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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

カンフー・ダンクとスラムダンク

2008年08月18日 | 映画・ビデオ・映像
昨日は涼しかった。25度であれだけ涼しい。

夏休みなのに、連日朝から学校に行き、普段と変わらずバスケットの練習をしている我が家の中学生によれば、「涼しかったから外周を走るのが楽だった」とのこと。外周とはキャンパスを周回するアップダウンのある1キロの道で、これを、日々何本も走っているらしいのだ。

そんな、現在「バスケ命」みたいな息子の練習帰りを待って、シネコンへ。二人で映画『カンフー・ダンク!』を見た。

『少林サッカー』以来、このテの「少林寺・カンフー×スポーツ」物は結構見ているのだが、ついにバスケだ。バスケも多少はキテいるのか、今、『俺たちダンクシューター』なんてのも上映されている。

『カンフー・ダンク!』というタイトルから、フツーの人が、フツーに想像する内容と、実際に見た内容は、ほぼ同じだと思う。カンフーでダンクシュート。そのままじゃん、って、いや、悪くはないんだ。それなりに楽しめます。

主演のジェイ・チョウ君は、いわゆる二枚目系とは違うけど、魅力ある青年だし。映画の中では、作家の平野啓一郎さんのデビュー当時の顔に、ちょっと似てたりして。『少林サッカー』の俳優陣も何人か参加。バスケコートで暴れてくれる。

しかしながら、見終わって館内から出てきたとき、息子が言ったのは「あ~、面白かったねえ。でも、な~んにも残んないねえ(笑)」だった。私も同感。

ワイヤーアクションによって、雑技団的プレイ、曲芸的シュートを見せてくれるのだが、ゴールに向かってジャンプして、空中でボールを股くぐり(?)させたり、腰のまわりを一周させたりしてからダンク!なんてのが、映画の中で「見せ場」として出てくる。「でも、アメリカのプロ選手たちは、普通にやっちゃってるんだよ、ワイヤー無しで」と息子。

えーと、たぶん、バスケっていうスポーツが、サッカーなどに比べて狭いコートが舞台であること、それと、競技に関する細かいルールがいっぱいあって、『少林サッカー』みたいに自由奔放な演出がしづらいのだと思う。もっと面白くできそうなんだけどなあ・・・。


そういえば、元々、息子は中学生になったらテニス部に入るつもりだった。小学校時代から続けてきたので当然だと思っていたようだ。ところが、入部申請直前に、井上雄彦さんの漫画『スラムダンク』に出会ってしまう。で、感動。で、バスケ部。まったく単純な男なのだ。

その『スラムダンク』だが、当時、息子を追うようにして読んでみたら、まあ、面白いこと。桜木花道はもちろん、赤木も、三井も、流川も、チームのみんなが、それぞれに個性的で、愛すべき奴等だし、試合場面の迫力、緊張感、そしてユーモアがたまらない。

『カンフー・ダンク!』から帰ってきて、さっそく本棚の『スラムダンク』を取り出してしまった。これ、読み出すと、途中で止まらなくなり、全巻読み返すことになるので、要注意だ。

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