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―FF13 アルティマニアよりインタビュー(■■速報@保管庫3■■)
・ハイデフ環境、限られた制作期間で今までのようなRPGを作るのは難しい。
そこで各要素を凝縮した作りにした。街の要素をノーチラスに詰め込んだり(北瀬)。(上記リンクより一部引用)
この北瀬さんの発言?を見て、思い出したのがPS時代からベックの芝村さんが一貫して主張していたこと。
―キーマン・インタビュー(芝村裕吏)(毎日インタラクティブ)
■PS2で「数のスケールアップは通用しない」
--プレステ2向けソフトの開発予定はありますか?
芝村氏:数本ほどあがっています。
--各メーカーとも「プレステ2になってゲームを作ることは簡単だが、ブラッシュアップに時間がかかる」と悩んでいます。そのあたりはどう解決されます?
芝村氏:そういう人は、プレステ2の捉え方を間違っていますね。プレステ2は既存のゲームを作るシステムを使うととんでもないことになります。ファミコンとプレステ2を比較すると、50倍の手間がかかるんです。だから同じものを作っても50倍かかる。ハードの能力が向上することで、登場人物を増やしたり、アイテム、魔法を増やすと、より時間と金がかかってしまう。それに対して制作予算が50倍になるわけでもない。どうなるかといえば、赤字覚悟で作るか、体力勝負になるか、いずれかでしょう。
結論を述べると、アイテム、魔法、マップを増やすという、「数のスケールアップ」を止めない限りダメでしょう。つまり「既存システムの放棄」ですね。ファミコン時代に100人いたものをプレステ2では2人にすればいい。こうすれば開発コストが合います。つまり「小データ型」にチェンジして、プレステ2の高度な処理能力をフル活用する、プログラムやAIを使い、少数のデータを高度に見せる工夫が必要となるのです。(上記リンクより一部引用)
例えば箱を描くにしても、ファミコン時代であればせいぜい20×20のパレットの中でドットで描けば済んだけれど、PS3時代になればもちろん2Dではなく3Dで作成せねばならず、しかも単なる立方体にテクスチャを貼り付けただけではユーザーは許してくれないかもしれません。それをここで言っている様な「数のスケールアップ」を続けていれば、この綺麗な”箱”を幾つも作らなければいけません。
その「数のスケールアップ」へのアンチテーゼとして、芝村さんが企画したのがPS1の『高機動幻想ガンパレード・マーチ』であり、PS2の『新世紀エヴァンゲリオン2』であり『絢爛舞踏祭』でした。1つの街や施設のみを作りこみその場所を中心に物語を展開させることで、通り過ぎるだけの街などへリソースを割かずに集中させることに成功しました。ゲームとして成功していたかは別にしても。
またこのリソースの集約、集中は芝村さんの珍奇なRPGばかりではなく、有名RPGシリーズの中にも同様の方針の下で作られたものが現れました。それが『ペルソナ3』以降のペルソナシリーズです。『3』以降、1つの街の中でイベントが起こり、NPCとの交流が物語の大きな部分になりました。1つの街や施設を中心に物語が展開され、少ないダンジョンを旅することでRPG的な冒険を見事に表現していました。『モンハン』はリソースを戦闘につぎ込んだタイプだし。
一方、次世代機以降の海外製RPGは物語へのリソースを大幅に削減する代わりに、何度も訪れることの出来る街、ダンジョン、そして多くのNPCを置くことが可能になりました。その成功例が『The Elder Scrolls IV : オブリビオン』であり、『Fallout 3』でした。自由度の高さが絶賛され、両作ともトリプルミリオン以上を売り上げ、Game of the yearに選出されています。
国内の一部でも世界的な潮流でも、RPGの潮流はそれまで主流だった「小さなシステム、大型ストーリーのRPG」から小さなエピソードを積み重ねた「大きなシステム、小型ストーリーのRPG」に移行しているように思います。その原因は先にあげた2作が欧米のPC文化から生まれてきたことや西欧的なリアリズムが大きいと思えます。
―膨れ上がるゲーム制作費:平均は20億円程度(WIRED VISION)
ただやはり根底にはリソースの問題がありそうです。けれど『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』などの老舗RPGはそういったこととは例外に作られるものとばかり思ってました。でもよくよく考えれば『Fallout3』より下手をすれば『Oblivion』よりも売れない、世界に大して大きな市場を持っていない『ファイナルファンタジー』がシェア3位のハードで発売されるのだから当然と言えば当然か。
PS3でも360でもどっちでも良いので、とっととWiiからシェアを奪い取ってくれないと、こういう大量のリソースを必要とするゲームは「数のスケールアップ」というリッチなゲームは北米向けのものしか遊べなくなるなぁ…もうそうなりつつあるけれど。