ゲームホリック

ゲーム大好きぃ!!でゲーム脳なのであること無いこと書き散らします。

STG開発者、燃ゆ

2009年02月24日 | ゲーム
『サンダーフォースⅥ』が多くのファンが望んでいたようなSTGのカッティングエッジ的な作品とはかけ離れ、ずれたマーケティング?というかプロデューサー・ゾルゲール哲さんの個人的な市場予測によって過去のシリーズを寄せ集めたパロディ作品の様相を呈し、さらにはゾルゲールさん自身の漫画から引用されたと思しきグロテスクなラスボスがあまりにシリーズのテイストとかけ離れたために初週の売り上げと反比例した壮絶な評判となりました。

その結果として、ゾルゲールさんの個人ブログの発売直後のエントリーに対するコメント欄は嘆きから悲しみ、憎しみが噴出。さらにはどこかで紹介されたのか、『サンダーフォースⅥ』とブログ自体がネタ化してしまい誹謗中傷の嵐と化してしまい所謂フレーミング状態になってしまいました。今年に入ってコメント欄が閉じられるまでコメント数は増え続け、その内容もネタ化されてしまったために先鋭化してしまいました。


Xbox 360用ゲーム! バグだらけでメーカーとプロデューサーが緊急謝罪 (未来検索ガジェット通信)


既存のゲームジャンルが一様に浮沈を繰り返し、その中でも衰退ジャンルと位置づけられるSTGはコンシューマでリリースされることすら稀です。(ただし衰退ジャンルと他称、自称されながらも未だにコンスタントなリリースが続けられている現状を見ると、閉店セール商法に見えなくも無いですが)そんなSTGが広告費をかけられないというのは素人目に見ても明らかです。


そこでネット、とりわけ口コミなどによるミクロな広報活動が取られることになります。


ゾルゲールさんは以前からキルタイム系雑誌での執筆活動に加え、マスク姿での広報活動やウェブ展開を精力的に行っていましたが、今回はそれに加え「極秘プロジェクトZ」なるブログを立ち上げ「STGプロジェクト」の第1弾ソフトである『サンダーフォースⅥ』の開発進捗状況などの広報活動を行っていました。盛さんは以前より個人ブログを開設し、自らの身分を明かした上で個人ブログ上で個人的な雑感などを認めつつも、自身が開発にかかわったタイトルの宣伝も発売時期になると行っていました。

ゾルゲールさんもセガ内にある「極秘プロジェクトZ」の他に個人ブログを持っていますが、特に盛さんのブログの方の在り方は良くなかったです。最初のエントリーでも触れられていますが、盛さんの個人サイトが会社に知られてしまったために身分を明かしてブログを開設したという経緯があります。この経緯を見るとこのブログはオフィシャルと捉えられます。けれどブログ自体5pbのサーバー内に在るものでもなく、FC2の既成のブログを用いています。

個人ブログのノリで個人的な意見を書いてはいますが(だからこそのFC2でのブログなのかもしれませんが)、存在としてはほぼオフィシャルなブログとして存在することを余儀なくされてしまっています。個人ブログであるからこその雑感がユーザーとの距離を縮め、緩いけれども確かな広報活動になっていたように思います。けれどもゲーム自体に何か問題(それがたとえ僅かであっても)があればそこが仇になってしまいます。

おそらくは個人ブログということで、5pbが記事のチェックをしていなかったことが一番の問題です。盛さんの個人サイトを結果的に閉じさせたにもかかわらず、身元を明らかにした上でブログを容認していたことが良く分かりません。もしやすると広報活動として推奨していたのやも知れません。ともかく情報窓口を集約せずに、個人ブログとして情報窓口を別に残しておいたことで今回の事態が引き起こされました。


盛さんの場合フレーミングを生んだ理由は個人ブログでの『GT5プロローグ』の初期バージョンにおけるバグへの直接的な批判でした。一方でゾルゲールさんの場合はゲーム発売前のインタビューなどですが一番大きかったのは池袋ギーゴで開催された体験会「3大シューティング祭り」での発言でした。ここでの発言がゲーム発売後に批判される大まかな材料とされてしまいました。


「アイエヌエイチ、池袋ギーゴ「3大シューティング祭り」 会場に200人以上のファンが集結!」(GameWatch)


こういった草の根的な手法で成功しているのはやはり言わずと知れたトライアングルサービスの藤野社長の手法でしょうか。ブログでは無いものの、今や伝説となった「トライアングルサービスがピンチです。」で始まる自社のウェブで公開された自虐的な声明でしょう。本文もさることながら、ある種過激な自虐コピーはSTGコミュニティを超えて、大きな話題となり、良い意味でネタ化されることに成功しました。

その後も「シューティングラブ。」といった純粋だけれども、突っ込みどころ満載なコピーなどは同社のゲームの普通さに関わらず話題となり、ネタ化されました。上記の2人と何が違うかといえば、他社や過去の作品等と比較してネガティブなことを言わない。そして肝心なのはリリースされたゲーム自体が華はなくても穴がないところだと思います。目新しいところはトライアングルサービスのゲームにはありませんが(シューティング検定が目新しいかと問われれば目新しいですが)、致命的な問題は無い。普通のSTGです。


ネットは悪口に近い批判やビックマウスはたとえそれが些細であっても、キャッシュが残るという意味でも許してはくれません。ただ記事にされ、ネタ化されるという不幸はあったように思います。ネタ化されるのならばネタ化される対象がネタに徹しきるしかないと思います。それは例えばゾルゲールさんです。今回はゲームをネタ化し(本人は多分意図してない)反面対応としてはマジになっちゃったところに問題があります。それが出来ないのならば、藤野社長のようにきちんとユーザーと距離を保つべきです。商売なのですから。



今時シューティングを作るような人はそもそも本気だと個人的には思います。ゾルゲールさんも盛さんも藤野社長もシューティングを本気で好きで真剣に作っているのだと思います。今時珍しく良い意味でも悪い意味でも燃えているのです。熱っぽいゲームは嫌いじゃないです。むしろ好きです。