ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝熱燗〟

2018年11月26日 | 俳句

 今日は何となくハッキリしない天気…日が差してきたので洗濯をしようと思うと陰ってきて、止めたと思ったらまた日が差してきて…。結局せずに午後からの俳句教室へ。最高気温17度…まあ穏やかな日でした。

 今月の兼題は〝熱燗〟、冬の季語です。「燗」は、酒をほどよく温めること。普通は人肌に温めるのがよいと言われますが、「熱燗」になるとそれ以上に…時には摂氏70度前後まで熱くすることもあるらしい。

  熱燗に焼きたる舌を出しけり    高浜虚子

 これなど読むと相当熱い燗酒ですね。〈酒もすき餅もすきなり今朝の春〉という句もあるように、虚子は酒が大好きな人だったようです。舌が焼けるほどの熱い酒を飲んで、その舌を出して冷しているなんて、ちょっと滑稽すぎませんか?一体誰がこの燗を付けたのでしょう?きっとお酒など飲んだことのない娘さんが急に頼まれて燗を付けたのかも。日頃やったことがないので、その頃合がわからずについ付けすぎて…だから虚子もちょっとふざけて…という家庭での一齣のような気がします。もし飲み屋さんとかなら叱られますよね。商売にならないと…。

 さて、この句に負けず我が教室でも、〈熱燗や舌で転がす余裕なき〉が最高点句でした。「~で」は口語的であまりいい音ではありませんので、「に」に変えて、〈熱燗や舌に転がす余裕なく〉としましたが。

 ところが、この作者はナント全く酒が飲めないという女性の句でした。虚子の前出の句を知っていて、そこからの発想の句だとか。マイリマシタ!

 この会場の隣には、明治21年創業の宇部市の地酒〝男山〟や〝貴〟の製造元・永山本家酒造場があります。それで次のような句も…〈酒米を蒸す香気立つ冬甍〉 この句には魅力がありますが、難点もあります。まず〈冬甍〉はどうも…。何にでも季節を付けて季語にするのは頂けません。また〈香気立つ〉もちょっと大げさですね。そこで〈酒米を蒸す香や冬の土手行けば〉と直しました。作者が早朝ウォーキングで川の土手を歩いていると、その傍の酒造所から酒米を蒸す香が匂ってくるんですと。どんな香り?と聞くと、〝お餅つきの時の餅米を蒸すような匂いです〟と。ウ~ン、私も餅米を蒸したのは大好きだし、一度酒米を蒸すところを見たいですね~。その蒸したお米も食べてみたいと思いました。何でも一度は体験したい!それが俳句ダマシイというものですよ。

 写真は、〝冬苺〟、いつの間にか我家にもはびこり、困っていますが…。葉も紅葉していい色ですので、捨てがたい!

 

 


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