(上智大教授・メディア論)
▼ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月」(NHK・Eテレ)(1)
▼NNNドキュメント’11「夢は刈られて 大潟村・モデル農村の40年」(秋田放送)(2)
▼「鈴木先生」(テレビ東京系)(3)
(1)原発関連の調査報道の白眉(はく・び)、(2)ビジョン不在の農政と農業の危機に迫った秀作、(3)生徒の悪意や教師の心の奥を描いた意欲作

    ◇
中町綾子(日大教授・テレビドラマ表現分析)
▼「デカワンコ」(日本テレビ系)(1)
▼「それでも、生きてゆく」(フジテレビ系)(2)
▼「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界“」(NHK・BSプレミアム)(3)
(1)(2)(3)仲間と働くこと、消せない過去にもがき生きること、ドラマをつくること。それらの中に(も)ある希望と温(ぬく)もりが心に響く3本
    ◇
丸山タケシ(テレビ評論家)
▼NNNドキュメント’11「それでも生きる 大震災…終わらない日々」(日本テレビ系)(1)
▼「家政婦のミタ」(日本テレビ系)(2)
▼「南極大陸」(TBS系)(3)
(1)3・11で私たちの価値観は大きく変化、(2)(3)ドラマは壮大な昭和の夢もいいが、夢も希望もない暮らしに一筋の光がさす内容に脚光が

(朝日新聞 2011.12.17)

金正日総書記死去とテレビ報道

2011年12月19日 | テレビ・ラジオ・メディア

北朝鮮の朝鮮中央テレビと朝鮮中央放送、平壌放送は19日正午からの「特別放送」で、最高指導者の金正日総書記が死去したと報じた。

午後2時半現在、日本のテレビ各局はこんな放送を行っている・・・・


NHK~ニュース枠拡大で報道

日本テレビ~「ミヤネ屋」の枠中でこの件を報道

TBS~ドラマ「西村京太郎サスペンス十津川警部シリーズ」再放送中

フジテレビ~報道特番

テレビ朝日~ドラマ「その男、副署長」再放送中

テレビ東京~映画「ロボコップ」放送中



・・・・これだけの違い、温度差、認識のズレがあるわけです。

『朝日新聞』の「回顧2011 放送」で選んだ3番組

2011年12月19日 | メディアでのコメント・論評

今年も残りは10日ほどになってきました。

新聞や雑誌で、この1年を振り返る記事が目につきます。

『朝日新聞』も、各ジャンル別に「回顧2011」を掲載しています。

「放送」に関する回顧で、今年放送された中から3つの番組を選び、「私の3点」として挙げさせていただきました。



ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月」(NHK・Eテレ)

 原発関連の調査報道の白眉(はくび)。


NNNドキュメント「夢は刈られて 大潟村・モデル農村の40年」(秋田放送)

 ビジョン不在の農政と農業の危機に迫った秀作。


「鈴木先生」(テレビ東京系)

 生徒の悪意や教師の心の奥をも描いた意欲作。

(朝日新聞 2011.12.17)



私の他に、日大教授の中町綾子さん、テレビ評論家の丸山タケシさんが、同じく3点を選んでいらっしゃいます。

IMAXで『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

2011年12月18日 | 映画・ビデオ・映像

札幌ファクトリーの中にある「札幌シネマフロンティア」へ。

このシネコンにはIMAXシアターが入っているのだ。

しかも、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』を上映している。

いやあ、IMAXでこれを観たのは正しい選択でした(笑)。

なんてったって映像と音の迫力が違います。

特に空撮で街の上空を移動していく映像では、まんま空を飛んでいる臨場感が味わえる。

例のドバイの超高層ビル<ブルジュ・ハリファ>のシーンもよかった。

「本当にトム・クルーズが自分でやってるの?」と心配しちゃうくらい(笑)。

実写の強さがIMAXで倍加されている感じだ。

ロシアでのクレムリン大爆破も見事だった。

実際に「赤の広場」に立ったことがあるけど、あそこから見た建物が本当にぶっ飛んだかのようだ。

そうそう、アイテムとしてはBMWとアップルが印象的。

BMWのディーゼル・ハイブリッド・スポーツカー「ビジョン・エフィシエント・ダイナミクス」が、まあカッコいいこと。

ipadも、「こんな使い方が」という場面で大活躍してました(笑)。






札幌で2局3番組

2011年12月17日 | テレビ・ラジオ・メディア

①HTB「イチオシ!モーニング」。


スタジオにクリスマスツリーが。


KARAの衣装(本物)と芸能コーナー担当の河野真也さん。


MCの谷口アナ、石沢アナと。

私が着ているベストは、千歳「柳ばし」のお母さんの手編みです。





②UHB「のりゆきのトークDE北海道」




なぜか踊る!(笑)某ディレクター。





昼飯は、まる山の「鴨せいろ」。いい加減に、飽きろ!(笑)


③HTB「イチオシ!」。


MCのヒロさん、森さやかアナ、ニュース担当の佐藤よしつぐアナ。



森さんと恐竜型ロボット「プレオ」。





札幌で「ハナタレナックス」を見たら・・・

2011年12月17日 | テレビ・ラジオ・メディア

北海道に来たら、北海道でしか見られない番組を見る。

で、HTB「ハナタレナックス」を見たら、そこに「イチオシ!モーニング」でお天気情報を担当している、タレントの木村愛里さんを発見。

「バラエティ初出演」なのだそうだ。

おめでとう!(笑)





大江麻理子アナは、テレ東のジャンヌ・ダルク!?

2011年12月16日 | メディアでのコメント・論評

発売中の『週刊新潮』最新号に、テレ東の大江麻理子アナに関する記事が掲載されている。

女子アナランキングで堂々の4位!というメデタイお話で(笑)、私もコメントしております。


女子アナ
ランキングに
「大江麻理子の乱」


全国の10代~40代の男女会員1000人を対象に調査される「好きな女性アナウンサー」(オリコン)が今年も発表された。

1位はカトパンことフジの加藤綾子(26)。2位は日テレを退社しフリーとなった西尾由佳理(34)。3位はフジ・生野陽子(27)。

そして4位に入ったのがテレ東の大江麻理子(33)。福岡県出身のフェリス女学院卒。01年にテレ東に入社した大江アナは昨年、入社10年目にして5位にランクインしている。

今回どういうわけか初めて8位に入った、あの高橋真麻(30・フジ)の例に鑑みても、2年連続、しかも順位アップとなれば、人気は本物だ!

アカデミズム界随一の大江ファンを自任する上智大学の碓井広義教授(56・メディア論)は、「ようやく中高年男性のみならず、若い世代にもファン層が広がった。下剋上の女子アナ界にあって、弱小テレ東の大江アナは、旗を振りつつ突っ込んでいくジャンヌ・ダルクのよう」

大江の乱・・・か。ともあれ、大江アナの魅力とは?

「ニュースはむろん、選挙特番、五輪中継までそつなくこなしつつも、バラエティでのボケは作り物でない。この不安な時代に大江アナはなんともいえない安らぎを与えてくれる」


女子アナウォッチャーの上杉純也氏は、「アナウンス力、美貌とも民放ではテレ東が一番レベルが高いとはよくいわれています。なかでも大江さんは33歳だけど綺麗。

池上彰、愛川欽也の相手もできて、『モヤモヤさま~ず2』では大股開き、嫌みのない隙を見せる。あの口説けそうな感じがいい。といって、浮いた噂もないので女性から嫌われる要素もない」

1人でも頑張れ、大江!

(週刊新潮 2011.12.22号)


・・・・気がつけば、大江アナの出演番組は、『アド街』、『モヤさま』、さらに『週刊ニュース新書』まで見ている(笑)。

いずれも、視聴者や共演者に対するヘンな自己主張や、ヘンな媚びがないのがいい。

ほどよい知的雰囲気とユーモア。独特の品も貴重。

十分マイペースなのに、番組をなめらかに進行させている。

お見事です(笑)。




明日(金)の番組出演

2011年12月15日 | テレビ・ラジオ・メディア

例によって、夕方までの授業が終わり、羽田に移動し、そして札幌へ。

夜の札幌は、気温マイナス5度。

いやあ、シャキっとして、気持ちいい(笑)。


明日(金)のコメンテーター出演は、いつもの3番組です。

朝6時25分~
HTB「イチオシ!モーニング」

9時55分~
UHB「のりゆきのトークDE北海道」

15時45分~
HTB「イチオシ!」






映画「いちご白書」との再会

2011年12月15日 | 「東京新聞」に連載したコラム

『東京新聞』に連載中のコラム「言いたい放談」。

今回は、映画「いちご白書」のニュープリント・デジタルリマスター版を観たことから始まります。


「いちご白書」から40年

新宿の映画館で「いちご白書」のニュープリント・デジタルリマスター版を観た。一九七〇年の作品だから、スクリーンでの再会は約四十年ぶりとなる。

キム・ダービーは相変わらず可憐で、こんな女の子がバリケードの中にいたら、つい闘争に参加しちゃう青年がいてもおかしくない。

あらためて、この映画は“時代の空気感”のようなものをフリーズドライしているところに価値があると思った。

公開から五年後の七五年、バンバンが歌った「『いちご白書』をもう一度」がヒットする。

歌詞の中に、それまで無精ひげと髪を伸ばしていた主人公が就職することを決めた時に髪を切り、恋人に「もう若くないさ」とやや自嘲気味に言い訳するシーンがある。

この時代、学生から社会人になるということは、そういう一面も含んでいたのだ。

例年より二ヶ月遅れの今月、大学三年生の就職活動がスタートした。新品のスーツでキャンパスを闊歩する彼らに、就職できるかという不安はあっても、全共闘的葛藤はない。

現代の男子学生で無精ひげや長髪はもともと少数派だし、多くの女子学生も髪の色は既に黒に戻している。

そんな彼らに伝えたいのは、世の中には想像以上に多様な仕事があり、企業が存在するということだ。頭は柔軟に。選択の幅は広く。就職自体が人生の一通過点に過ぎないのだから。

(東京新聞 2011.12.14)








大学の「クリスマス・イルミネーション」始まる

2011年12月14日 | 大学

大学の、新宿通りに面した北門前の風景です。

毎年、この時期になると「クリスマス・イルミネーション」を見ることができる。

今年は節電ブームで、心配していたけど、ちゃんと点灯して、ほっとした。

上智大学は「キリスト教精神を基底」とした大学だが、私はクリスチャンではない。

風貌的には仏教徒だろう(笑)。

クリスチャンではないけど、「クリスマス」も、「クリスマス・イルミネーション」も結構好きです。





嵐とSKE48が気の毒だった「FNS歌謡祭」

2011年12月13日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「TV 見るべきものは!!」。

今週の掲載分では、フジテレビ「FNS歌謡祭」について書きました。


嵐とSKE48が気の毒に思えた
フジ恒例の音楽特番


先週、恒例の「FNS歌謡祭」(フジテレビ)が開催された。司会は高島彩と草なぎ剛で、新旧アーティストのコラボといった趣向を含む、かなり豪華な生放送だった。

ただし音楽番組としての出来はイマイチで、特に出演者への配慮の無さが目についた。

一つは嵐が歌ったパートでの音響の不具合。マイクの音量やバックの演奏とのバランス調整などが乱雑で、放送事故かと思ったほどだ。

この状態で歌わされた嵐がかわいそうだった。

かわいそうと言えばもう一組、「オキドキ」を披露したSKE48の扱いもひどい。なんと曲の始まりから終りまで画面の切り替え一切なし。

まるで駐車場の監視カメラのような上からのフィックス(固定)で、引き(広い画角)の映像のみ。彼女たちのフルショット(全身)も、アップの表情も見せなかったのだ。

直前のKARAまでは、映像を見る限り最低でも5台のカメラを駆使していた。

ならばクレーン以外のカメラが同時に全部故障? スイッチング・システムのトラブル?

いや、次のAKB48「風は吹いている」になったら、また複数カメラのスイッチングに戻った。

SKEのワンカメショーは演出だったことになる。一体何を狙ったのか。

すべての出演者が最高のパフォーマンスを見せられるようにするのは音楽番組の基本中の基本だ。その意味で実に残念な超大型音楽特番だった。

(日刊ゲンダイ 2011.12.12)