アスランは彼女の横顔をまじまじと見つめるうちに、ふと思い起こす。
4年前、初めて出会ったあの無人島の海と白い砂時の上で交わし合った言葉―――
(―――「引っ掛かっているんだ!いいから助けろよ!」)
(―――「私も沢山友達を殺されたよ。お前たちの攻撃のせいでな。」)
(―――「作ったオーブが悪いことは分かっている!でも、あれはまた人を殺すんだろ!?」)
感情のままに、軍人でもなく、それでも戦いに身を投じた少女。
相手を殺せば、戦争は終わる。
単純な勝利への計算。
それはアスランも同じだった。
命令に従い、ナチュラルをせん滅すれば、この戦争は終わる。
でも彼女は、涙を拭うこともなく叫び、アスランの心を大きく動かした。。
(―――「殺したから殺されて、殺されたから殺して、それで最後は本当に平和かよ!?」)
そうじゃなかった。戦争の終わらせ方、人の憎しみはそんな単純なものではない。
気づいたのはカガリだけじゃない。
弟みたいに頼りなかったキラ。
世間を知らない歌姫でしかなかったはずのラクス。
気づけば皆、自分より先を歩いていた。
二度目の戦火の口火を切ったのは、自分の父の信望者たち。
その責任をどう取ればいいのか、模索し、足掻き、悩み
気づいた時には周りに誰もいない―――孤独の中
そして仲間の元に、本当に進むべき道を唯一見出した先に、命がけでたどりついた。
最後の戦いに赴く時、既にカガリは私欲に溺れることなく、自分の進むべき道を歩もうとしていた。
そしてまた今、彼女は「コンパス」を創設し、更に必要となるMSの開発に尽力し、後継者を育て―――誰よりも先を見つめている。
一体4年前の彼女のどこに、そんな力があったのかと思うくらいの伸びしろだ。
成長が読めないナチュラルだからこそ、だろうか。
だったら、俺は…
(俺は一体、何時まで暗闇を彷徨っているのだろう…)
「どうした?少し頭が冷えたか?」
ハスキーな声が左の耳にささやく。
ハッと目を見開き、視線を落とせば、まだカップの中から立ち上る、白い湯気。その行方を追いながら、アスランは朴訥と話し出す。
「全く…俺は馬鹿だから…」
気づいていたはずだ。彼女があの時、指輪を外したその時に。
いや、覚悟はもうとっくにできていたのだ。
アスランの隣にいることではなく、オーブのために身を捧げるのは、ユウナと結婚すると決めた彼女がその時もう既に覚悟したことだったのに。
「全く…今頃また思い出したのかよ。」
クスリと彼女は微笑み、アスランの脇腹を小突く。
ラクスとはまた違った、アスランの想いも悩みも、何もかも受け止めてくれる懐の広さ。
お陰でどこか焦燥が弛んだ瞬間、ふとアスランは気づく。
「そういえば、」
「ん?」
「どうしてカガリは、俺がここに来ると気づいていたんだ?」
カガリは一瞬目をキョトンと見開くと、(気づかなかったのか?)とばかりに訝し気に口を開く。
「いや、お前のあの時の顔見たら、絶対不服申し立てを訴えに来るだろうな~って」
「そんなに酷い顔をしてたか?」
「冷静に徹しようとする努力は認める。だが、あんな目をしていたら、もろバレだぞ?」
今度こそ彼女は笑った。
彼女に釣られ、思わず自分も口元が弛む。
―――つづきはこちらから。
***
昨夜はpixivの方にアップしておきながら、ブログの方にその報告を見事に忘れたかもしたです💦
いえ、別段、そこまで読んでくださっている、心が太平洋とインド洋とカスピ海たしたくらい広い方がいらっしゃるやもしれませんが、遅くなりましてすいません<(_ _)>
前編からの続きです。
改めて黄色い刺繍糸で銘が入ったネクタイ。黄色っぽく見えるのですが、もしかしたら違う色かもしれませんけど、黄色=カガリっぽくていいじゃないですか!(≧▽≦)b
ただし、隠密行動中にはつけられない!身バレ絶対ですもん(笑)
TV放送時はアスランが度々所属を替えるので、「どっちつかずのアスラン」(※カクテルの名前であったんです)とか言われまくっておりますが、今度こそ迷いなく、カガリという灯りの元に寄り添い、戻ってきて欲しいという願いを込めつつ書いてみました。楽しんでいただけたなら幸いです♥
劇場版を前に、PVでの声が(今のところ)全然聞こえてこないのが気になるアスランですが、監督曰く「下げるようにしながら最後はカッコいい」というので、最後に大活躍をしてくださると信じておりますよ!
隠密ゆえにあまり口を開かない仕事なのでしょうけど、ラクス曰「無口な方」ですから隠密向き♥ でもそこから双子だけは除外(笑)あんなにキラカガには喋りまくるんだもん。なので、双子とともに行動してくれる時なら、声が聴けるでしょうきっと!!(≧▽≦)c
なので、あのネクタイをネタ元に出向前に、カガリにあれやこれをしっかり仕込んで(笑)安心してお仕事に赴いていただきました。
代表の執務室であれやこれ(w) まぁ妄想ですからその辺りは突っ込まないでください<(_ _)>
にしても、昨日あった福岡での種自由点灯式で、保志さんが「シンの剣捌きとか、カガリの表情とか楽しみにして」という一言があったそうなので、あの頬染めカガリ様とか、牙突シン(笑)がめっちゃ現実味を帯びてきました!
でもですよ。
そうすると、あのツインテールの「プリキュアラクス様」も登場されるのでしょうか?Σ( ̄口 ̄;)
まさかのミーアのノリで、あの姿で「しずかな~このよるに~♪」とか歌うのか!?
それはそれで見てみたい(笑) いや、そうできる時はきっと本当の平和を手にした時でしょう。
ますます劇場版が楽しみです!(≧▽≦)ゞ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます