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葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

がんー68ー「がん・癌」を知らせる

2025-04-10 16:56:42 | 「がん」を読む

過ぎた8日に「がん」について、このブログで書きたいことがあったのです。たまたまネットサーフィン的にiPadを見ていたら、あるがん患者の方のブログに出会いました。

目についた言葉が「思い切って」という書き出しで、「思い切って」自分ががん患者であることをブログに書くことにした、という意味でした。確か年齢は60歳代男性で、書かれている病状では末期がん、日常生活も妻の支えで過ごしていました。

私が関心を持ったのは、この人も(と書きますのは私の娘も、という思いがあってです)通常のがん治療を拒否していてブログには病院とか医師のことが出てこない、少なくても私の目を通した部分には……。

この人は(2年ほど前の)その日のブログに、「思い切って」がん罹患の状況を何年か遡って書き記して有りましたが、その日以後ブログは書かれていませんでした。このブログは貴重だと思って「保存」しようと思いながら、他のことにiPadを使い出しそのブログから離れてしまいました。

このブログで、確認したかったのはその最後の日以前のブログに、がんも含めて病身であることがどう書かれていたのか、あるいは書かれていなかったのか、です。

タイトルを「がんを知らせる」としましたのは、まず「がん告知」ということがあります。

それに関して先日紹介したこの本、

近藤医師の書かれたこの部分ですが、

がんの告知が絶対的なタブーの時代で、全員の病名が良性疾患ということになっていた。すると、涙をみせて、がんと知られたら大変だからと、家族でさえ、患者と本音の話ができなくなる。医者やナースとはもちろん意思の疎通ができず、病棟の雰囲気は暗くて、最悪。なんでこんな科に入ったんだろうと後悔したけど、もう引き返せないから、がん治療について一生懸命勉強するようにもなった。そして、どう考えて死にそうな人に抗がん剤をやるのはおかしいとか、いろいろ疑問をいだくようになっていきました。

それらが下地となって、一九八〇年にアメリカ留学から戻って、病棟を自分の思いどおり運営できるようになったとき、いろいろ改革しました。日本で初めて、がんという病名を全員に告知し、固形がんに対する抗がん剤治療は病棟から追放。半面、悪性リンパ腫は抗がん剤で治るから、日本で真先にいちばん強い抗がん剤治療を行った。ただただ、どうしたら患者さんがラクに安全に長生きできるかだけを考えてやってきました。

この前文に、「一九七三年に医者になっととき」とありますから、日本でがん告知が絶対的タブーであった時代とは1970年代までから80年代にかけてということでしょう。今日では、がん告知は一般的にがん治療の前提になっているのではないでしょうか。

しかし、がん患者あるいはその家族がその病状を知人友人など、周囲に知らせることは「無い」あるいは「殆ど無い」でしょう。ましてやブログなど不特定多数の目に触れる場に、「生き死に関わること」を晒す必要は無いのです。にも関わらず先のブログの60歳代の男性は、「思い切って」私事を公表したのでしょう。また私は、なぜ医者が描いた膀胱癌細胞の図を写しブログに載せたのでしょう。

その図は検査手術の段階のものでしたが、癌細胞には「悪性度 悪い」とメモされていました。正直その悪性の意味もよく分からないことで、「これは簡単なことではないな」くらいの受けとめでした。ただその部分を妻や子には見せまいとか、ましてやブログには出さないという気持ちはまったく浮かんでは来ませんでした。

それは医師と共に自分も画像を通して見た自分の膀胱内から切除してきた細胞で、その癌細胞としての判断は,医師の認識によるもので私にとっては唯一の判断でした。それは自分のものであると同時に、一人の膀胱癌患者の切除された細胞(小瓶のなかに浮いていました)である、それ以上でもなければ以下でもない、というような……。  


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