ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝虻〟でした!

2023年04月30日 | 俳句

 とうとう4月も終り、明日からは5月に突入ですね。世に言うゴールデンウイークに既に入っているのですが、昨日の雨は結構ヒドかったです。それが今日は東日本の方へ移動したので、こちら西日本は概ね晴れでしたよ。だから昨日の雨に洗われた柿の若葉のナント眩しいこと!このまましばらくはいい日和が続くとうれしいのですが…残念ながら連休後半は雨が降るという予報。まあ、今のところは連休に出かける予定は全くないからいいわと思ったのですが…

 しかし、急にお婆ちゃんが先日の旅行で買った服をどこかへ着て行きたいのに…と残念そうに言いだし、早々に衣装合せなどをしたりされると…これじゃあどこかへ連れていかなくっちゃね…と、主人と話していますが。さて、どうしたものでしょう…人出の多い所や歩かないといけないところはダメだし…ウ~ン、悩んじゃいますよ。

 さて今日は、先日の句会の兼題が〝虻(あぶ)〟でしたので、その時に初めて知った言葉のことでも書きましょうか。

 その句会に出た句は〈虻光る煉瓦の山の駄屋の跡〉。この「駄屋」という言葉…私は見たことがなかったので、一瞬〝下駄屋さんのことかな?〟なんて思いましたが、煉瓦だもの…これ何?と、念のために辞書を引いてみました。

 すると、『精選版 日本国語大辞典』には〝中世の大和で、塩の運送・仲介業者〟とあるではありませんか。でも何だかこの句の意味にはそぐわないような…。そこで、今度は『広辞苑』で引いてみますと、〝(中国地方で)厩舎(うまや)〟と。この意味だったらよく分かります。しかし、それなら〝馬屋〟と書けばいいものを…なんで?と作者に聞くと、子供の頃辺りの農家ではどこでも牛を飼っていて、その小屋を〝だや〟と言っていたのだと。

 この作者が言うには、〝馬屋(まや)も考えたが、それは馬を飼っている小屋で、ここは牛小屋。でも、それでは字余りになって入らないので…〟と。ナルホド!みんなあれこれとよく考えて努力していますね。感心、感心!

 私はこの〝駄〟という語にちょっと興味が湧きました。だってこの字ですぐに思いつくのは、無駄とか駄目とか、または駄作、駄句、駄馬などのマイナスイメージばかりですもの。それ以外なら下駄や足駄、雪駄などの履き物。

 結局〝駄〟という字は、〝馬に荷をのせて送ること。また、のせた荷物〟や〝荷物を運ぶための馬〟などという意味でした。そうすると〝屋〟は建物ですから、その意味が使われた場所によって違ったんですね。中世の大和、今でいえば奈良県あたりでは要するに馬で荷を運ぶ運送業者の家。中国地方では馬(牛)を飼っておく小屋に使ったということ。ナルホドですね。

 私は元々九州人ですから〝馬小屋〟とか〝厩(うまや)〟しか知りません。運送屋さんは何と言ってたんでしょうか。たしか〝馬借(ばしゃく)〟という語を聞いたことがあるような…?

 俳句をしていると、言葉を知らないから…と誰もがよく言います。標準語だけでなく古語や方言などもいれると、知っているものは万分の一…いや、いや、そんなものじゃあないですよね。調べだしたらきりがありませんし、調べても分からない言葉は五万と…いやもっと…無限大かも。その点今はインターネットという便利なものがあってホントに助かります。昔…といっても、せいぜい2、30年前のことですけど、広辞苑じゃ足りず重たい漢和辞典まで引っ張り出して、エンヤコラと探したもんです。それが今や、今や、あっという間ですから。

 それでも追いつきません。本当にきりがないんですもの。時間がもっともっとほしい!そのうちきっと時間切れになるでしょう…というより先に頭が回らなくなるかも…などと不安になったりします。だったら今のうちにもっと頑張らんと!

 今日の写真は…かなりボケてますが、〝おてんぽの花〟です。この〝おてんぽ〟というのはこちらの方言で、母は〝かんからの葉〟と言っていました。地方によっては他にもいろんな言い方があるようですが、本当は「菝葜(サルトリイバラ)」というんですよ。ところが、俳句では「山帰来(サンキライ)」として詠まれています。実は「山帰来」は本来日本にはない植物なんですけどね…似てるので間違われたのでしょうか。

 この葉を見ると、母がいつも5月5日の〝子供の日〟に作ってくれた〝柏餅〟を思い出します。裏山に行ってこれを採ってくるのが子どもたちの役目。そこで若い葉を採ると蒸したときに餅がはがれにくいと、古すぎる葉は固すぎるなどと言われて、ちょうど手ごろな葉を探すのも楽しい想い出です。ああ、もう一度母のあの〝柏餅〟が食べた~い!(+_;)


コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 〝カラスノエンドウ〟と〝ス... | トップ | この連休、一体何してたの? »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (mako)
2023-05-01 06:06:18
おはようございます。

はじめまして。
今日の御記事で思わずコメントをさせていただきたくなりました。
「のいばら」の若葉。
随分昔のことになりますが
母と裏山に摘みに行ったことがありまして。
母は「ガンタチの葉」と言ってました。
棘が危ないので採るのは母でしたが。
確か、小麦粉を丸めてその中に餡を詰めたものをその葉で上下包むような形にして蒸かしていました。
本当は米粉の方が良かったのかも知れませが我が家にそんなものがあるハズもなく。
それでも美味しかったなぁと。
今でも道の駅や和菓子屋さんでみかけたりしますね。
懐かしくてつい買ってしましましたが。
懐かしくてコメントさせていただきました。
失礼しました^^;
返信する
Unknown (ちわき)
2023-05-01 10:03:02
makoさん、始めまして!
コメントありがとうございます。
このサルトリイバラの葉を柏の葉の代わりにした〝柏餅〟を、この時期はあちらこちらでよく見かけますね。
「ガンタチの葉」というのは初めて聞きましたが、お母様はどちらの出身でしょう。
調べてみたら三重県の菰野町で「ガンタチ」と呼ぶようですが、そのあたりなんですか?
私の母は福岡の八女のほうでしたから〝かんからの葉〟と言っていました。
こちら山口県では〝おてんぽ〟と言うんですが、場所によっては〝ほてんど〟とも。
本当にさまざまな言い方で親しまれている餅菓子なんですね。
普通は餅米の粉を捏ねて餡を包んで蒸すという…単純なもの。そこでひっつかないように食べやすいように…と包んだ葉がそれだったんですね。
この葉なら加工しなくてもそのままでちょうど良く、カワイイ形でしたから。またどこでも生えていてすぐに手に入ったし…などと頒布した理由も納得がいきますね。
makoさん、これからもよろしくね。
ちなみに本当のサンキライは、似ているけど棘がなく花の色も違うようですよ。
返信する
Unknown (ミルク)
2023-05-01 13:01:19
こんにちは。
「お婆ちゃんが先日の旅行で買った服をどこかへ着て行きたいのに」
うふふでした。私はこの時期どこにも行きたくないですが
おばあちゃまは、積極的ですね~ すばらしい!

子どものころ、うちも、牛、馬がいましたが マヤと言ってました。
日本語は、やはり奥深いですね~知らない言葉がたくさんです。
返信する
再び (mako)
2023-05-01 20:21:23
こんばんは。

母は四日市の「保々村」の出身のようです。
「保々駅」を利用して母の実家に行き来してました。
菰野町は隣合わせのようですから、
間違いなくその辺りの方言のようですね。
それと、蜘蛛の巣のことを蜘蛛の「へんばり」って言っていたような。
今、ついでに調べてみたら、「四日市市西郷地区方言」と記されていました。
「ガンタチの葉」も「へんばり」も懐かしい響きのある言葉です^^♪
今更ですが些細なことですが知識がひろがりました。ありがとうございました^^。
返信する
Unknown (ちわき)
2023-05-02 21:54:27
ミルクさん、こんばんは!
お返事が遅くなってゴメンナサイね。
お婆ちゃんは本当に元気です。頭も冴えていますよ。これとこれを組み合わせたらどうかねとか、これじゃあちょっとハデかしらとか…コーディネイトを考えるのに余念がありません。だからボケないんでしょうけど。
美容院だって毎月一回行って、パーマを掛けてくるのよ。
〝お婆ちゃんスゴいね!私なんかパーマは年に3回ぐらいのものよ〟なんて言ったら〝だって私の髪はパーマ掛けなかったらぺちゃんとなって…見苦しいったらありゃしないだから〟と、…
これ102歳の人が言う言葉じゃないでしょう。おどろきもものきさんしょのきですよね。
連休の間、肩と膝をムリしないようにね。
返信する
Unknown (ちわき)
2023-05-02 22:03:35
makoさん、こんばんは!
せっかくコメントしてくださったのにお返事遅くなってゴメンなさい!
やっぱり当っていたんですね。
言葉だけでなく地方色のある食べ物や行事など…子供の頃に親しんだものというのは忘れられませんよね。
アクセントだけでも…アッ、この人〇〇出身ではないかしらと…初対面の人なのに親近感を持ちますもの。
mikoさんのお母様はまだご健在ですか?もしそうなら大事になさって下さいね。
返信する
チョイと主旨とは違いますが・・・ (縄文人)
2023-05-05 06:40:35
ぐいぐいと~読み進んでいくと、
≫≫≫
たしか〝馬借(ばしゃく)〟という語を聞いたことがあるような…?
馬借(ばしゃく)???
アッツそうだ「泣いて馬借を切る」成る言葉を思い出した。
そこで検索してみると、とんだ思い違いでした。
  正しくは~~「泣いて馬謖を斬る」

  「馬謖」   https://kotobank.jp/word/%E9%A6%AC%E8%AC%96-114291

横道にそれてしまった、御免!!
返信する
Unknown (ちわき)
2023-05-07 08:58:23
縄文人さん、お早うございます!
ゴールデンウイークはいかがでしたか?
私は何をしたかわからないまま…ブログも更新せずに終りです。
〝馬借〟と〝馬謖〟…何となく似ていますね。
でも意味は…縄文人さんはきっと〝三国志〟などよく読んで中国のお話をよく知っていらっしゃるんでしょう。
そういう言葉がさっと閃くんですから。まだまだ頭が冴えていらっしゃる!
返信する

コメントを投稿

俳句」カテゴリの最新記事