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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

黄泉からの声

2012-03-08 21:11:39 | 諸星大二郎
諸星大二郎 1994年 集英社ヤングジャンプ・コミックス
はい、諸星大二郎の妖怪ハンターシリーズ。(稗田礼二郎のフィールド・ノートより)
コンテンツは、
「うつぼ舟の女」
「蟻地獄」
「黄泉からの声」第一章「井戸のまわりで」第二章「黄泉からの声」

「うつぼ舟の女」は、中がうつろになった小さな舟が、海から浜に流れ着いたという伝説をもとにした話。
しかも、舟のなかに女が乗っていて、っつー展開なんだけど、まあ、この世のものぢゃないとこから来るんだよね、それ。
ちょっと気持ちわるい話ではある。
ちなみに、このあとの妖怪ハンターシリーズで準レギュラーとなる、大島くんという男の子と渚という女の子が初登場するのが、この話。
「蟻地獄」は、洞窟の奥にある無数の穴の話。
縄文に似てるけど、ちょっと特殊な形をした土器が出土している、その穴なんだけど、志願した人が入って、良い穴だったら幸運がもたらされるが、悪い穴だと帰ってこれない。
「黄泉からの声」は、十枚揃いの皿の一枚を割ってしまった「お菊」さん(番長皿屋敷とかね)の話と、日本書紀に出てくる、イザナギが黄泉から脱出するときに、黄泉比良坂(よもつひらさか)まで来た時に言葉をかけた菊理姫(くくりひめ)の話と、「ずいずいずっころばし」の歌と、それらをひとつの物語につめこんである。
いろんな材料をぶち込んで、それらを結びつけて、壮大なウソを描く、「暗黒神話」とかのように、そういう意味で、とても諸星らしい一編ではあると思う。


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