一昨日のこのブログのページ、
あらためて芥川龍之介の一句、このページにも書かれていますが、芥川の辞世句となっています。
そのことに関係した話がこちらで知れます、
全文はこちら、
芥川はこの句に「自嘲」と記しています。句そのものは自死した年の6年前(大正十年頃)に詠まれたとされています、
水涕や鼻の先だけ暮れ残る 芥川龍之介 評者: 松王かをり - 現代俳句協会
己の辞世句としてこの句を選び「自嘲」の二字を添えて、然るべき人の手に渡しています。
さてこの句は,この本のなかにもう一度載せられています、
本の偶数ページ下段に横書きで「現代名句」が象嵌されている、ユニークな仕掛けだと本の編者・齋藤慎爾が自賛してます。
見た通り「矢ではなく先」です、あらためて何故、先が矢に?
考えられるのは崩し字の原稿で、読み違いをしたということでしょう、
これが「先」の崩し字、
こちらが「矢」
字の形が似ていて見間違い、勘違いがあったとしても、何より芥川龍之介の辞世句として知られ編者自身が「現代名句」として紹介している一句です、さらに「矢」では五七五の中七になりません。
何故編集段階で気がつかなかったのか、何故私も読み落としていたのか?
「後世恐るべし」をもじって「校正恐るべし」と言いますが「読み落としも恐るべし」です。