明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

エルエルさんは船の上

2007-10-20 00:59:29 | 
彼の会社は40周年か何かで、社員旅行をするという。
今日から1泊。

なんと、横浜港から神戸港までのクルージング!
タイタニックみたいなもんだ。
あれの、もっと庶民的なちっちゃいやつ。
24時間、船中で過ごすらしい。

パンフレットを見せてもらって気になったのが、ご飯。
モーニングコーヒー⇒朝食⇒朝寝坊した人用の朝食⇒昼食⇒アフタヌーンティー⇒夕食と、とにかく1日中、食ってる。もちろんタダ。
いいなー。
バーもあって、夜は飲める。
カジノもあるらしい。
2泊以上する人は、美容院、エステなんかもあって。

わざわざ横浜まで新幹線で行って、24時間もかけて船で神戸まで帰って来るという、この「無駄」な企画が、逆に「贅沢」な気がするのは、私だけ?
経験したことないので、一回やってみたい。

ちゃんとドレスコードもあるのだ。
フォーマルまではいかないけど、カジュアルではダメらしい。
襟付きのシャツ、ジャケット、革靴が必要。

それで、この間の休みに、彼のプチ・フォーマル衣装を買いに行った。
ちなみに、彼の服のセンスは、ちょっと・・・困る。
私が思うに、80年代後半のチンピラみたいなのが「カッコイイ」と思うみたいだ。
たまに、ぎょっとする。
なので、いつも誕生日にTシャツをあげている。
ポール・スミスとかタケオ・キクチのとかなので、それなりにいい。

このときも、無難な黒のジャケットを選んでいたのだが、
店員さんが何着か見せてくれた中に1着、裏地が柄物のがあった。
私は「うわ、チンピラっぽい」と思ったが、「あー、絶対コレって言うぞ・・・」と思って様子を伺っていたら、案の定言った。

「コレにする!気に入った!

あーあ。
なんでこう、チンピラっぽいのが好きなんだろう?
穏やかに見えて、意外に精神はハードボイルドな人なのだ。
前も書いたけど、持ってるマンガは全部、学ランにリーゼントみたいな「不良」が出てきて、ケンカばっかりやってる。
「これが男の意地だー!」みたいな(笑)。
彼なりの男の美学があるようだ。

そんな彼なので、その裏地がチンピラ風のジャケットをまずは購入。
ただ、表地は普通の黒だし、安っぽくはなかったのでOK。
勧めてくれた店員のおにいちゃんがめっちゃいい人だったので、ワケを話したら、シャツもパンツもネクタイも選んでくれた。

ただ、パンツを試着したとき驚くことが……!
確か出会った頃はスマートで「M」サイズだった彼なのに、今や店員さんにも普通に「L」を用意され、さらに驚くべきことに、それを試着したら……

入らなかった!!

え?

LLですか?

店員さんにLLサイズを持ってきてもらい、履いたらちょうどよかった。
でも、ちょっとスラックスっぽいのを履いて、ジャケットを着たら、どう見てもオッサン!

「どう?」と鏡の前の彼。
「うーん・・・。休日、ゴルフに行くおっちゃん?」と私。

ドレスコードの話をしていたので、ちょっとフォーマルっぽいのを選んでくれたのだが、これが悪かったようだ。
「もう少しカジュアルで、色も濃い目で・・・」と頼んだら、ちょっとステッチが入って、チャコールグレーのを持ってきてくれた。

もちろんサイズは・・・LL。

でも、ゴルフ行くおっさんには見えなかったし、これに決定した。
細めの黒いタイも選んで、白いシャツも選んで、お買い物終了。

なんとか買えて安心したけれど、彼はかなりショックな様子・・・。
「俺、Mやったのに。なんでLL?」と。
いやいや、そのお腹はどう見てもメタボリック一歩手前。
夜中にラーメン食べたり、ポテトチップス食べたり、揚げ物がないとイヤだと言ったりしたじゃないか。
どんなに怒っても注意してもやめなかった。
時には「ほっとけ!」とケンカにまでなった。
途中からあきらめていたけど、ほら、やっぱりね。

ここぞとばかり、意地悪な私は彼を「エルエルさん」と呼ぶことに。
エルエルさんは、さすがにその日からダイエットを始めた。
1週間で1キロくらいは落ちたみたい。
寝る前に腹筋もやってるし、ご飯を出すとまず言うのが「これ、何キロカロリー?」になった。

まだ20代だからねぇ、私としてもやっぱり夫には若くカッコよくいてほしいわけで。
それに、見た目もそうだけど、カロリーとりすぎは体に悪い。
服を買いに行ってよかったと思った。
人間って、現実を突きつけられるってことが大事なんだなぁ。教訓。

そんなわけで、エルエルさんは今頃、船の上。
きっと酒でも飲んでるでしょう。
携帯も使えないのでどうしているか全くわからない。

彼は前日から仕事で東京入りしていたので、結局2泊いない。
私は久しぶりに独身気分を楽しんでいる。

10年も一人暮らししてたら、たまには自分だけのペースで生活したくなるものなのだ。
私は自分で言うのもなんだが、夫に尽くす妻なので、かなり彼のペースに合わせて生活している。
それは楽しいことで、決して苦痛ではない。

例えば、ご飯は真夜中でも彼の帰宅時間に合わせて炊くとか(炊きたてじゃないと嫌がる)、
腐りかけの食材は自分が食べて、新鮮なものや高い肉は彼に食べさせるとか、
眠くても帰りが遅い彼に合わせて2時に寝るとか、
自分のシーツは洗えなくても彼のシーツは優先して洗うとか、
そんな感じの、「どーでもいいこと」なので。
そして、けなげな自分を見て「はー、私ってけなげな妻だわ」と陶酔しているタイプなので、別にいいのだ。不満はない。

ただ、やっぱりたまには一人で生活できると嬉しい。

エルエルさん、何してるかなぁ。
飲みすぎてないかな。
せっかくダイエットしてたのに、帰って来る頃には体重も戻ってるだろうね・・・
お気の毒に・・・

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