goo blog サービス終了のお知らせ 

碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

忘れていたこと、見えなくなっていたこと

2008年08月10日 | 映画・ビデオ・映像
昨日は、この夏2回目のオープンキャンパスで、来場者1200人。前回から、メディア学部は独自の「レクチャー・ラリー(レクラリ)」を展開している。これは、教員の講義の予告編となる「講義ライブ」、演習科目を体験できる「演習パフォーマンス」、卒業研究を紹介する「卒研トライアル」などを一巡りしてもらうものだ。

私は『映像で「伝える」ということ』と題した講義ライブを行う。「映像で語る」と言い換えてもいい。高校生たちに、文章とはまた違う映像の特性について話をした。

オープンキャンパス終了後、京都から大学生が来訪。昨年から行われている「メディア・キャンプ」という合宿形式の映像セミナーがある。その実行委員会のメンバーが、この夏、京都で開催する内容について、相談にやってきたのだ。

ペンと紙、絵筆とキャンバスに比べたら、カメラはかなり不自由な「表現手段」なのだが、「映像で伝える」「映像で語る」ことは、不自由の自由というか、そこには独自の難しさと面白さがある。

京都から八王子キャンパスまで、高速バスを使って来てくれた学生2人に、考えられる限りのアドバイスをさせてもらった。


そして、ポニョだ。気になっていた『崖の上のポニョ』。ようやく見ることができた。

中学生である息子は不満足という感想だったが、大人には大人の見方があるようだ。それは、ポニョや宗介に、自分や我が子の幼少時代を重ねて見られるせいかもしれない。ポニョは娘の、宗介は息子の、それぞれの5歳の頃とそっくりだ。きっと、親はみんな、そう感じるはず。

物語全体や、個々のエピソードに、宮崎監督が託したものを探しながら(解読しながら)見ようとすると、多分、疲れる。それは、見終わってから、ゆっくり、じっくり考えればいいのだ。

ひたすら5歳の彼らを追いかけているうちに、普段、自分が忘れていたこと、見えなくなっていたことが、ぽっと胸の内に広がってきた。それだけで、もう十分(?)だったりする。

宮崎駿監督作品マイベスト、好きな順でいえば・・・

1.となりのトトロ
2.風の谷のナウシカ
3.千と千尋の神隠し
4.崖の上のポニョ
5.もののけ姫

ということになるかもしれない。ポニョ、いきなりの4位じゃん。

そうそう、映画の中に出てくるポニョの「いもうとたち」。ミニ・ポニョみたいなのが大群というか大量にいるんだけれど、その顔が、漫画家の倉田真由美(くらたま)さんが「だめんず・うぉーかー」で描く彼女の自画像に似ていて、上映中、思わず笑いそうになった。ぜひ、劇場でご確認のほどを。

dankai (団塊) パンチ 2008年 08月号 [雑誌]

飛鳥新社

このアイテムの詳細を見る