折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

安芸 鞆の浦

2022-11-16 | オトナの遠足

福山市鞆の浦。

汐待ちの港と言われるだけあって穏やかな風景が目に飛び込んできた。

 

 


  2022.11.03 13:09   SONYα7R3   FE24-70mm F2.8GM2  ( F5.6  1/320sec   ISO100)

 

「写真は引き算」という言葉がある。

被写体を絞れ、との例えだ。

もっともなこと、とふだんなら忠実にそれを守る。

けれども、ここ鞆の浦においてはそうは思わなかった。

目に入るものすべてが、人々の雑踏が、そして漁船が放つ油の匂いさえも

被写体になると感じたからだ。


  2022.11.03 14:13   SONYα7R3   FE16-35mm F2.8GM  ( F2.8  1/8000sec   ISO100)

 

晩秋には珍しい穏やかな午後。

陽に照らされた鞆の浦を目を細めながら眺めていた。


カントリーロックグループ ポコの名曲を。

季節外れのこの陽気。小春日和のことをかの国では『インディアン・サマー』と呼ぶのだとか。  

 
 Indian Summer   Poco

 

 

 

 

 

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丹後半島 伊根

2022-11-14 | オトナの遠足

舟屋が立ち並ぶ伊根の集落。


     2022.11.02  13:56   SONY α7R3   FE24-70mm GM2 (47mm  f8  1/125sec  ISO100)

 

イギリスに住む妹夫婦が帰国して兄妹三家族で旅行に出かけたのだが、

できるだけ日本らしいところを案内してやろうと最初に訪れたのが伊根だった。

初めて伊根を知ったのはやがて30年ほど前。

NHK朝の連ドラの舞台となった時だ。

それ以来、この風景が目に焼きつき、これで三度目の訪問となる。

年間30万人もの観光客が訪れるということで

最近いくつかのカフェや食事処が出来たようだが

あくまでもこの景観に配慮しながらのことなので

原風景ともいえる伊根の佇まいは変わらない。

重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)にも指定されている。

当然のことだと思う。


     2022.11.02  13:31   SONY α7R3   FE24-70mm GM2 (70mm  f2.8  1/1000sec  ISO100)

 

さて、伊根の舟屋を眺めているとひとつ心配なことが思い当たる。

船の出入りを容易にするため、舟屋は海に直結している。

冬、日本海に面した地方は北西の風に煽られた大きな波が一様に押し寄せる。

それで、ほとんど高低差もなく海に直結していて浸水しないか、という心配をするのだ。

江戸時代中期から舟屋は存在しているので、結論としては大丈夫と言うことになるのだが

そこには伊根の地形が影響している。

伊根は日本海に面してはいるが、大きくは若狭湾の中にある。

また、集落は南向きの入り江に面していて、外海への水路には青島という小島がある。

つまり西北の風は背面の山が防ぎ南からの波は青島が蓋をしている地形なのだ。

 


   2022.11.02  13:31   SONY α7R3   FE24-70mm GM2 (70mm  f2.8  1/320sec  ISO100)

 

伊根を眺めながら、妹夫婦は「東洋のベネチア」だという。

調べてみると「東洋のベネチア」なる場所は日本を含むアジア各国にある。

水と人々の暮らしが密接につながっている場所をいうのだろう。

ベネチアのことを「西洋の伊根」と言え、と二人をからかいながら

ずっと先の時代まで残したい原風景に見入った次第だ。

 

 

 

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木戸池の朝を雨の日と月曜日に

2022-10-10 | オトナの遠足

志賀高原で出会った朝の光景。

 
 2022.10.02 06:45AM Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2 (29㎜  f/5.6,1/320sec,ISO1000)                                                                                                        2022.10.02 06:49AM Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2 (70㎜  f/2.8,1/80sec,ISO125)    

 

笑子さんchacha〇さん、そしてD師匠とのオフ会で訪れた志賀高原。

信州から草津へ抜ける国道292号線沿いで夕景、星空を楽しみ、

さらに夜明けに歓喜した後で訪れたのがここ木戸池付近。

紅葉には少し早かったようだが、前日からの晴天で冷え込んだせいか

初冬を思わせるような光景に出会えたのは幸運だった。

 
    2022.10.02 07:01AM Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2 (70㎜  f/5.6,1/80sec,ISO400)    

 

ところで、今日10月10日「スポーツの日」を含むこの三連休のこと。

元々は10月10日が晴れの特異日だったことから

1964年に開催された先の東京オリンピックの開会式に選ばれ、

その後、「体育の日」として国民の祝日に制定され、今は「スポーツの日」となっている。

つまりは晴れる確率が高く、行楽日和を期待した人も多かったはず。

ところが、三日間とも金沢は雨模様。

残念と言いたいところだが、このところ週末に出歩くことが多かったので

休養を決め込んで溜まった写真の整理を楽しんでいる。

ゆったりとした時間を楽しみながら

そして、この曲を繰り返し聴きながら...。

Carpenters - Rainy Days And Mondays

好きなことをやっているので、雨の月曜日だからといってふさぎ込んでいるわけではない。

動画の冒頭に登場するカレン・カーペンターの写真に惹き込まれたのだ。

少女の面影を残すいくつかの表情に思わず頬がほころぶ。

生きていたなら72歳。どんな女性になっていたのだろうか、などと他愛無い思いを巡らせつつ。

 

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梅花藻と「ア、秋」の話

2022-08-24 | オトナの遠足

中山道醒井宿の夏。

 

醒井へは何度となく訪れている。

それにもかかわらず、ようやく出会えたのがこの光景。

地蔵川の清流の中、そよいで咲く梅花藻の花だ。

 

地蔵川の源流は居醒(いさめ)の清水。伊吹山の伏流水が湧き出している。

古くから知られる名水で、伊吹山の神に戦いを挑んで敗れたヤマトタケルが

傷を癒した清水として、古事記や日本書紀にも記されているという。

神代から枯れることなく滔々と湧き出る清流。

それがいつのころからか梅花藻を育み

夏の訪れとともにその可憐な姿は人々の目を慰めているのだ。

 

さて、毎年この時期になると「ア、秋」の光景を探し始める。

「ア、秋」とは太宰治が自身の創作ノートに残した文章のことで、

言ってみれば、ヒントまたは備忘のようなものだという。

そこにはこう記されている。

「夏の中に秋がこっそり隠れてもはや来ているのであるが、

 人は炎熱にだまされてそれを見破ることが出来ぬ。」

確かにそうだ。夏から秋への季節の変わり目はわかりづらく

暑い暑いと言っているうちにいつの間にか秋になっている。

つまり、この時期になると、夏に潜む秋の気配を撮ってやろうと

ひとり目論むのだ。

 

そして、今年の「ア、秋」は...。

 

地蔵川に落ちた百日紅の赤い花が梅花藻の花に彩りを添えていた。

 

その様子に近づき、カメラを低く構えていたところ...。

そのとき、川面を渡る秋の風がひんやりと頬を撫でていった。

そうだ。今年の秋はすでに梅花藻の花に潜んでいたのだ。

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冬枯れの風景

2021-12-12 | オトナの遠足

11月後半に訪れた軽井沢。

2年前、ちょうど同じ時期に訪れた折は、

まだ紅葉が残っていたが、今年は季節が早く進んだらしい。

あたり一面はすっかり冬枯れの様相。

 

それでも、湿気の多い北陸に比べると

乾いた冬は新鮮な光景に映る。

枯れた景色の中にうっすらと残る色彩を楽しんでみた。


 
   Sting - Fields Of Gold (HD) Ten Summoner's Tales

 冬の日、柔らかな陽が射しこむ室内で繰り広げられる極上のセッション。

 心温まる音楽、そして光景だと思う。

 

 

 

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Echoes

2021-10-30 | オトナの遠足

森を眺めていて思ったことだが...。

どこかヒト以外のナニモノかが潜んでいるような気配を感じたりもする。

近くに「もののけの森」と名づけられた場所があることを思うと

そう感じるのは私だけではないのかもしれない。

そして、静かに夜が明け始めた、この中には...。

      白駒の池(長野県佐久穂町)2021.10.03 06:21   Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (45㎜ f/2.8,1/60sec,ISO100)    Filter : Kenko Blackmist No.05       

 

断片的な知識で恐縮だが

ギリシア神話の中にエーコーという妖精が登場する。

Echo(木霊)の語源となった妖精のことだ。

いくつかの寓話はあるようだが、

他人の嫉妬や怒りを買った結果、体を失くし、声だけの存在になった。

端折るとそんなところだが、そんな話を思い出しながら、

静けさの中、暗がりから徐々に現れる森の様子を眺めていた。


 
  Echoes     Pink Floyd   (Live at Pompeii )

オリジナルは20分を超える大作で、このライブにしてもそう。

したがって、この映像はところどころカットされている。

しっかりとお聞きになりたいという向きはこちらで

https://www.youtube.com/watch?v=PGwPSPIhohk

 

 

 

 

 

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白駒池 湖畔の森から By空倶楽部

2021-10-29 | オトナの遠足

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


これは空写真かな...と思いつつも

白駒池ほとりの森から。

     白駒の池(長野県佐久穂町)2021.10.03 06:27   Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70㎜ f/2.8,1/2500ec,ISO100) 

 

満天の星で出迎えてくれた八千穂高原の空。

送り出してくれる時もまた、

色とりどりの紅葉がまぶしい快晴の空だった。


 
   Hope    Quicksilver Messnger Service

 

 

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目覚める森

2021-10-24 | オトナの遠足

ファインダー越しに、この光景を眺めながら思った。

朝日を浴びて森が目覚め始めている、と。

     白駒の池(長野県佐久穂町)2021.10.03 06:21   Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70㎜ f/2.8,1/80sec,ISO100)    Filter : Kenko Blackmist No.05  

 

白駒池周辺に生息する苔は500種類にも達するという。

驚異的な数だ。

以前、苔による建物の壁面緑化に携わったことがある。

滋賀県の山間での仕事だった。

ある研究者によると、苔は土着性が強く、他所から持ってきても育たないことが多い。

そこで、全国的に広く分布するスナゴケを媒介にして、土着の苔を呼び込むことにした。

その試みは功を奏し、10年たった今でも土着の苔が描く壁面緑化は瑞々しい。

そこは人里からかなり離れていて、緑が豊かな場所だ。

しかし、それにもかかわらず、土着の苔は10種にも満たなかった。

それだけに白駒池周辺に生息するおびただしい苔の数に驚いたのである。

その苔たちが朝日を浴びながら一斉に目覚め始めていた。


神秘的な光景を前にふと思いついたのが。

 
  Crystal Silence    Chick Corea & Gary Burton

チック・コリアのリターン・トウ・フォーエヴァー時代の曲を

盟友ゲイリー・バートンのヴィブラフォンと共に。

 

 

 

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白駒の池 森の佇まい

2021-10-23 | オトナの遠足

空倶楽部オフ会の話題が続く。

八千穂高原での星空撮影を午前三時に切り上げて白駒池へ移動。

駐車場に着いたのが4時前後だったが、駐車場はすでに満車に近い。

登山客に加え、紅葉目当てのハイカーたちがどっと押し寄せたらしい。

駐車場からさらに山道を15分程度登るが

白駒池は標高2000メートルの高さにある湖としては日本最大級の湖だそうだ。

 

さて、夜明けを待って撮影を始めたのだが...

前夜から続く快晴の空に上り始めた朝日がやたらと眩しい。

いや、それは目が痛いほどに刺すような強烈な光だった。

ということは明暗差もかなり激しい。

山道を歩くと聞いていたので、できるだけ軽装でと

レンズは広角~中望遠のズームのみ、

三脚だけは持ったものの、フィルター類はほとんど車に置いてきた。

したがって、明暗差への対処ができず、早々と遠景はあきらめ

近場を手持ちで撮影することにした。

それで。大自然を前にしながらも

「森の佇まい」とマヌケなタイトルをつける所業となった次第だ。

 


    白駒の池(長野県佐久穂町)2021.10.03 06:27   Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/9,1/320sec,ISO100)    Filter : Kenko Blackmist No.05  

 

このシリーズ続く。

 


折にふれてでもないが

ライ・クーダーの「パリ・テキサス」

 
  Ry Cooder  Paris, Texas

日本にはない乾いた風景にギターの音色がよく合う。

観てはいないの詳しいことは知らないが、

「パリ・テキサス」とは、ライ・クーダーがサウンドトラックを担当した映画のことで、

Paris とは花の都のことではなく、テキサス州にある同名のさびれた街の名なんだとか。

 

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「私はここにいるよ」

2021-10-07 | オトナの遠足

先の週末に空倶楽部で交流いただいている方たちと訪れた八千穂高原。

夕方から星空を撮影し、明け方からは白駒池へ。

そこには苔むした森があって、

もののけの森と呼ばれているとのこと。

みんな徹夜まがいの撮影で疲れていたので

残念ながらそこにはいかず

夜明け前から白駒池のほとりに陣取って

対岸の紅葉にカメラを向けていた。

あたりが白んできたころ

それまで気づかなかった足元に異様な光景が...

「わたしはここにいるよ」と

一瞬、もののけが這い出てきたのかと

夢中でシャッターを切っていた。


  白駒池(長野県佐久穂町) 2021.10.03 05:59  Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 ZA SSM (70㎜  f/5.0,1/25sec,ISO100)    

 


二日間で往復750Kmの道のり。

長い道中、眠気対策で聴いていたのが

ドロレス・オリオーダン率いるクランベリーズ。

楽しくて有意義だった旅を思い出しながら

あらためて彼らのパフォーマンスに見入った次第だ。

 
  The Cranberries - Promises 1999 "Paris" Live Video

ドロレスの熱唱に聴衆も狂喜乱舞。

会場は文字通り興奮のるつぼ。

 

 

 

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