タイトルは4月にゲストの畠野さんが紹介された椋鳩十の言葉で「見る 読む 聞く は 人間をつくる三大要素である」の「読む聞く」を意味します。
その三大要素のうち「見る読む」が視覚能力に依拠し、「聞く」は聴力です。視覚障害者が「読む」という要素をどうやって自分のものにしていくか、今日のゲストお二人は、自らの体験をもとに視覚障害者の仲間にパソコンの活用でそれを拡げていく活動をされている方です。
芸は身を助けると言います、現代では技術ということでしょう。視覚に障害をお持ちだったお二人はパソコンを扱うことから一般のパソコン同好者の集まりに入っていました。文字を音声で表示する機能をもったパソコンを使って、「読むを聞くに変換」していくことで活動を続けられたのです。
当時から個々の視覚障害者のパソコン活用の相談には応じておられたようですが、その集まりが解散した後本格的な活動を始めました。視覚障害者の悩みを分かるのは自分達だ!という気持ちが強く働いたのです。その集まりが「パソボラひまわり」です。「ひまわり」を立ち上げて10年、現在サポーター19人サポートを受けている人が59人とのことでした。
人間が情報を受け取る能力のうち視覚を失うと全体の80%を失うことになるとのこと。その回復やそれに代わる能力の獲得は、人として生きていく基本的な要求です。お二人のお話でもパソコンを使って今まで出来なかった文字を聞き取ったり、本や雑誌を読み取ったり、貯金通帳を読み取ったり出来るようになり、日常生活が前向きになったと喜ばれています。
情報を得ることは社会参加につながります、視覚障害者にとって「聞く」ということの重要さを再認識しました。その意味でラジオのはたす役割も大きいものがあることを教えてくれた番組でした。