折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

早春の敦賀 海と空に古への思いを馳せる By空倶楽部

2016-02-29 | 空倶楽部

2月27日、敦賀湾。

前日までの荒れた天気がウソのように穏やかな敦賀の海。

とは云え、このあたりの海。

冬であっても、そう荒れた様子を見たことがない。

地形を思い浮かべると、なんとなくではあるが、その理由がわかるような気がする。

まず、広く若狭湾内に位置し、またさらに敦賀湾に囲まれている。

この地形が、冬、北西の風による激しい波を和らげているのかもしれない。

ところで、敦賀と書いて「つるが」と読む地名。

いかにも当て字のようであるが、最近その謂れを芭蕉の句で知った。

ふるき名の 角鹿(つぬが)や恋し 秋の月


古事記では「つぬが」と記載されており、古くから大陸伝来の地であったらしい。

さらに「つぬが」は、古代朝鮮の王子、都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)の名前に由来するという。

都怒我阿羅斯等は帰国の際、崇神天皇より、天皇の呼び名である「御間城(みまき)」を国名とするよう授かり、

それが、古代朝鮮にあって、日本府が置かれた「任那(みまな)」の語源となった説ともなっている。

やがて、その任那を滅ぼした新羅に対する聖徳太子の征討と挫折。

任那の友好国、百済支援のための出兵と白村江(はくすきのえ)での大敗。

出兵、防御による疲弊がひとつの政治背景として、古代史史上最大の内乱「壬申の乱」を引き起こす。

 

・・・・と古代に思いを馳せながら、遠く敦賀半島を眺める。

そうそう。

最近、「天空の蜂」を読んだ。

敦賀半島の先端にあるのが高速増殖炉「もんじゅ」(原作では「新陽」として登場)。

この景色では、半島先端のひときわ小高くなったあたりの上空。

大型ヘリコプターがホバリングしていたことになる。

という、ついでの話。

 


なんとなくの選曲は…

ロバータ・フラックの名曲、「愛は面影のなかに」。

 

Roberta Flack - First Time Ever I Saw Your Face

初めて、あなたの顔を見たとき

瞳の中に、昇る太陽を見たような気がした…

そして、初めて口づけを交わしたとき

手の中に鼓動する大地を感じた…

 

 

「9」のつく日は空倶楽部の日   

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東山ボヌールで若者用語を考えてみた

2016-02-26 | 日常の中に

とある冬の日。

なんとなく立ち寄ったカフェ東山ボヌール

加賀市の山あい、山中温泉の景勝、鶴仙渓に沿った森の中にある。

 

古民家を改装したと思われる店内。

ゆったりとした時間が流れていた。

もともと目的があって入ったわけでもなく、

手持ち無沙汰に、なんとなくスマートフォンを検索していたところ、

当ブログでもお世話になっている(?)ポータルサイトつながりで「gooランキング」に興味深い記事が...。

題して、「意味がわからない略語、若者用語ランキング」

その解説には、

「若い世代を中心に日々生み出される新しい言葉の中には、

 その時代を象徴するような流行語に発展するものまであり、

 その威力に圧倒されることも。

 若者の間で交わされる会話などを通して生み出される略語たち、

 みなさんはどれくらい理解していますか?」

とある。

元来のサブカルチャー好き。

興味津津に当世若者言葉に挑戦してみた。

 

(略語)        (jurakuの回答)                   (正解)

 ATM         現金自動預け払い機...?             あなたの便りを待っている

 NHK         日本放送協会...                   なんか変な感じ

 ブンブン       ...丸? 元ヤクルトの池山選手          セブンイレブン

 ヒラリー       クリントン...?                     平のサラリーマン

 どいたま      土井先生の卵料理...苦しまぎれ          どういたしまして

 あざま        浅間山荘事件...かなり苦しい           ありがとうございます

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・惨敗である。

しかし、痩せても枯れても「元」はと云えばれっきとした若者。

東山ボヌール特製、生しぼりの「コレ」をかつて一世を風靡した略語で読んで名誉挽回!

 

レスカ!

「どうだ!」とばかり、調べてみたところ...。

ある記事曰く。

それを聞いた20代のメンバーの反応→「レスカ・・??」
30代前半メンバーの反応→「レスカ・・(って何だっけ)・・あ、レモンスカッシュか!」

どこで聞いたか知っていたレスカという響き。

久々にその言葉を聞いた時に浮かんだ形容詞は正直いって「ダサい」であった。

が、昭和の良き時代を思わせ、なぜかほっこりしてしまう可愛らしさがある。

 

・・・傷口に塩を塗られたような気分である。

 


折にふれての選曲は...

ゆがんだ窓ガラス越しに映る景色。

LEDになれた目にはなんともやさしい電球の灯り。

必要なだけの照度の中に浮かび上がる古びた調度品。

すべてが心地よい空間の中で聴いてみたい曲。

 

♪ 煙が目にしみる    プラターズ

 

 

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映画「アラバマ物語」 …ハーパー・リー逝去に寄せて

2016-02-22 | 折にふれて

アメリカの女流作家ハーパー・リーが亡くなった。

こどもの頃、彼女の代表作「アラバマ物語」を何度も読み、

その時の熱い感動とさわやかな読後感を今でも忘れない。

今さらながらではあるが、彼女に感謝するとともに、ご冥福を祈りたい。

 

 

子供の頃の感動は、大学生となったときに別の形で蘇る。

東京の名画座でリバイバル上映された映画「アラバマ物語」である。

1962年の作品と云うからその当時で封切からすでに20年近く、

そして今となっては50年以上も昔の映画となる。

 

主演はグレゴリー・ペック。

グレゴリー・ペックと言えば「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーン”王女”が恋に落ちる新聞記者役で有名。

その彼が正義感の強い父親像を演じて、アカデミー主演男優賞に輝いている。


おおまかにその内容をご紹介。


舞台は、人種差別がまだまだ根強い1930年代のアラバマ州の小さな町メイコム。

そこに住むペック演ずる弁護士のアティカスと2人の子供たち。

そのアティカス一家と町の人たちのふれあいと人種差別による悲しい出来事を横糸に、

子供たちの心の成長とそれを見守る父親の絆を縦糸として紡いだ物語である。

観客を意識した過度な演出、意図的なシーンやセリフがあるわけではない。

あえてモノクロ(この頃、カラー技術はすでに定着していたと思うが)の淡々とした映像の中に、

その時代を忠実に再現したかったのではないかと感じている。

さて、そのあらすじはと云うと…。

貧しい町メイコムに住む正義感あふれる弁護士アティカス。

そして、幼い時に母を亡くしたものの、父アティカスを尊敬して素直に育った2人の子供達。

好奇心旺盛な12歳の兄ジェムと6歳になるおてんばの妹スカウト。

そんな2人の最大の関心事は近所の古びた家の地下室に潜むという噂の「怪人ブー」のこと。

2人は何度となく、ブーを探しに行こうとするが、途中で尻込みし、決まって逃げ出してしまう。

そんなアティカス家が貧しくとも幸せに暮らすある夏、一家を巻き込む大きな出来事が起こる。

白人女性レイプの疑惑で起訴された黒人青年トムを弁護することとなったアティカス。

トムはまじめな青年で明らかに冤罪。

しかし、メイコムは人種差別が色濃く残る南部の小さな町、

アティカスは心無い白人達の非難や妨害を受けるが、

持ち前の正義感で懸命にトムを弁護する。

判決が下される法廷。

トムの無罪を信じる人達に混じって裁判を見守るジェムとスカウトの姿も。

アティカスの必死の弁護で誰が聞いても明らかにトムは無罪。

判決は陪審員に委ねられるが、白人だけの陪審員が出した判断は有罪。

無念の気持ちを押し殺し、トムを励ますアティカスだったが、その夜、トムは失意から逃亡し、射殺されてしまう。

やるせない事件の夏が過ぎさったその年のハロウィーンの夜。

ふたたび、たいへんな災難がアティカス一家に降りかかる。

事件の弁護を引き受けたアティカスを逆恨みした被害者女性の父がジェムとスカウトを襲ったのだ。

スカウトをかばうジェムは重症を負って気絶。スカウトは捕えられ絶体絶命。

と、その時。 間一髪、2人を救ったのは思いがけない人物だった...



先にも書いたが、どちらかというと地味な映画である。

しかしながら、客観的であろうとする演出がかえって心に迫ってくる。

今でも思い出すと目の奥が熱くなるのはこのシーン。


・・・トムの判決が下り、人がまばらになった法廷。

まるで何事もなかったように、淡々とした様子で書類を片付けているアティカスのうしろ姿。

そのアティカスを見つめる黒人の一団の中にいるジェムとスカウト。

ジェムは無念さから顔を覆い声を殺して泣き出してしまう。

長い裁判に疲れたのか、隣の黒人にもたれて無邪気に眠るスカウト。

アティカスが退廷しようとする、その瞬間。

一人の黒人が「(アティカスを)見送ろう」と言って立ち上がり、一団はその声に従う。

もちろん、ジェムとスカウトも・・・・。

黒人達のアティカスへの尊敬と感謝の気持ち。そして同時にアティカスの無念さややるせなさ。

それぞれの人の思いが重層的に表現された、印象に残るシーンだった。



永遠の感動作!

感動したい人はもちろん、人の優しさに触れたい人、泣きたい人・・・・お奨めである。

 


映画とは直接関係ないが、ニール・ヤングの1972年の名作「ハーヴェスト」に収められていた曲「アラバマ」 。

当時、まだ人種差別が根強く残るアメリカ南部を皮肉った曲で、

この曲に対抗して、南部出身のロックグループ、レナードスキナードがアンサーソング「スィートホーム・アラバマ」を発表したのは有名な話。

(...というか、かなりマニアックな話)

 
 Alabama    Neil Young

 

 

 

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祝! 空俱楽部6周年

2016-02-21 | 空倶楽部

この2月で空倶楽部が6周年を迎えました。

発起人の chacha○さん かず某さん には、あらためて感謝申し上げたいと思います。

さて、2月19日の空倶楽部では、

6周年を記念して、昨年のベストショット(もちろん自薦)を掲載することとなっていましたが、

迂闊にも失念しておりました。

実は、コメントを下さった皆さまのところを、先ほどから回り始めてようやく気づいた次第です。

もともと、空倶楽部には明確な規律があるわけではなく、

それならそれでいいか…ということにもなるのでしょうが、

40年近くも宮勤めで培われた性はそれを許すことができず、

2日遅れの掲載とさせていただきました。

 

ベストショットとはおこがましいのですが、

昨年4月に奥琵琶湖で見かけた風景です。

雲ひとつない空とその青さを映す湖面。

琵琶湖と空が混然一体となって、

その区別をかろうじてつけるのがやさしく寄せる波。

そのはるか向こうに小さく見える竹生島がアクセントとなった風景を今もよく覚えています。

 

そして、この風景を映像として眺めるなら、

BGMは、スタンリーマイヤーズのカヴァティーナしかない…と当時と同じくアップさせていただきました。 

ついでながら、バックに映し出される画像は、カバティーナを主題曲とした映画「ディアハンター」のものです。

youtubeの中には、この他にも「カバティーナ」があり、

このバージョンの、「ベトナム戦争を主題にした画像と美しい音楽はミスマッチ」と思われる方もいらっしゃると思いますが、

カバティーナ同様、「ディアハンター」にも強い思い入れがある私にとっては、

これが最良と、選ばせていただいた次第です。

 

 

 

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春色に染まる空と海 by空俱楽部

2016-02-19 | 空倶楽部

2月11日は日本列島が高気圧にすっぽりと覆われた。

この時期としては珍しく全国各地で青空が広がったとのこと。

北陸でも同様で、雲ひとつない青空が朝から夕方まで広がった。

この日は、前回ご紹介の通り、若狭へ春を迎えに行き、

帰りは越前海岸に沿った国道305号線を北上、春色に染まりはじめた空と海を楽しんだ。

北陸ならではの空と海。

海の青が次第に淡くなり空へと続いていく。

この時期、陽が傾きだすと水平線近くに雲が湧いてくるのだが、

この日は日没まで、快晴の空が広がっていた。

 

砂浜にやさしく寄せる波からも春の気配を感じる。

 

この週の終わりからあいにくの雪模様となり、

金沢の積雪は20センチを観測したという。

まだ、あちこちに雪が残っているが、

今日は二十四節季でいうところの「雨水」。

この頃から、雪が雨に変わり、氷も溶けだすのだという。

春ももうすぐそこまで来ている。


なんとなくの選曲は、サンタナの初期のバラード。

のんびりと、のんびりと...。

 

Carlos Santana - Samba Pa Ti(君に捧げるサンバ)

 

 

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若狭紀行 2016年早春

2016-02-14 | 若狭 越前 越中

2016年2月11日は日本列島が大きな高気圧に覆われ、

冬としては珍しく、各地で晴れ間が広がったという。

ここ数年、2月中頃ともなると、春を待ちきれずに若狭へ出かけることにしている。

若狭は福井県の一部でれっきとした北陸地方、雪も降るのだが、

ここだけには、すでに春が来ているような気がして、心がはやるのである。

 

福井県敦賀市の関峠を下ると日本海が広がり始め、ここからが若狭である。

余談であるが、

この関峠という地名、古代日本において、若狭と越国(こしのくに)を分ける関が置かれことに由来するという。

越国は、越前(福井県嶺北地方、石川県加賀地方や能登ももともとは越前)、越中(富山県)、越後(新潟県)からなる一大勢力で、

大和朝廷とは一線を画していた地域。

これに対して、若狭は大和朝廷配下にあって、塩や海産物などを貢ぐ国。

その歴史が連綿として続いているせいか、

同じ福井県でありながら、越前と若狭は地域性も言葉も違う。

かつて、越前に属していた金沢に住む私にとっても、

若狭は北陸であって、北陸でなく、そんな感覚が春を迎えに出かけさせるのかもしれない。

 

さて、若狭町から小浜市へと海岸線を走る道路から眺めた風景。

 

雲一つない青空にどこまでも穏やかな海。

気温も15度を超え、辺り一面春の気配そのものだった。

 


なんとなくの選曲はどこか懐かしいジャクソン・ブラウンの「ザ・バーズ・オヴ・セントマークス」。

昨年発売された最新アルバム「スタンディング・イン・ザ・ブリーチ」の1曲目に収録されているが、

実はこの曲、彼が10代の頃の作品というから、かれこれ50年ほど前のもの。

なぜ、今頃レコーディングしたのか…とういう詮索はともかくとして、

12弦ギターのここちよい響きが、ウェストコーストへと思いを馳せた遠い昔へ連れて行ってくれるような気がした。

 

The Birds Of St. Mark - Jackson Browne

 

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乾いた空、湿った空  By空倶楽部

2016-02-09 | 空倶楽部

2月最初の空倶楽部、今月のお題は「樹木と空」

ということで。

湖北にかかる冬の空と枯れ木。

典型的な日の丸構図でひとまずはお題クリア。

 

ところで、1月中旬のこの日、金沢は相も変わらずの雨模様。

暖冬とは云うが、温度が下がらないだけで、

湿った厚い雲が広がる北陸の空は冬型気候そのものである。

一方で、天気予報によると近畿地方は概ね晴れ。

どうせ撮るなら、「青空を背景にした樹木を」ということで、湖北へと出かけた次第である。

 

ここで興味深いことに気がついた。(というか、あくまでも推測ではあるが)

青い空と厚い雨雲が交差する空。

湖北ではよく見かける空である。

青空に映える夕陽を期待して駆けつけたものの、

突然張り出してきた厚い雲に夕陽が阻まれる。

この地においては、一度や二度の経験ではない。

 

冬の日本列島は、断続的に雨や雪が降る日本海側の空と、

青空にからっ風という太平洋側の空に二分される。

云ってみれば、湿った空と乾いた空である。

そして、その二つの空には、どこかに分水嶺のような場所があるはずで、

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」

という劇的なものではないにしろ、

それがこのあたりの空模様ではないかとふと思ったのである。

 

ということで、思いついた曲。

雨を見たかい  have you ever seen the rain    CCR

♪ 晴れた日に雨が降るってこともあるんだぜ。

  オレは知りたいんだ。

  「雨を見たことがあるかい?...晴れた日に降ってくる雨を」

 

この曲が発表されたのはベトナム戦争さなかの1971年。

「雨」とは、投下されたナパーム弾を暗示したもの…というのが通説。

当時、そんなことなどつゆ知らず、のびやかな曲調に「夏に降る通り雨の歌かな」などと、

ひたすら聴き入っていたノー天気な中学生だったころの思い出の曲。

 

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