ゲームホリック

ゲーム大好きぃ!!でゲーム脳なのであること無いこと書き散らします。

RPGの限界

2010年01月31日 | ゲーム
ff13
FF13 アルティマニアよりインタビュー(■■速報@保管庫3■■)
・ハイデフ環境、限られた制作期間で今までのようなRPGを作るのは難しい。
 そこで各要素を凝縮した作りにした。街の要素をノーチラスに詰め込んだり(北瀬)。(上記リンクより一部引用)


この北瀬さんの発言?を見て、思い出したのがPS時代からベックの芝村さんが一貫して主張していたこと。


キーマン・インタビュー(芝村裕吏)(毎日インタラクティブ)
■PS2で「数のスケールアップは通用しない」

--プレステ2向けソフトの開発予定はありますか?

芝村氏:数本ほどあがっています。

--各メーカーとも「プレステ2になってゲームを作ることは簡単だが、ブラッシュアップに時間がかかる」と悩んでいます。そのあたりはどう解決されます?

芝村氏:そういう人は、プレステ2の捉え方を間違っていますね。プレステ2は既存のゲームを作るシステムを使うととんでもないことになります。ファミコンとプレステ2を比較すると、50倍の手間がかかるんです。だから同じものを作っても50倍かかる。ハードの能力が向上することで、登場人物を増やしたり、アイテム、魔法を増やすと、より時間と金がかかってしまう。それに対して制作予算が50倍になるわけでもない。どうなるかといえば、赤字覚悟で作るか、体力勝負になるか、いずれかでしょう。

 結論を述べると、アイテム、魔法、マップを増やすという、「数のスケールアップ」を止めない限りダメでしょう。つまり「既存システムの放棄」ですね。ファミコン時代に100人いたものをプレステ2では2人にすればいい。こうすれば開発コストが合います。つまり「小データ型」にチェンジして、プレステ2の高度な処理能力をフル活用する、プログラムやAIを使い、少数のデータを高度に見せる工夫が必要となるのです。(上記リンクより一部引用)


例えば箱を描くにしても、ファミコン時代であればせいぜい20×20のパレットの中でドットで描けば済んだけれど、PS3時代になればもちろん2Dではなく3Dで作成せねばならず、しかも単なる立方体にテクスチャを貼り付けただけではユーザーは許してくれないかもしれません。それをここで言っている様な「数のスケールアップ」を続けていれば、この綺麗な”箱”を幾つも作らなければいけません。


その「数のスケールアップ」へのアンチテーゼとして、芝村さんが企画したのがPS1の『高機動幻想ガンパレード・マーチ』であり、PS2の『新世紀エヴァンゲリオン2』であり『絢爛舞踏祭』でした。1つの街や施設のみを作りこみその場所を中心に物語を展開させることで、通り過ぎるだけの街などへリソースを割かずに集中させることに成功しました。ゲームとして成功していたかは別にしても。

またこのリソースの集約、集中は芝村さんの珍奇なRPGばかりではなく、有名RPGシリーズの中にも同様の方針の下で作られたものが現れました。それが『ペルソナ3』以降のペルソナシリーズです。『3』以降、1つの街の中でイベントが起こり、NPCとの交流が物語の大きな部分になりました。1つの街や施設を中心に物語が展開され、少ないダンジョンを旅することでRPG的な冒険を見事に表現していました。『モンハン』はリソースを戦闘につぎ込んだタイプだし。


一方、次世代機以降の海外製RPGは物語へのリソースを大幅に削減する代わりに、何度も訪れることの出来る街、ダンジョン、そして多くのNPCを置くことが可能になりました。その成功例が『The Elder Scrolls IV : オブリビオン』であり、『Fallout 3』でした。自由度の高さが絶賛され、両作ともトリプルミリオン以上を売り上げ、Game of the yearに選出されています。

国内の一部でも世界的な潮流でも、RPGの潮流はそれまで主流だった「小さなシステム、大型ストーリーのRPG」から小さなエピソードを積み重ねた「大きなシステム、小型ストーリーのRPG」に移行しているように思います。その原因は先にあげた2作が欧米のPC文化から生まれてきたことや西欧的なリアリズムが大きいと思えます。


膨れ上がるゲーム制作費:平均は20億円程度(WIRED VISION)


ただやはり根底にはリソースの問題がありそうです。けれど『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』などの老舗RPGはそういったこととは例外に作られるものとばかり思ってました。でもよくよく考えれば『Fallout3』より下手をすれば『Oblivion』よりも売れない、世界に大して大きな市場を持っていない『ファイナルファンタジー』がシェア3位のハードで発売されるのだから当然と言えば当然か。



PS3でも360でもどっちでも良いので、とっととWiiからシェアを奪い取ってくれないと、こういう大量のリソースを必要とするゲームは「数のスケールアップ」というリッチなゲームは北米向けのものしか遊べなくなるなぁ…もうそうなりつつあるけれど。

FIFAとPESにライバル出現か

2010年01月29日 | ゲーム
Ubisoft working on FIFA/PES contender?(CVG)
Ubisoft is set to release its own football sim - and not just another Pele Wii game, but a 'direct attack' on genre titans FIFA and PES.(上記記事より一部引用)

100万トン



次世代のサッカー戦争に食い込んでくるのはてっきりナムコかと思ってましたが、フランスのUbiがどうやらこの戦列に加わるようです。発売は2010年末。おそらくはサッカーシーズンに入ってからと言うことでしょう。


ボクシングやスケートは基本的に北米が中心で、野球やアメリカンフットボールやアイスホッケーも基本的には北米が中心のスポーツです。市場が日本の2倍あり、実売的には日本の2倍以上売れている北米市場だからこそ次世代機でもアメリカ以外ではマイナーなゲームを作ることが出来ます。それ以外のスポーツとなるとクリケットほどで、販売はイギリスとオーストラリアくらいです。プロ野球ものは日本以外では売れないので比較的クオリティが低いのです。

だからこそ世界中で漏れなく人気のあるサッカーこそが次世代機のスポーツゲームの中で、とりわけ大きな存在となったことは言うまでもありませんが、ワールドワイドであるからこそクラブの数も多く、有名クラブやスター選手であればあるほどライセンス料も高額となり、制作費獲得のためにはよりワールドワイドにならざるを得ないと言う自家撞着に陥っています。だからこそ大きな市場はあるのに、メガパブリッシャー以外の参入は難しくなってます。


Is there really room for a third big footy game on the market? With PES floundering a little in recent years there's certainly the possibility of a new contender swooping in to nick the 'unofficial' spot.(同上)


CVGは3本目のオフィシャルサッカーゲームの市場があるのか?アンオフィシャルなサッカーゲームの可能性を指摘していますが、少なくともリアル系、シム系という枠内であればアンオフィシャルサッカーゲームというジャンルは個人的には難しいように思います。『ウイイレ』以降のサッカーゲームの潮流はサッカーゲームというジャンルと言うよりは、現実のサッカーリーグ、選手を題材としたキャラクターゲームの側面が強いからです。


That's according to a report on usually reliable French site, Jeux Video, which claims that Ubisoft has been working with "several English clubs" including Liverpool and its captain, Steven Gerrard to develop the game.(同上)


やはりと言うべきか、CVGの今回の報道でもリヴァプールを含む”いくつかのイギリスのサッカークラブ”とリヴァプールのジェラードとゲーム開発のためにUbiが動いていると報じています。やはりサッカーゲームではなく、有名サッカークラブのキャラクター商品としてのサッカージャンルを意識せずには現代のサッカーゲームの市場は考えられないので、当然と言えば当然です。



個人的には有名サッカー選手とか結構どうでも良いので、色んなメーカー、特に中小のメーカーが様々なサッカーゲームを出して欲しいところですが、ヨーロッパサッカーリーグ中心の現在の世界のサッカーゲームの潮流から考えると難しいようです。ならばナムコもリアルサッカーで今一度参入してくれないかと思うばかりですが、そのような報道はないようです。

EA SPORTS 2010 FIFA World Cup South Africa 発売決定!!

2010年01月28日 | ゲーム
EA Announces FIFA World Cup Game(EDGE Magazine Online)
Following the success of last year’s FIFA 10, EA has announced an official and exclusively licensed title for the upcoming football World Cup.

Releasing for PS3, Xbox 360, Wii, PSP and mobile in April 2010 ahead of the real tournament this summer, EA Sports 2010 FIFA World Cup South Africa will feature all 199 national teams that took part in qualification, the ten official stadiums to be used in the competition, plus stadiums from each qualifying region.(上記記事より一部引用)


ということで、予想通り『EA SPORTS 2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ大会』の発売がアナウンスされました。開発はいつも通りEAカナダスタジオ。発売機種はこれまで通り、PS3、360、Wii、PSP、携帯電話のマルチプラットフォームですが、さすがに今作からPS2版のリリースは成されないようです。人気スポーツの人気シリーズがリリースされないということで、PS2時代の時代の真の終焉を感じさせます。

今回の発表では日本国内での発売や日本代表が収録されているかは不明ですが、少なくとも昨年のEA副社長のコメントからも今作も引き続き日本でもリリースされると思われます。またワールドカップシリーズには例外無く日本代表が収録されてきたことからもおそらく今回も収録されているでしょう。『FIFA 10』は国内では値崩れしてしまってはいますが、ゲーム自体の評価は前作以上となっていますし。


{追記}
EA、サッカーゲーム「2010 FIFA ワールドカップ 南アフリカ大会」FIFA公認の唯一のタイトルをPS3/Xbox 360/Wii/PSPなどで発売(GameWatch)
4月27日 発売予定(北米)
4月30日 発売予定(欧州)
(上記記事より一部引用)

豪雨

2010年01月26日 | ゲーム
『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』(公式)
HEAVY RAIN


「『HEAVY RAIN(ヘビーレイン) -心の軋むとき-』折り紙殺人鬼の狂気と3つの謎」(ファミ通)


発売が近づいてきました。発表当時のE3のムービーほどしか情報が無かった頃は、何だか良く分からず良くあるアドベンチャー程度に考えていましたが…

一見するとQTE的なシステムの存在から『シェンムー』のフォロワーに見えがちですが、どうやら『街』や『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』と言ったアドベンチャーゲームの系列の進化系なのではないかという思いが強くしてきました。あたっているかどうかはまだよく分かりませんが、あの系統を西洋的なリアルに引き付けた作品であるのかなぁと想像します。

物凄く細かな分岐を持った、しかも細かすぎてフローチャート化できないような『街』や『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』と言った具合に見えます。『アンチャーテッド』が一本道に絞って映画的アクションの快楽にのみ焦点を絞っていたのに比べると、全く間逆の手法で”映画的”なモノにアプローチを試みているような印象です。豊富な物語性と言った方向で。


「SCEJ、PS3「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」開発者ショートインタビュー“ゲームは成熟しないといけない”本当の大人向けを目指した作品」(GameWatch)
Guillaume氏:「HEAVY RAIN」にはゲームオーバーがありません。キャラクターが死んでしまってもストーリーは続いていきます。ですがもちろん、キャラクターが死んでしまった場合、そのキャラクターが調査した結果は失われてしまいます。残った3人のキャラクターでストーリーが続いていきます。
 死んでしまったキャラクターと他のキャラクターとが他のシーンで出会っていた場合は、そのキャラクターが死んでしまったことを知ります。そしてストーリーが変わっていきます。


GAME Watch編集部:操作キャラクターが全員死んでしまった場合はどうなるのでしょうか?

Guillaume氏:それでもゲームオーバーではないです。単純に、物語の終点にたどり着くだけです。ゲームオーバーなのかエンディングなのかは些細な違いかもしれませんが、それもまたゲームオーバーではないです。  
 普通のゲームの場合、ゲームオーバーになったらそれは失敗であり終わりですが、「HEAVY RAIN」はそうではなく、全員が死んでしまったという結果にも物語があります。4人が死んでしまうのはすごく悲しい結末ですが、それもひとつのエンディングです。ちなみにそのエンディングはディレクターのお気に入りのエンディングです(笑)。
(上記記事より一部引用)


『HEAVY RAIN』のディレクターが語る:「アドベンチャーゲームは死んだ」(kotaku JAPAN)
「アドベンチャーゲーム」は、メカニクスで成り立っています。そのメカニクスは、探索、インベントリマネジメント、パズル、ダイアログ選択で構成されています。そしてキャラクターやストーリーは大抵一本道で、カットシーンを通じてゆっくりとしたペースで展開していきます。その定義で言うと本作は「アドベンチャーゲーム」ではありません。インベントリも、アイテムを組み合わせることも、パズルも、延々と続くダイアログもありません。ストーリーはプレイヤーのとる行動を通して語られます。(上記記事より一部引用)



ディレクターの現在の「アドベンチャーゲーム」に対する認識は明確です。私達の現実世界の行動にはゲームのようなフラグ管理は存在しません。けれどもゲームでは、ここではアドベンチャーゲーム、出来事の因果関係を”フラグ”と言う形で管理し、それをイベント発生の条件、スイッチとしていました。これは現実をゲームに落とし込んだ結果でした。

彼の問題意識は正にこの点であり、これまでの現実をゲームに落とし込む為の嘘を乗り越えようとした作品が『HEAVY RAIN』であるようです。現実をゲームにするために存在したフラグ管理やゲームの展開に起伏を与えるための不自然な要素、彼のインタビューを用いれば関連性の薄いパズルや不自然に長すぎる会話を排除しようとした試みが本作のよう。

それは所謂、ゲーム的な嘘です。謎を解くために何故か意味不明なパズルを解かされたり、一体この世界の時間の感覚はどうなっているのだと思わずには居られないほどの異常な長さの会話劇が繰り広げられたりします。特に後者は不自然です。ただそれらは表現力が足りなかった時代の苦肉の策であったはずで、表現力が上がった現代でそれらを無批判に行うことには疑問があります。

予算などの問題もあるのでしょうが、アドベンチャーゲームはこの根本的な部分をおざなりにしてきました。『街』や『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』といった革新的なシステムを兼ね備えたアドベンチャーゲームにしてもです。ただこれは予算や怠慢と言うよりも、そもそもがテキスト形式のアドベンチャーしか眼中に無い、リアリズムに興味が無かったと言うほうが正しいでしょう。

その点でこういった現世代機の表現力を生かした、リアリスティックな表現を標榜したゲームが海外のディベロッパーによって開発されたのは当然というか必然とも言えるものだと思います。こういったゲームを出せない日本のメーカーの必然をも感じさせます。次世代のクオリティを持った、それまでのアドベンチャーゲームと一線を画す大人向けというゲームを観てみたいと思わせます。

ただ少し心配なのはゲーム的な嘘は必ずしも悪ではないということです。表現力が上がったのだから、ゲームデザインもそれに伴ってリデザインされるべきだと思います。ただリアルにとらわれすぎるあまり、現実の面白い部分ばかりかつまらない部分まで忠実にゲーム化してしまうことが見受けれられます。(例えばPS2版『新世紀エヴァンゲリオン2』における尿意や清潔度の存在)



『Heavy Rain』はインタラクティブ・ストーリーテリングへの新たなアプローチをしています。それは(繰り返しの連続でプレイヤーを飽きさせる)ゲームのメカニクスに基づいたものではありません。リアルタイム3Dと時代の先端を行くヴィジュアルが融合し、ストーリーテリングとアクションが混ざり合う、そしてなによりも、プレイヤーが実際にストーリーに対して影響を与えることができるのです。
 
 ゲームの終わりに最後にひとつかふたつカットシーンを見るのとはわけが違います。これは、プレーヤー自らが、自らのストーリーの、脚本家、役者、そして監督となり、様々なストーリーを生きるということなのです。(上記記事より一部引用)




直感的な感覚として事前情報から考えると、『HEAVY RAIN』は従来のフラグ式アドベンチャーゲームとAIの中間ぐらいなのかなぁと。「本作は「アドベンチャーゲーム」ではありません。インベントリも、アイテムを組み合わせることも、パズルも、延々と続くダイアログもありません。」とは言うもののよく分かりません。スゴそうな気配はさせるものの。

主人公が死んだ場合、一体カメラはどこに向くのか。主人公キャラの遺族に当たるのか。それとも警察なのか。折り紙殺人鬼なのか。そこらへんが全くの謎。そこらへんが飛んでも無い完成度だった時、本当にゲームがゲームではなくなるのかもしれません。

torne続報。

2010年01月21日 | ゲーム
PS3用地デジチューナ「torne」を体験してみた-驚異的な動作速度。人気番組一目でわかる「トルミル」(AV Watch)
で、分かったことを有る程度以下にまとめてみると。


・torne付属BDからtorneアプリをインストールするとXMBに「テレビ」が追加される。

・torneを接続していないと、torneアプリは起動できない。

・1080p対応。フルHDではない地上波映像もアップスケーリングして表示。

・AAC音声でもリニアPCM/5.1chサラウンドに変換。

・torneの録画情報はネットを通じて共有。何人が録画しているか分かる。

・HDDは8台まで登録可能で、4台まで同時に使用可能。

・録画したビデオは外付けHDD間では移動できるが、本体HDDへは移動不可。

・録画したビデオはtorneを接続していないと再生できない。

・4GB以上は分割保存(ユーザー的には分割されているのは分からない)。

・PSPへの書き出しは480×272で、ビットレートは最大で1Mbps。

・書き出しは事前には行っておけない。

・書き出したビデオにはコピーガード無し。

・DR録画のみ。AAC形式で録画は出来ない。

・視聴履歴の集計、チャート化。

・おかえり転送機能は無し。9回書き出したら終わり。


フルHDへのアップスケーリングやAAC音声のリニアPCM化など魅力的な機能が分かった一方で、録画ビデオを本体HDDに移動できなかったり、torneを接続していないと再生できないなど不満点も多い。ただPS3だからこそのインターフェースの軽さや視聴履歴のチャート化や、ネットを使用した録画記録の集計などゲーム機であればこその遊び心は非常に魅力的。

気になるのは開発者の方のインタビュー。

気になるのはBDメディアへの書き出しや、ウォークマンなどPSP以外のデバイスへの書き出し機能など、将来的なアップデート内容だ。渋谷氏は、「ネットワークを活用した機能、よりゲーム的な機能も含め、アイデアは色々なものが上がっているのですが、スケジュールなどをお伝えするのは現時点で難しい。現在は3月の発売に、いかに間に合せるかという状況です(笑)」とのこと。

しかし、渋谷氏は「今の段階ではPS3とPSPという、プレイステーションフォーマットの中でtorneを使って欲しいと思っていますが、ソニーの中でのこの商品のポジショニングも確認しつつ、ウォークマンなど、他のデバイスへの対応は、今後のアップデート検討項目には含まれています」と、将来的な対応の可能性を示唆した。
(上記記事より一部引用)


大きな性能があるので大抵のことは出来なくないけれど、ただ全ての要望を詰め込むとそれはもはやゲーム機ではなくHDDレコーダー、若しくはBDレコーダーになってしまうと言うジレンマ。贅沢なジレンマだけれどAAC形式録画を実現すれば、録画中ゲームをすることが出来なくなりゲーム機としての存在を問われかねない。(訂正済み)

けれどもPSXがヒットせず、ソニーのスゴ録に負けたてしまったのはBSチューナーを積まない地上波オンリーレコーダーであったためとも言われている。当時と比べてBS、CSが身近になりプレゼンスも増している状況で地上波オンリーチューナーで果たして芽があるのかと思えなくも無い。まぁあくまでこれは周辺機器だけれど。


もういっそPS3を完全にレコーダーにしてしまえばいいのでは?というかソニーのレコーダーにcellを積めば、という自家撞着っぽい結論になりそうだけれど。

1万トンのバラバラ

2010年01月21日 | ゲーム
『100万トンのバラバラ』(SCE)

本日、『100万トンのバラバラ』(以下『100バラ』)の体験版、『1万トンのバラバラ』が配信されました。


公開されていた動画や記事では『クイックス』のようなゲームであるのかなと想像していましたが、実際体験版をプレイしてみると半分当たっていたようないないような感じでした。ビジュアル的には新しいゲームではあるのだけれど、昔懐かしいゲーム的なゲームであるようです。


100万トン


基本は主人公達の町に向かってくる「空飛ぶ戦艦」をノコギリで切り落とすだけです。戦艦には切り取り易い部分と鉄板に覆われた部分があり、通常のノコギリでは切り落とせません。なのでその為には敵を倒したら手に入るポイントを消費する「やる気アタック」や「ボム」を駆使していかなければなりません。


100万トン

特筆すべきは仲間の存在です。今作では戦艦を切って落とすことの他に副次的な目的として戦艦に幽閉された仲間を救出するという目的もあります。ですがこの要素は単なる収集に留まりません。仲間はイコールゲームで俗に言う”バリア”(若しくは”シールド”)であり、なおかつ”ボム”でもあります。

シューティングゲームでおなじみのこの”バリア”と”ボム”ですが、シューティングゲームよろしくもちろん制限があります。『100バラ』ではこの制限が主人公が帯同する仲間の人数です。敵や敵のミサイルにぶつかると主人公の代わりに仲間が一人失い、ボムを使用すると代わりに仲間が一人死んでしまいます。

ここで味噌なのがこの仲間が無名の個人ではなく個別に名前が付けられている点です。せっかく助けた仲間も敵やミサイルに当たってしまえば主人公の代わりに死んでしまい、硬いものを壊したり、短時間に広範囲を壊したりする際にボムを使うと仲間はボムを設置しボムもろとも爆発して死んでしまいます。

どこか『ファイアーエムブレム』や『タクティクスオウガ』を思い起こさせるゲームデザインです。失った仲間は普通のゲームのように次のステージで何食わぬ顔で復活しません。多分。だからこそプレイヤーはバリアを消費することやボムに頼ることに慎重にならざるを得ません。ステージが進むほどに、です。


体験版は3つのステージをプレイできます。普通の戦艦、破壊した部位を修復する敵がいる戦艦、それに加えて普通のノコギリでは切り落とせない部位のある戦艦の3つのステージです。少しずつハードルがあがるこの体験版における難易度曲線はゲームの面白さが伝わるとても素晴らしいバランスでした。面白い!

少し残念だったのは移動速度が上がったりするアイテムがゲーム的過ぎるところ(単なるアイコン)やゲームでは珍しい、このゲームの雰囲気と乖離する明朝っぽいフォント。でも勇壮でポップなマーチとポップな絵柄がワクワクさせてくれて、切るというゲーム性もとっても面白かったです!製品版ももちろん購入したいと思います!

作り直しで2011年…

2010年01月15日 | ゲーム
「I Am Alive、発売は2011年以降に」(Chock Point)
「I Am Alive、Splinter Cell: Convictionのエンジンで作り変えに」(Chock Point)

―『I am Alive』(youtube)


海外作品で一昨年のE3から最も気になっていた『I am Alive』。昨年のE3では全く情報が出されず、その後も音沙汰が無かったので情報が出たこと事態は嬉しいですが、まさか作り直しだとは…しかも『スプセル』最新作エンジンをしようというのが個人的にはあまりポジティブな要素には感じられず。要は今から一から作り直せないので、エンジンを流用したと言うことにしか思えない。

結局プレイムービーは今まで一切公開されておらず、スクリーンショットすら公開されていませんでした。公開されていたのは2008年のE3でのトレーラームービーのみ。そして音沙汰無しかと思ったら、エンジン流用で作り直し。これはかなり危ういかもしれません…


torneで録るね。

2010年01月14日 | ゲーム
PS3®専用周辺機器 地上デジタルレコーダーキット『torne(トルネ)™』希望小売価格 9,980円(税込) 3月発売予定(SCE)
torne

海外では既に「Play TV」として展開されていたPS3を使用した地上デジタル放送録画チューナーが日本でもようやく発表されました。「Play TV」の体験版と比べるとかなりインターフェースが異なるので、日本独自のインターフェースになっているようです。


『torne(トルネ)™』の特徴
* 快適なユーザーインターフェイス
ゲーム制作で培ったノウハウを活用し、操作性を重視したユーザーインターフェイスを開発しました。これにより、番組表の操作、録画予約設定、また録画した番組の再生などを、ワイヤレスコントローラ(DUALSHOCK®3)を使ってスピーディーに行えます。※3
また、カラフルで見やすい番組表は、一日の全番組を一覧できる24時間表示が可能で、L/Rボタンを押すだけで拡大・縮小してご覧いただけます。

* 録画・再生機能
番組検索のメニューでジャンルやキーワードを入力することで、該当する番組を瞬時にリストアップし、簡単に録画予約することができます。PS3®がスタンバイ時でも、ゲームやブルーレイディスク/DVDをお楽しみいただいている間でも、予約設定した番組は自動的に録画されます。※4さらに、PS3®本体内蔵のHDDだけでなく、PS3®にUSB接続した外付けHDDに直接番組を録画することも可能です。※5
ビデオ再生時には、早見再生やシーンサーチ機能もご利用いただけます。

* PSP®「プレイステーション・ポータブル」との連動
録画した番組はメモリースティック PRO デュオ™(Mark2)、またはメモリースティック マイクロ™(M2™)に書き出して、PSP®向けに最適化された画質で、いつでもどこでもビデオ再生をお楽しみいただけます。※6
また、PS3®のリモートプレイ機能を使用することで、家庭内で番組の視聴や録画予約、ビデオ再生など、全ての機能をPSP®で操作することが可能です。※7

* 充実のオンライン機能
番組視聴中に気になった情報を、その場でインターネット検索できる「見ながらネット」、また番組の録画予約数や視聴状況を集計して表示する、torne(トルネ)™独自の「トルミル表示機能」を搭載しました。(上記リンクより一部引用)


SCE、PS3用地デジレコーダキット「torne」-9,980円。PSP転送も可能。250GB PS3セットも発売(AV Watch)
字幕放送、2カ国語に対応。データ放送には非対応。「ゲーム制作で培ったノウハウを活用し、操作性を重視した」というユーザーインターフェイスを採用。番組表の操作、録画予約設定、録画番組の再生などを、ワイヤレスコントローラ(DUALSHOCK3)を使ってスピーディーに行なえるという。別売のBDリモートコントローラも使用可能。再生時は早見再生やシーンサーチ機能も使用できる。

EPGは最高で24時間分の表示が可能で、コントローラのL/Rボタンを押すことで、拡大・縮小表示が可能。ジャンルやキーワード入力による番組検索も可能。録画予約もでき、PS3がスタンバイ状態であったり、ゲームやBD/DVDビデオを再生している間でも、予約録画は実行される。ただし、「同時に使用するソフトや周辺機器の仕様によっては正常に動作しない可能性がある」(SCE)としている。また、60GBモデル(CECHA00)、20GBモデル (CECHB00)でPS2用ソフトを使っている場合は、録画機能は働かない。

録画モードはMPEG-2 TSのストリーム録画のみ。なお、番組の録画先はPS3内蔵HDDだけでなく、PS3にUSB接続した市販の外付けHDDにも直接録画することが可能。 (上記記事リンクより一部引用)


一番重要なことは「torne」は地上波をそのまま録画することしか出来ないと言うことです。所謂TSやDRという放送波をそのまま録画するだけです。理論値換算すれば地上波デジタル放送を1時間録画するには7GBが必要となります。120GBの本体であればユーザー領域が110GB程度であるため、最大で15時間超の録画時間になります。

もちろんこれはmp4形式録画にかかる本体への負荷を嫌ったため、ゲーム中でも録画を可能とするための措置だとは思いますが、120GBのPS3で15時間超、同梱パックの250GBで30時間超の録画時間になります。しかしPS3のHDDは地上波テレビ録画の使用に限られないので、早晩にPS3のHDD容量がなくなってしまうことが考えられます。

PS3を地上波デジタル録画サーバー的に現実的に使用するならば、やはり大容量に換装するよりも外付けで500GBや1TBを用意したほうが現実的だと思います。PS3をメインに使うと言うよりもBDレコーダーやパソコンTVに加えてのサブ的な位置づけが強いと思われます。そもそもTSやDRなのでチャプターも入らないですし。

そもそも「Play TV」の頃から感じていましたが、やはり外付けチューナーというスタイルはマニアや好事家にとっては抵抗が少ないかと思いますが、一般層にとっては少なからぬハードルがあるのかなぁと言う印象を公開された画像を見て抱きました。そこに外付けHDDを付けたらそれこそごちゃごちゃした印象になるでしょう。


BDレコーダーなどの録画機器を所有していない人がどれだけ食いつかせることが出来るか否かが、「torne」をこれまでに発売されては仇花のように散っていった幾多の周辺機器との分水領になりそうです。当たり前か。面白そうだけれど、HDD消費量を考えると副次的な使用になりそうというのが印象です。


どれだけ一般層に周知且つ訴求できるかが当然ですが、成否を握るとお思います。あと録画した動画は編集できるのかどうか、録画データをBDレコーダーやらPCにムーブが出来るのかどうか。

デザイナーズゲームズ

2010年01月11日 | ゲーム
今はそういうことも少なくなってきましたが、ゲーム業界が活況だった過去には他業種からの参入が盛んでした。食品会社がゲームを作ったり、商社がゲームを販売したりと。また他業界のクリエーターがゲーム制作に携わると言うこともざらにある時代がありました。ミュージシャンや脚本家、コピーライターなどがゲーム作りに参加しました。

ただ前者も後者も時代の仇花的な側面が強く、日本においては商業的にも評価的にも成功したものは糸井重里さんの『マザー』シリーズほどしかすぐには思い浮かびません。一方で海外においても、他の業界のクリエーターがゲーム作りに参画するケースがあり、その中でも最も成功した事例がThe Designers Republic(以下DR)による『ワイプアウト』シリーズです。

DRの洗練されたクラブカルチャー的なデザインと有名どころのテクノサウンドで評判になったレースゲームが今に続く『ワイプアウト』シリーズでした。DRが携わったのは日本では第3作目の『ワイプアウト3』(『Wipe3out』)まで。ゲーム業界的には第1作目の『ワイプアウト』がインパクト的にも売り上げ的にも、一般には第2作目『ワイプアウトXL』が最も評価を受けています。

けれども個人的にはやはり第3作目、国内では最終作である『ワイプアウト3』が最もデザイン的に洗練されて、まさしく『ワイプアウト』シリーズ集大成と言うべき作品だと思います。ただ『ワイプアウト3』はレースゲームブームも下火になりかけ、PS2の発売を間近に控えた1999年であったためか、出荷自体が少なく一般的な認知度自体が低く不幸な作品でした。


一番知名度が無くても、一番売れても居なくてもやはりぼくは『ワイプアウト3』が大好きです。前作までも特徴的で評価の高かったタイポグラフィーはさらに洗練を増して、ユーザーを置き去りにしてしまうほどの洗練具合です。ユーザーを突き放したデザインではあるんですが、それでもどうしようもないほどに格好良い。この一言に尽きます。

・『ワイプアウト3』タイトル画面
wipeout3
そしてこのタイトル画面です。デジタルライクなフォントだけでは飽き足らず、全てを一気にミニマルに表現してしまっています。フォントもあいまって、一瞬何と書いてあるのか、何を示しているのか良く分かりません。よくよく見ると「wipeout three title screen」と表記されているのが分かります。製作者側も「title screen」と書かねば理解されないと思ったのでしょう。

・『ワイプアウト3』メニュー画面
wipeout3
システム画面もタイトル画面と同様のデザインで分かりづらいけれども格好良い。『1』、『XL』が足し算の美学であるとすれば、『3』は正に引き算の美学。あと海外版をプレイしたことが無いので推測の域は出ないのですが、前作までは決定が×、キャンセルが○でした。これは海外では一般的な形式ですが、日本では逆。そして『3』では決定が○、キャンセルが×と日本的にローカライズされてます。

日本版『3』は海外版よりもコースが多いなど、前作までと比べてかなり優遇されたローカライズがなされています。一見格好良くも見づらいデザインながら、このメニューのGUIはDRが離れて以降のシリーズにも大きく影響を与えています(『Fusion』、『Pulse』は未確認)。それだけ優れたデザインであったことの証左であるように思います。

・『ワイプアウト3』レース画面
wipeout3
タイトル画面やメニュー画面を見ればわかるように、『3』はそれまでの作品とは異なりかなり色調が抑えられています。それはゲーム中、コースでも同じで看板などには前作までのような明るさを残しつつも、全体的には抑え目の色使いがなされています。『3』の独自のカラーを出すばかりか、結果的にはプレイ中も前作までよりもかなり見易く改善されています。

またHUDも今作のタイポグラフィーに準拠して、かなりミニマルなものになっています。格好良すぎです。

・『ワイプアウト3』デモ画面
wipeout3
そして今作で一番好きなのがこのデモ画面です。前作までは他のゲームと同様に普通にデモリプレイが流れます。ですが『3』では上下に黒幕を入れたレターボックス仕様のデモリプレイになってます。これにより非常に映画的な効果をもたらしていて、抑えられた色調の背景もあってかキューブリックなどのSF映画を想起させます。この演出は他のレースゲームも引用すべきです。



どこを切っても格好良いデザインしか出てこない『ワイプアウト』が『ワイプアウト3』でした。一部デザイン臭がしすぎな部分もありますが、それにしても今作以上にトータルで完成されたデザインを提示しているゲームも無いと思います。前作よりはサウンドトラックが後退しているような気もしないではないですが、『3』の作風にはベストマッチです。

wipeout3

こんな素敵な作品を送り出したDRも国内では『3』で『ワイプアウト』シリーズから離れてしまいました。個人的には『ワイプアウト』はDRあってのものというイメージが強く、PSPでようやく日本市場復帰した第1作目、『ワイプアウトPure』もいまいち”乗る”ことができませんでした。そして『ワイプアウトHD』も。


そんなDRも『ワイプアウト』シリーズに復帰することなく、昨年に倒産の憂き目にあってしまいました。同種のクリエーター集団であるTOMATOもPS2でゲームをリリースしていましたが、コンセプトゲームに留まっており、『ワイプアウト』のような多文化との間を取り持つ素敵な化学反応を持ったゲームではありえませんでした。単なるその文化を切り取ったものでしかなかったのです。

表現力の増大とともに格好良いゲームが増えてきました。でもそれはゲームからはみ出すようなゲームではない場合が多かったのです。クラブカルチャーの最前線でフライヤーやらジャケットをデザインしてきたデザインチームが作ったからこそ、業界内再生産に限られない魅力を有していました。『ワイプアウト』でデザインやテクノに出会えた人も少なくなかったんじゃないでしょうか。

それまでよりも大きなバジェットが必要になってしまい、且つ売り上げも見込めないような現状では他のジャンルからクリエーターを招きいれ、ゲームを作るなんていうことはもはや不可能に近そうな現状です。でもこんな状況こそジャンルを横断するような力を持ったゲームの登場が待たれます。でも何よりも言いたいのは『ワイプアウト3』は今までで一番格好良いゲームの一つだと言うことです。