昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

風に揺れる蛹 ⑧

2017年06月11日 | 日記
久しぶりに内線で坪倉を呼び出した。 「どうした?珍しいじゃねえか。社内で呼び出されるの、何年ぶりかなあ」 会議室の電気を点けながらそう言ってすぐ、坪倉は事態を理解したらしかった。 「あれ?お前もか?」 「え?お前もかって?」 「辞めるんじゃねえの?」 「なに?じゃ、お前、辞めるのか?」 「うん」 「お前、驚かしてくれるよなあ、いつも。ほら、入社して間もない時もさあ…& . . . 本文を読む