ゲームホリック

ゲーム大好きぃ!!でゲーム脳なのであること無いこと書き散らします。

豪華なゲームが出ない時代

2009年03月14日 | ゲーム
多くのRPGはリソースの無駄遣いが顕著です。以前某芝村さんも語っていましたが基本的に通り過ぎるだけの街やダンジョンを無数に作って行く必要のあるフィールド系RPGはJRPG、洋RPGに関わらず大きな無駄があります。日本の老舗メーカーやPCでの展開やマルチ展開を見据えた海外のメガパブリッシャーにこそ出来る芸当であって、国内や海外の中小開発のような限られたリソースしか持ち得ないメーカーにとっては今やほぼ不可能な芸当です。たとえそれを選択し、出来たとしても内容は充実しないものとなるでしょう。


そのせいか近年国内の中小メーカを中心として新規RPGがリリースされていますが、そのほとんどといって良いほど所謂『Wizardry』をベースとした、もしくはそのゲーム性の延長に位置するものであるところに現在のRPG開発の難しさと開発トレンドが見えてくるように思います。軸となる街が1つ、もしくは数箇所あってそこに多くないダンジョンがあるといった具合に。

アイドルマスターただこういった形のリソースの節減、部分的集中投下は現代ではRPGの世界ばかりのトレンドではないようです。例えばスマッシュヒットしている『アイドルマスター』なども高品質なモデリングを見せてくれていますが、ゲーム自体を振り返ってみると注力されているのはほぼモデリングのみで他はかなり安い作りとなっているように見て取れます。

龍が如く先月発売された『龍が如く3』も大まかに言ってしまえば、大きな街が2つあるだけのRPGです。そこに固定エンカウントによるアクションゲームを挿入し、アドベンチャーゲームを挿入し、イベントを挿入することによって、総体としての見栄えを底上げすることに成功していますが、かなり限られてリソースのやりくりの後がしのばれます。


今まではこれはほぼ日本だけの事象でした。特に北米市場は近年、経済全体がバブル期であったこともあり潤沢な資金力をバックにリッチなゲームが数多くリリースされ続けていました。非常に好調に推移していましたが、昨年よりの信用バブル崩壊の後、海外パブリッシャーが次々と赤字を計上し、多くのスタジオの閉鎖・統合が発表される事態に至りました。

このような事態に立ち至ると、必ずしもこれまでのように潤沢なリソースを投入することが出来るとは限りません。むしろスタジオの閉鎖や統合などを見る限りにおいては今まで通りに資金が出てくるとは考えにくいです。そうなると海外においても限られたリソースの中での開発を、一部のメガヒットタイトルを除いては、余儀なくされるように思います。



こんなことを空想していると以前からずうっと疑問に思っていたことが頭をもたげだします。それはゲームを作るのに必ずしもハードの性能をたっぷり使わなくてはいけないのかという疑問です。例えば『おとなのしくみ』の堀井雄二さんへのインタビューの中で、ファミコン時代は容量に悩まされていてPSになってディスクメディアを採用したから容量の限界から解放されたと思ったら内蔵メモリが問題になったとありました。

でもこの新たに持ち上がったという内蔵メモリの問題は表現を2Dから3Dへと変えた為に起こった現象だと思います。データの流用はしやすくなる一方でデータ量自体はドット絵の比較ではありません。それまで通りの2Dによる表現であったならば、内蔵メモリは問題にならなかったんだと思います。



つまりハード性能の上限に合わせてゲームを作ることが正しいのかということが言いたいのです。スクロールしない1つの画面のゲームだったり、横スクロールだったりが最先端のゲーム機で動いていても良いのではないかということです。表現に必然があれば、必ずしも3Dであったり、きっちりモデリングしたり、細やかなテクスチャーを施したりする必要は無いのでないかと思うのです。


例えば『Rez』などはワイヤーフレームやポリゴン数の少ないオブジェクトなどでゲームが構成されています。しかしこのゲーム画面を見て、「モデリングが粗い」、「テクスチャーが細かくない」などと批判する人はほとんどいないと思います。それはクリエーターが、ここでは水口哲也さんが、表現の必然のためにワイヤーフレームやローポリゴンを選択したことがコンセプトと理解されるからです。


クリエーターとして最先端の技術を使いたいのはわかりますが、PS時代頃から必ずしも最先端の表現がそのゲームに適しているのかと首を傾げたくなるようなゲームが増えてきているように思います。もちろん最先端の技術を追いかけることは重要です。最先端の技術が競い合ってこそ新たな表現を生み出しますし。けれど明確なコンセプト無しに、最先端の技術を無為に乱用したゲームでは面白くありません。

山内薄過去の2Dの表現は決して捨ててきた、劣った表現ではないはずです。けれどもそういった”過去の表現”は今までゲーム業界から否定され続けていました。
久多良木健ニンテンドー64では任天堂は2D表現を規制し、PS3では2Dシューティングの開発を拒絶したというエピソードは有名な話です。最先端のハードを作ったのだから、それに見合った表現をしてほしいというのは人情だとは思いますが決してそれだけではないはずです。



こういった進化主義的な考え方に一石を投じたのは2000年に開催された「BIT GENERATION」というビデオゲームを扱った小規模な美術展でした。それまでもある種のパロディとして散発的にいわゆるファミコン調のドット絵をモチーフとしたものはありましたが、ゲームの歴史を描くことによってメルクマールとして明確な形で後年日本のゲーム史に刻まれる事象として大きなものはこれが初めてでした。

レベルXこの美術展がファミコンをはじめとした過去の表現の評価へとつながり、よりブラッシュアップされ規模を拡大してファミコン製造終了の年、2003年には「レベルX」として大々的に開催されました。この再評価の流れが2004年にはGBA用ソフト「ファミコンミニ」シリーズにつながっていったと思います。またこのファミコンの再評価の延長線上に”GAMEの原点へ”と銘打った「BIT GENERATION」シリーズへと続き、現在ではそのコンセプトは「Art Style」に引き継がれています。


このファミコン再評価の流れはパルコに代表されるようなCM業界やアイコンとしてファッション業界などへ、またビジュアル面ばかりの評価にとどまらず、音楽業界でもテクノを中心としてチップチューンが流行となり、いまでは1つの表現として定着した感すらあります。そしてようやくゲーム業界にもグラフィックや音楽面で表現として省みられることが多くなってきました。

近年のリソースの集約化の影響もあってかグラフィックや音楽ばかりではなく、ゲームシステムまでもある種の回帰が起こっています。『勇者のくせになまいきだ。』などはグラフィックもさることながら、1画面に収まるステージの中でのアクションであり、かつ全ステージを通してのスコアを競うシステムからして、ファミコンをはじめとしたこれまでの日本のゲームをネタにしたネオファミコン世代と評したくなる内容となっています。

ファミコンなどのレトロゲームといわれるゲーム攻略してゆくCS放送の番組、「ゲームセンターCX」をモチーフとした『ゲームセンターCX』では、ゲーム内ゲームという形で8ビット、16ビット時代の、具体的にはファミコン、MSX、スーパーファミコン時代のタイトルを髣髴とさせるゲームをその周辺文化ごと収録したメタゲームというかなり近年の日本のゲーム状況、とりわけレトロゲームの評価を象徴するゲームとなっています。



ただまだまだパロディ、メタの域を出ていません。Xboxライブアーケードなどの家庭用ダウンロードソフトの中では作品規模や価格や容量の問題でそういった傾向もありますが、やはり経済的な必然が表現の必然を優先している印象が強く、過去の表現が選ばれているとは言えない状況です。

昔の表現やシステムは決してそれ自体は、古くはあるかもしれませんが、決して劣ったものではないはずです。その表現に必然性があれば、むしろ今の最先端のゲームシステムを用いるよりもしっくりくるはずです。例えばPS3やXBOX360で昔の表現やシステムを用いたら、それまで出来なかったことが出来るかもしれません。最先端の3Dばかりが表現ではないはずです。市場はまだ無いかもしれませんが。

『2』の成果か、ヱヴァンゲリヲン:序!!!ゲーム化

2009年03月12日 | ゲーム
6月発売情報(海外サイト)

EVANGELION序 PSP NBGI SLG 6月4日 5800YEN ULJS00201
EVANGELION序 PS2 NBGI SLG 6月4日 5800YEN SLPN25932


さぁ、期待通りというか、やっとというか海外経由では在りますが『ヱヴァンゲリヲン:序』のゲーム化情報が流れてきました。以前もPSP版『Persona』の情報もこのサイトからの情報が第一報だったのでほぼほぼ間違いないように思います。


気になるパブリッシャーはブロッコリー系ではないのがまずは一安心ですが、バンダイナムコゲームスです。今までリリースされてきているバンダイナムコ(旧バンダイ)の「エヴァゲー」は

・『新世紀エヴァンゲリオン 使徒育成計画』(WS) ※開発不明
・『新世紀エヴァンゲリオン』(N64) ※ベック開発
・『新世紀エヴァンゲリオン2』(PS2) ※アルファ・システム開発
・『新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ』(PSP) ※アルファ・システム開発
・『ぷちえう゛ぁ』(NDS) ※ベック開発

の5作品です。

『使徒育成計画』のみ開発元が分かりませんが、64版はベック開発、PS2版・PSP版はアルファシステム開発、そしてNDS版はベック開発となっています。またPS2版以降、プロデューサーが元アルファシステムで現ベック所属?の芝村裕吏さんなので、おそらくはこの路線での開発になる可能性が濃厚のように推測できます。

今はまだジャンル名がSLGとしか示されておらず、詳しいジャンルは判明していませんが、旧バンダイを含む過去5作品の内、3作品はSLGです。作品評価の評価を振り返ってみると、PSP版が最も高いと思われるのでおそらくは「ワールドシミュレーター」になるのかなと願望込みで思っています。PS2・PSPでのマルチであることも勘案するとなおさら。

けれどネックになるのがタイトルが『序』であるということです。完結している作品ならともかくとして、終わっていない作品を「ワールドシミュレーター」化するのは些か無理があるような気がします。最悪の場合、ブロッコリーやサイバーフロントがリリースしたようなシミュレーションとなる可能性もあります。それなら『2』の焼きお直しでも何でも良いと思えます。



ゲーム化が発表されたのはまことにもって嬉しいことです。けれども機種がPS2、PSPというのが本当に残念な限りです。普及台数や開発コストなどを考えれば、当然の選択であることは言うまでもないのですが、出来ることなら『破』のゲーム化の際は次世代機で、日本国内ではPS3しかありえませんが、リリースして欲しいところです。

WATCHMEN

2009年03月11日 | ゲーム
取り立ててやるゲームが無いときには無料のデモが最高です。殊に360の北米ゲームマーケットプレイスはまさに宝庫で、やる物に事欠きません。


『WATCHMEN』の映画が公開されると昨年辺りから耳にしていて、「メタヒーロー」ものらしく楽しみにしています。シネマゲー盛んなアメリカであるのでゲーム化されるとは思ってましたが、まさかLiveアーケードでリリースされているとは思いませんでした。北米ライブにデモが置いてあってビックリです。

それだけではなく触ってからがビックリ。アーケードのゲームは面白いかどうかはともかくとしてデモやスタート画面、全体の作りが安いという先入観があったのですが見事に吹き飛ばされました。技術的な部分はいまいち分からないのですが、素人目にはフラッシュっぽいフラッシュではないアニメに見え、安っぽく感じません。

デモは原作を再現したようなアメコミ作画調の、敢えて言えばフラッシュ調のムービーが展開されます。『MGSPO』でもすでにバンドデシネを再現する形で同様のものが用いられていましたが、今作のそれは『MGSPO』とは異なってアメコミらしく大ゴマの中でちゃんとアニメしているためか、より普通のアニメに近い印象を受けました。


『MGSPO』のそういった演出が表現の必然というよりもコスト削減の必然という感じがして、苦手だったのですが、今作のそういったムービーは原作の雰囲気を残そうという意図にあふれているように感ぜられました。


そして再び驚いたのが中身のゲーム自体です。パッケージ版並みのモデリング、モーションもしっかりとしたモーションキャプチャーや調整をしているようで動きに”重さ”が感じられます。その中で何よりも驚いたのが攻撃時の重量感。敵を殴ったときのあの”重さ”は『ボクサーズロード』などのNEW関連のボクシングゲーム以来です。


ちょっとこれは北米MSPを買わないといけないかもしれません。さすがは1600ポイントの価格だけはあります。



また2KのMLBの最新作、『MLB 2K9』をプレイしてみました。グラフィックではPS3オンリータイトルの『The Show』シリーズには遠く及びませんが、前作よりもグラフィックが進化し、何よりも全体がブラッシュアップされていて大分プレイしやすくなってます。特にアナログスティックからボタンになり、分かりやすいパワーメータを備えた外野からの送球はかなり良いです。


UT×Japan Game

2009年03月09日 | ゲーム
UNIQLO UT:UT×Japan Game


ユニクロのUTで日本のゲーム作品とのコラボTが発表されました。ユニクロとゲームとのかかわりは以前からも微妙にあって2003年ごろ、まだUTとブランディングする前に企業コラボTとしてXBOXTシャツを発売し、UT以降は『MGS4』とのコラボやセガ(『バーチャファイター』や『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』など)とのコラボを出していましたが、ここまで大括りなのは初めて。

3月16日発売分は『パックマン』、『ボンバーマン』、『ディグダグ』、『アルカノイド』、『ギャラクシアン』、『マッピー』、『サルゲッチュ』、『バイオハザード』の8作品が発表されています。大半が8ビット時代のラインナップで、やはりドット絵(特に8ビット時代のドット絵)は記号的で、しかもポップなのでTシャツにはしやすいだろうなぁ。(でも逆にシンプルだからこそセンスを問われますが)

8作品の内数少ない32ビット機時代の『サルゲッチュ』と『バイオハザード』はより苦労が多そうな。まだ『サルゲッチュ』は記号的ではあるのでまだマシそうですが、『バイオハザード』は写実的なCGであるので本当に難しそう。その苦心の結果がピポザルの小さなシルエットで構成された大きなピポザルと登場するモンスター名の羅列なデザインのようです。『バイオハザード』は以前の『ハウスオブ・ザ・デッド』見たいな方が良かったようにも思います。


4月以降のラインナップを見てみると8ビット機時代以降の作品は「これ、どうデザインするの?」みたいな作品が多く、どのようにデザインされるのかがちょこっと気になります。『みんゴル』とか『逆転裁判』がちょっと危なさそう。『桃鉄』、『桃伝』はマップな感じをデザインに落とし込むんだろうか、どうなのか。

プレイステーションストア物語

2009年03月02日 | ゲーム
ソニー、ストリンガー会長が社長を兼務 ネットワーク関連機器を統括する新グループ発足など機構改革を実施(ITpro)

ネットワークプロダクツ&サービス・グループには、ソニー・コンピュータエンタテインメント、パソコンの「VAIO」事業、「ウォークマン」などのモバイル機器事業が含まれる。これらの機器へのオンラインサービス基盤として、「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」を活用していくことが課題となる。現在、PSNの全世界での登録アカウント数は約2000万。

 ネットワークプロダクツ&サービス・グループの担当は、現ソニー・コンピュータエンタテインメント社長兼グループCEOの平井一夫氏が兼務する。(上記記事内引用)

ソニー、ストリンガー氏が社長へ--ネットワークサービス事業を強化(CNET JAPAN)

ネットワークプロダクツ&サービス・グループとして新事業を担う平井一夫氏は「プレイステーションなどのゲーム事業を経て、ハードとソフトを一緒にマネジメントすることに関わってきた。今後はその重要性が改めて大事だと感じている。これまで培ってきたこのノウハウをいかして、ゲームの領域から幅広く広げていく事業を手がけることをうれしく思っている」とした。(上記記事内引用)



先日ソニー本体の中鉢社長の退任が発表された折、強調されたのがネットワークサービスを中心としたソフトコンテンツへの集約です。ここでは特にPS3、PSP、PC向けのPlayStation Networkを中核としたネットワークサービスに力を入れていくようです。その前触れかどうかは分かりませんが、PSNで現在配信されている「プレイステーションストア物語」が面白いです。

PSストアとファミ通Waveとのコラボらしい「PSS物語」とは要はファミ通Waveのレギュラー、アメザリさんと松島初音さんによる緩いコントを通してゲームの紹介を行ってゆく番組です。3本のダウンロード専売ソフトを特集した3本の番組があり、それぞれ約11分と番組といって差し支えないほどの収録時間です。


特筆すべきはアメザリさんと松島さんの掛け合いによる紹介。今一何をやるのか分からなかった『ゴミ箱』のゲーム内容が良く分かったのが一番の収穫でした。ゴミ箱にゴミを放り投げ込んで行くパズルゲームですが、如何にゴミの体積を減らして行くかが重要なようです。重いものを一気に落とすことでそのもの自体や下にあるゴミを壊すことが出来、それによって体積を減らすことが出来るらしいです。


個人的に期待していた『Mr.PAIN』も「PSS物語」配信と同時にいつの間にか配信されていました。『Mr.PAIN』の紹介も掛け合いが面白かったです。どうせなら今一内容がプレイしていない人もプレイした人からも分かりづらいと評判の『のびのびBOY』を紹介して欲しいです。

(9日追記)先週くらいからかプレイステーションストアで、「ファミ通Wave DVD」4月号に収録されていた「はじめてのプレイステーションストア物語前編」が公開されたようです。早速観てみましたが、松島初音さんでさえ「目的の無いゲーム」と切って捨てていました。やっぱりよく分からないツールみたいな、おもちゃみたいなゲームなんだろうと一応理解しました。